殿下と酔っ払い
殿下とこの子の身長差は結構あります…20cm弱くらいですかね
「でんかぁ〜もうちょっと飲みましょうよ〜せっかくおいしいワインもらえたんだからぁ、もう結構飲んでるって?ウソだぁ〜でんかまだ全然酔ってらいじゃないですか〜ほぉら、わらしが注いであげますよ〜」
(トプトプとワインが注がれる)
「なんかいいれすねぇ…殿下と二人っきりで頂き物のワインを飲むなんて。執務室からの夜景もオシャレれすし…えぇ〜?そんなに飲んで大丈夫かって?大丈夫れすよ〜お酒飲んだ時の記憶は無くなっちゃうんれすけど、今まで一度も問題起こしたことはないれすし?」
(ほらぁと言いながら彼女は腕をぶんぶんとふる)
「心配だからもうこの辺でやめておけって?いやれすよ。あぁ〜でんか、わらしからワインとりあげようとしてますね?取り上げられるくらいなら、全部飲んじゃいます!」
(ゴクリと彼女はグラスに入っていたワインを飲み干す)
「う〜ん…やっぱりナガラ産のワインは美味しいれすねぇ。でも、それだけじゃないような…でんかと飲むから美味しいんれすかねぇ」
「でんかぁ…もう一杯だけ、、一口だけダメれすか?…一口だけなら?やったぁ〜」
(トプトプとグラスに少しワインを注ぐ)
「…なんらか今日はでんかが優しくてとっても可愛らしく見えますねぇ。きゅーにハグしたくなってきましたぁ。ほら、でんか、逃げないで。ぎゅ〜。う〜ん…でんかあったかくていい匂い。でんかからはミモザみたいな匂いするんれすねぇ」
(スンスンと俺を抱きしめた彼女は首筋に鼻を近づけ俺の匂いを嗅ぐ)
「なんだか…心臓がはやいような…あれぇ?でんか、もしかして恥ずかしがってるんれすか?恥ずかしがらなくてらいじょうぶれすよ。ほら、ぎゅ〜」
(ぎゅうぎゅうと彼女は俺を抱きしめる)
「酔うとこんな風に誰にでも抱きつくのかって?嫉妬れすか?はぁ〜でんかも男の子だったんですねぇ〜」
「らいじょうぶれすよ。わらし、でんかのことらい好きれすし。心配しないでくらさい。他のひとにはこんなことしませんよ〜」
(上擦った声での思いがけない告白に思わず口がニヤける)
「どうしたんれすか?ニヤニヤしちゃって、、、どんなところが好きかって?そうれすねぇ…いつもその鋭い瞳で書類の束と向き合ってるところとかぁ、お疲れ様って紅茶注いでくれる時とかぁ、あと、たまぁにニコッとわらしに微笑みかけてくれるところとかも、とぉ〜ってもらい好きれす!」
(嬉しそうに顔を綻ばせ俺にそう告げる)
「れすからぁ、わらし悲しいんれすよ?でんかったらちぃ〜っともわらしのこと頼ってくれないんれすもん」
「十分頼ってる?ほんとーれすかぁ?わらしの前くらい、も〜っと我儘でもいいんれすよ?」
(俺のボトルに手を伸ばしゴクゴクとワインを飲んでしまう)
「ぷはぁ…ほんとこれ、美味しいれすねぇ。え?これはでんかの分?いいじゃないれすか〜細かいことは」
「わらしね、でんかには笑ってて欲しいんすよ。いつも難しい表情してて辛そうれ、もっと肩の力を抜いて欲しいんれすよぉ」
「そうれすよ!心配なんれす!わらしはでんかの事ら〜い好きれすからねぇ。もっとぎゅーってしてください」
「俺も好き?きゃあ!わらしたち両思いじゃないれすか…嬉しいれすねぇ。あぁ、もっとなでなでしてください。気持ち良いれすぅ…」
「あらぁ?なんだか眠たくなってきましたぁ…ん〜?ここで寝るのかって?でんか、わらしの部屋まで運んでくらさい。おねがいしましゅ」
(スゥスゥと気持ちよさそうに寝てしまった)
(翌日)
「はい、なんですか殿下?昨日のことだが…って、あぁ私お酒飲むと記憶がなくなるタイプなんすよ。なにかやっちゃいました?すみません」
「えぇ、ワイン飲み出しての記憶があまりないですね…いや、それならいいって、メチャクチャにやけてるじゃないっすか!?え?殿下?私何かしたんすか?言わない?お、教えてくださいよ!ねぇ、殿下ってば!」
酔ってる間の記憶がなくなるのって現実では最悪ですけどこういう子だと…可愛いだけですね。心配にもなりますけど




