表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
42/60

第42話 夜の出来事

 電磁調理器を納品してから九日が経過した日。夜行性の魔物を狩るため夕方に真也達が歩いて門へ移動していると、真也を見つけたアランが走り寄り声をかけてきた。それに驚いた天音はいつも通り真也の陰に隠れた。


「急に申し訳ありません。最近委託して頂いたコンロなのですが」


「ああ、売れて無いでしょう? 気にしなくても大丈夫ですよ」


 真也が天音を撫でながらにこやかに言った返事にアランは真面目な表情で首を振る。


「いいえ、現時点で既に六台売れています」


 予想以上の売れ行きに真也は目を丸くする。真也としては委託期間では売り切れないと予想していたのだ。そのためこの調子なら余らせずに済みそうだと気分が良くなった。


「それで追加発注を五百台お願いしたいのですが、大丈夫でしょうか。保管料は無料にしますし、追加注文分の余りはギルドが買い取ります。出来れば早期に二百台は欲しい所です」


 真也はそんなに売れる筈が無いと更に驚いてアランを見つめる。作ろうと思えば一瞬で作れるが、作れば異常性が露になるのでとても困る。しかしアランの様子は二月待ってと言える雰囲気ではない。


 アランとしてはすぐに納品されるとは思っていないが、発注しなければ単に遅れるだけなので早く多めに注文している。一般生活に関する品物は当たると一気に来るのは経験済みだ。


「そんなに売れるとは思えませんが、大丈夫なのですか?」


「今の所は根拠はありません。ただ、購入者は非常に満足しているようですので、来るときは一気に来ると思うのです。今までもそうでしたから。売れる波を逃したくないのです」


 これは真也を担当してきたアランだからこそ働いた勘だろう。普通はどう考えても無謀な数量だ。実際真也も無謀と思っている。ただ、商人として優れた感覚を持つアランが言うのだからそうなのかもと言う気持ちもある。


 真也にとっては原価は大した金額ではないので買い取らなくても支障は無いが、問題は数量だ。どう考えても一人で作れる数を超えている。真也は手を顎に当てて考える振りをしながら森羅と会話する。


(『森羅、何か良い方法はないかな?』)


 真也は困った時の森羅頼みを行った。困った主である。


(『【精神】の魔法を使えば怪しまれません。ただ、確実さを求めるならば王都全域に効果を長期間適用する必要があります。魔法に抵抗された場合はその人に対して効果はありません。この場合は長時間適用する事によって成功する確率を上げる事が出来ます』)


(『失敗する確率は?』)


(『一般人に対しては大丈夫です。王都の防護魔法は無視できる程度ですので、個々の魔術士の生来の抵抗と精神系統の特殊能力を持っている人が要注意となります。この場合は抵抗された時に魔法に気付かれる恐れがあります。但しどのような種類の魔法が使われたかまでは分かりません。抵抗された場合は選別して個別に処理を行います』)


 真也は少し悩んだが、将来の一手として加えるために実験をする事に決めた。今回は言わば些細な事なので、何をしようとしたか分からなければ察知されても大きな問題にならないと考えた。


(『では早速王都全域で起動。内容はこの魔道具の製作速度に疑問を抱かないで良いかな』)


(『はい、その内容で良いと思います。精神術式広域起動……完了。現時点では抵抗出来た者はいません』)


 その報告に真也はとりあえず安堵する。真也は考える振りを止め、アランを見る。アランの表情は真剣だ。いつも通りの出来る男のオーラを感じた気がした。


「分かりました。今は用事があるので無理ですが、明後日にとりあえず二百台納品します。その二週間後に三百台納品します。それでよろしいですか?」


「はい。出来れば後の納品を五百台にして頂きたいのですが、可能でしょうか」


 真也はアランを観察していたが、納品日時を聞いても疑問に思う様子は無い。そして先程より二百台増えた注文に、さすが出来る人は発想が違うと感心した。普通は断るが、実験中なので受けることにする。


