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存在しない祠が出現した村  作者: 即興
一つ目の村
2/11

儀式 壱

大学生の青年【桜田】は、彼女である【睦美】の行方を捜していた。彼女の部屋には、とある村の神社の住所が書かれていた。しかし、その村では数週間前に”存在しない祠”が現れ、神主が祟りで殺されていた。

僕は彼女を探しにこの村へやってきた。

同じ大学に通う彼女は、オカルトサークルに所属していた。

しかし、サークル活動が忙しくなるかもと言って疎遠になってしまった。

大学にも来ていないし、家にもいない。

彼女の部屋から見つけたメモには、神社の住所が書かれていた。


「あの、ごめん下さい。誰かいますか?」

鳥居をくぐり、あたりを見回すが人の気配を感じない。

「あなた誰?」

幼い少女らしき声が後ろから聞こえた。

振り返ると、10歳前後の双子の女の子だった。

「お兄さんも殺すの?」

「殺す・・・?」

「祟りで殺すの?」

殺す?祟り?一体何の話だ?

「このお姉さんを探しているんだ。見ていないかな?」

少女たちに彼女の写真を見せた。

「知らない」

「見てない」

彼女について手掛かりなしか・・・。

「あ、じゃあ神主さんはどこにいるか分かるかな?」


「死んだ」


え・・・?


「えっと、ご冥福お祈りします。今は誰か代わりの人がいるのかな?」

「祟りで殺されるのが嫌だからいない」

「さっきから言っている”祟り”って何だい?」

少女たちは僕の顔をじっと見つめた。

日本人形みたいな無機質な表情で、不気味さを感じる。

「お兄さんが何も知らない人なら、大丈夫な人」


話によると、数週間前にここで神主が死んだ。

鳥居にもたれ掛って、恐怖に怯えた表情のまま・・・。

原因は、”存在しない祠”。

突如村に出現した祠について、村人は何もわからない。

だがその祠ができた次の日に、神主は亡くなった。

何かしら関係があると村人は考えているらしい。


「そ、そんな怖いことが・・・」

「その日以来、皆祠に来てお祈りしているの」

「怒らせないために」

「「お兄さんも行った方が良い」」

夕方を背にした少女たちがそう言うと、木からカラスが一斉に飛び立った。


祠の場所に案内してもらった。

村の入り口から遠く離れた場所にあり、到着した頃には夜になろうとしていた。

「ありがとう。もう夜遅いし、ご両親が心配していると思うよ。お家は近いの?」

「「うん。平気」」

「そっか・・・それなら良いけど」

「じゃあねお兄さん」


「「祠壊さないでね」」


少女たちが去ったのを見送って、改めて祠を観察した。

その祠は、随分小さく僕の胴体程度の大きさしかなかった。

しかし最近建てられた物とは思えないほど、材木は古びており何年も手入れされていないようだった。

「”存在しない祠”か・・・」

正直彼女ほどオカルトは信じていない僕は、疑っている。

あの少女たちに冗談を言われたんじゃないか?

よそ者が来たから、暇つぶしに怖がらせてやろうと。

祠がいきなり現れるなんて、あり得ないじゃないか。

そんなことを考えつつ、一応手を合わせてお祈りをした。

オカルトは信じていないが、一応日本人の精神は持っている。


「もう遅いし旅館に行くか」

即興で書いてます。

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