「分かりました。後発の納品は五百台納品します。契約は明後日にお願いします」


「ありがとうございます。無理を言って申し訳ありません」


 最後まで変化はなかったのでとりあえずはこれで良しとする。真也は挨拶をしてアランと別れると天音を抱き上げて急いで門に向かう。日が沈めば門は閉じられて出入り出来なくなるのだ。日中ならば混み合う門も今の時間に外に出る者は殆どいない。いるのは依頼を受けた探索者と急ぎで移動する者達だけだ。なのでさほど待たずに受け付けする事が出来た。


「ギルド証の提示をお願い致します。今から外出ですか? 理由をお聞きしてもよろしいでしょうか」


 門に居るのはいつも通りの門番だが、最初の頃とは違う人になっている。最初に会った門番はあれ以来見かけていない。今居る人は横柄な態度は無く、微笑みながら優しげに語り掛けてくる。実に好感の持てる応対だ。真也は最初からこの様な人だったならば、ギルドでやらかす事も無かったのにと関係無いのに恨みがましく見てしまいそうになる。


「はい、夜に採れる素材の採取を行うつもりです。この子は弟子です」


 真也は腕輪を見せた後でしがみ付く天音を示して理由を言う。この辺りの理由は特に隠す必要は無い。門番はしがみ付いて隠れようとしている天音に優しく微笑むと、通過を許可する。


「分かりました。どうぞお通りください。この辺りに出る夜行性の魔物は物騒なものが多いので、気をつけてください」


「ありがとうございます。それでは」


 会釈をして足早に外に出る。真也はあれ以来態度の悪い門番に会っていないので、あの時は単に運が悪かっただけと思っているが実際は違う。あの時は行政府が素行の悪い者を処分する為に、証拠集めの観察をしている所だったのだ。態度が横柄程度では注意は出来ても中々処分までは出来ない。部署を変えても見えなくなるだけで実態は変わらない。蜥蜴の尻尾切りになる様では処分の意味が無い。きっかけが掴めずに困って居た所に、『偶然』あの騒ぎがあった。


 これ幸いと商業ギルド加入者に対して不要な軋轢あつれきを生んだとして拘束して取り調べを行い、後は芋づる式に関係者を処分していった。お陰で大分風通しが良くなったので街は以前より過ごしやすくなっている。真也は『偶然』悪い部分に連続して当たっているのでまだ気が付いていないが、あれらが標準なら疾うの昔に国は潰れている。


 そもそもあれが無ければギルドも簡単には変わらなかった訳だから、一見不幸の連続の様に感じるが実際は見事に幸運が連鎖している。俯瞰してみれば、今までの一連の行動がまるでその必要があったかのように次の出来事へ繋がっている。


 この運命の分岐点と言える最初の些細な出来事に一人を除いて誰も気が付いていない。そして小さな観測者は何も語らない。存在を感じる事が出来ない神の導きの様に、幸運と言うものは目に見えて実感出来るものだけではない一例であった。






 真也は外で桜に乗るとすぐに物陰に入り、隠蔽障壁を張る。これで無粋な視線から解放された天音は緊張を解いた。今回は夜になる時間に子連れが外に出たのでかなり目立っていた。次は気をつけようと反省する真也だった。


 今回の目的地は街道を辿り、少し森に入った所にある川だ。そこには夜光飛虫と呼ばれる魔物が出る。形は蛍を三m程度に巨大化させて、光る部分を腹部全体と羽に拡大させたものだ。羽は切り取った後で、すぐに広げて水に浸すと硬質化して高値で売れる。魔力で光る蛍光塗料も取れるが量を注がなければ光らないので人気が無い。


 真也達は狩り場を求めて移動する。近場は羽が高値の素材のため探索者が結構いる。事前に調査して確認はしていたが念のため森に入っては確認し、街道に戻っては次に進むを繰り返し、結局かなり遠くまで来る羽目になった。楓と桜がいなければ気軽に来れない程度の距離だ。


「さすがにここまで来れば大丈夫だな。野営地からも遠いし、この辺で探すか」


「主様、前方に人がいます。先程までは街道付近にいましたが、今は隠れているので盗賊の類かと思われます」


 さてやろうと思った所で森羅が報告してくる。それを聞いた真也は面倒事の予感にため息をつく。王都に来る時は盗賊に気が付いていないので真也にとっては初遭遇である。今回は隠蔽障壁で最初から隠れているので真也に選択権がある。


「こっちに気が付いた訳でも無いのに隠れたのか。さっき誰かが襲われたか、あるいは獲物が近づいて来ているか、どちらかだと思うが……。周辺にはその集団以外誰もいないんだな?」


「はい、その集団だけです」


「と言う事は誰かが襲われた後か。……天音、誰かが襲われていたら助けたいか?」


 真也は暫く考えていたが、現在人を怖がる天音がどう判断するか知りたくなり聞いてみる。いきなりの質問に天音はびっくりして身体を硬直させる。その後真也を不安げに見上げ、考える為に下を向く。暫くそのまま考えていたが、やがて顔を上げ決めた答えを言った。


「助けたいです。私もお師匠様に助けられました。手が届くのなら……」


 最後は小さくなって言葉にならなかったが、意思表示は十分だ。真也としてもここで見捨てる選択をされた場合、天音への教え方を考え直さなければならなかったのでほっとしている。真也の様にひねくれるのは歳をとってからで良い。


「分かった。天音はここで待っていなさい。楓、桜、天音を守って街道の脇で待機していて。森羅、能力強化お願い」


「はい、強化術式起動」


 真也は天音を桜の上に残したまま下りると森羅の案内で反応があった場所まで駆け出す。今回はおそらく見たくない出来事が発生すると予想しているので天音を連れて行く訳にはいかない。そのため楓と桜にお守を頼んだ。どちらもかなりの魔法を使いこなすので街道周辺にいるなら問題は起こらない。


 真也が出発した後で天音達は言われた通り街道の脇に移動する。天音は桜から降りて、楓と桜に挟まれて埋もれた状態で座る。その後に楓が結界を張って待機した。楓と桜に包まれている天音に今の所怯えは見られない。ほんの少しずつ天音も成長しているのであった。


 真也の方はと言うと、風を切りながらかなりの速度で移動していた。魔物の肉で上昇している身体能力に更に【強化】魔法を掛けたのでかなりの速度で移動出来る。流石にここまで色々あったので、持っている能力は検証して既に自覚している。


 凶賊の類であれば被害者はもう死んでいるだろうが、人攫いの類であればまだ生きているだろう。そう考えて真也は一直線に森に入ると木々を縫うように走り抜ける。慣性制御を森羅がこっそりと行っているので木に激突するような事は無い。


「主様、おかしいです。人の集団のすぐ傍に魔物の反応があります。すぐ近くにいるのに戦闘になっていません」


 森羅の詳細探索で集団が男七名、女二名と判明するが、その傍らに魔物の反応も出ている。森羅は使役魔と魔物を区別出来るので間違った訳ではない。真也はその報告に眉をひそめながら音を立てずに集団に近づいていく。近くまで来ると話し声が聞こえたので、見える位置まで移動して太目の木の横に立ち耳を澄ます。


「なあ、やっぱりやらないか? こんな上玉滅多にありつけねえぞ」


「馬鹿言うな。だから高く売れるんだろうが。しかも今回は半端者だ、珍しいからいつもより高く売れる事は間違いない。分かったらとっとと仕事しろ」


 隠れた真也が見ている目の前で戦利品の女性達は猿轡を噛まされて縛られていく。その首には似合わない無骨な首輪がはまっていた。女性達は全く抵抗せずにおとなしくしている。


 周囲にいたのは検索通り、男七名と女二名、それとゴリラのような魔物が二体傍らに立っていた。目が赤いので使役魔ではない。魔物の首には女性の物と同じ首輪がはめられていた。魔物避けの効果範囲にいても逃げる様子は無い。


「それにしても便利だなこれ。首にはめるだけで身体を動かせなくなるから攫う時楽だ」


「魔物なら操れる位まで行くんだがな。人ではその程度だ。中にはこいつらみたいに中々効かないのもいるから注意が必要だがな。だがそう言うやつは珍しいから高く売れる」


 男達はニヤニヤと戦利品を見ている。


(『ほう、そんな物があるのか。街の噂に無い所を考えると、近年出来たか闇取引で出回っているかどちらかだろうな。……いやまて、人を操る魔道具は過去に存在した形跡がある。それの劣化品か魔物用の改良品かもしれないな。……嫌な予感がする。調べるか。森羅、後であの首輪を調べてくれ』)


(『分かりました』)


 真也が思い出したのは二百年前に滅んだ国が使った魔人の事だ。魔道具の記述は無かったが、操られていたのは確実だと考えている。あれから更に資料を調べて魔人が同郷の者だと真也は確信している。


 気を取り直して真也は観察に戻る。女性は真也の目にはどちらも十二歳程度の子供に見える。黒髪に黒目、エルフの様に尖り気味の耳、黒いフサフサの尻尾。服装は草色の上着にズボンを履いている。瓜二つなので双子だろうと真也は落ち着いて観察する。


 現在は切羽詰った状況でも無いので観察しているのであって、見捨てようと思っている訳ではない。真也はこう言う盗賊の類は好きではないので効率的な排除方法を考えているのだ。そこに慈悲はひとかけらも存在しない。基本的に関わらなければ放置するが、今回は救出する都合があるので関わるのは決定事項だ。


 正義の味方なら今すぐ少女達を救い出して悪人を成敗するだろう。残念ながら真也は自分の価値観に基く悪人の敵であって、物語にいるような善意で動く輝かしい正義の味方ではない。真也は見つめながら考えていると、少女達の一人と目が合った様な気がした。周りを見ても見るようなものは無い。しかし少女は転がされたままじっと真也がいる辺りを見つめている。


(『なあ森羅、もしかして見えてるのか、あれ』)


 真也の問いに森羅が肩から飛び立つと少女に近づいていく。少女の目線は森羅を確実に追っていた。森羅は少女に触れるとすぐに引き返してくる。まだ少女はこちらを見たままだ。森羅が真也の肩に戻ると、男達は魔物に少女達を担がせて移動を開始する。もちろん真也はゆっくり後を付いて行く。時間が掛かりそうなので楓達に森羅を通じてしばらく掛かると念の為に連絡をしておいた。その後に歩きながら報告を聞く。


(『彼女達は所謂魔眼持ちです。効果は使いこなせればあらゆる偽りを見抜く事が出来ます。今は首の魔道具に抵抗するために無意識に力を発動している状態です。まだ力がそれほど強くないので効果を遅延させる程度しか抵抗出来ていません。それと彼女達はエルフと獣人族の混血です』)


 混血との報告に、だから尻尾があるのかと納得する。ケモ耳で無いのは残念だと馬鹿な事を思ったりしたが、思考を軌道修正して重要な部分を確認する。


(『と言う事はこちらの姿は確実に見られたな。変化させた色彩まで全部見通されていた場合は精神を操作して忘却させるしかないか。出来る?』)


(『難しいです。魔眼持ちは魔法に対する抵抗力が普通の人よりありますし、一時的に消去出来ても彼女達が持つ魔眼の効果でその内思い出す可能性が高いです。強引に消去した場合、廃人になりかねません。ちなみに現時点では彼女達以外の魔眼持ちは確認していませんので、かなりの希少能力と思われます』)


 真也は積みあがる問題に頭を抱える。真也の色彩は魔人と同じなので、そこまで見通されていた場合は助けて届けてさようならが出来ない。放置すれば噂が広まりかねないので、何の対策も無しに別れる訳にはいかない。更に天音の事もある。近くに置いて監視するにしても拒絶する者がいれば天音は確実に傷つく。こうなったら彼女達が善良である事を祈るしかないと思いながら、どうするかを考えていく。


 一時間程歩くと、山肌に掘られた洞窟が見えてきた。見張りが二名立ち、周りに柵がある所を見ると、ここが拠点らしいと真也は判断する。長期間の使用を前提にしているなと観察しながら一緒に付いて行く。これから行う作業は楽しい事ではないので、真也は感情を表に出す事無く黙って歩いている。


 森羅が【探索】を使い、ここには総勢二十名が居ることが分かった。結構な大所帯である。魔物はこの二体だけだった。やがて広いところに出た男達は荷物を下ろしてそこに居た仲間に戦果を誇る。男達は欲が出ている顔で笑いあう。無表情のままその光景を見ていた真也は、もう良いだろうと森羅に指示を出す。


(『森羅、精神支配を行い、他にいないか情報を引き出してくれ。こいつらの後の事は考えなくて良い』)


(『分かりました。精神術式起動』)


 男達は一瞬光るとその場に全員崩れ落ちた。森羅は魔物と少女達に近づいて首輪に触れ、転がっていた荷物の一部を拾い集めて閉鎖空間に収納してから戻ってくる。


(『主様、外にあと十名出ている様です。朝には全員帰ってきます。彼女達以外の虜囚は現在いません。それと首輪ですが、精神支配系統の魔道具です。込められた概念の精度が悪いので現在は魔物しか操れません。人がはめた場合は精神が反発して身体が動かなくなるようです。入手先は取引先からです。それとこの子たちの持ち物を見つけましたので、閉鎖空間にしまっておきました』)


 真也は表情を変える事無く頷くと次の指示を出す。残りが居るなら手早く片付けなければならない。魔道具の事は気になるが、藪をつつく趣味は無い。魔人に関連する事かも知れないが、発想自体は誰でも考え付くような事なので無関係かもしれない。それにもし関連があったとしても、簡単に辿れるような間抜けが二百年も隠れていられる訳が無い。本当は関連を調べたかったが、素人の真也が動けば相手に確実に感付かれてしまうのでここで調査を終える事にした。そしてここを放置する理由は真也には無い。関わってしまった以上、野放しにして調べられても面倒が増えるだけなので始末する事を決めた。


(『彼女達を連れて脱出する。外に通じる出口を封鎖出来る様に準備。見張り以外奥に集めて全員戻ったところで見張りも中に入れて出口を封鎖。後続が戦利品を連れてきた場合は外に出してから実行。その後全体を崩落。出来る?』)


(『大丈夫です。では実行します』)


 森羅の声と共に男達が立ち上がり、ぞろぞろと奥の部屋に移動していく。その後、少女二人を空中に浮かべると外に移動する。二人とも状況の変化に驚いて目を見開いている。騒がれても面倒なのでまだ拘束されたままにしてある。


 入口は特定の人が通過すると崩れるように術を設定し、見つからないうちに急いで街道まで戻る事にする。見張りは普通に応答するように設定している。応答するだけで、もはや自分の意思を持たない操り人形だ。


「終わったら一応確認の為にまた来よう。森羅、速度を出すからこの子達の保護を頼むよ」


「分かりました。障壁で保護します。……完了しました。どうぞ」


 真也は森羅に言って少女達をしっかり保護させると、木々の隙間を縫うようにかなりの速度で天音の所に向かった。連れられた少女達は今まで体験した事のない恐怖に震えている。暫くは耐えていたが、やがて限界が訪れて気を失った。





 余談だが、ジェットコースターがある遊園地には、園内の売店に何故か下着が売られていると言う。何故あるのかは言う必要は無いだろう。つまり、そう言う事だ。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