表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
私、女王にならなくてもいいの?  作者: gacchi(がっち)


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

37/42

37.3日間の始まり

まただ。

ここ最近、ルヴィが暗い顔をするようになった。

夜寝る前に肌を重ねようと抱き寄せた時に、

どこか深く沈んだような雰囲気を感じるようになった。


俺と結婚するのが嫌ではないと思うが、

こんな風に肌を重ねるのは早すぎたのだろうか。

この3日間の休みは聖女が来るということもあるだろうが、

おそらくルヴィの気持ちを確かめろということなんだと思う。


兄上は直接ルヴィに聞いたりはしないが、気が付いて心配している。

俺も気になり始めてから何度か聞こうとしたが、

気まずい思いをしたくなくて避けていた。

だけど、今日こそは聞かなければ。


「ねぇ、ルヴィ。俺とこういうことするのは嫌か?」


目を閉じてされるがままになっていたルヴィが目を開ける。

少し驚いているのだろうか、何か言おうとして、また口を閉じた。


「最近、ルヴィにくちづけたり、さわろうとすると、

 暗い顔をしている時があるんだ。

 こういうことが嫌なら、俺は待てるよ?何かあるなら話してくれないか?」


そこまで話すと、ルヴィの顔が赤くなった気がした。

赤くなる?どうしてなんだろう。

俺とこうするのが嫌なら、青くなるんじゃないだろうか。

今のルヴィはまるで失敗を隠していたのがバレた時の顔をしている。

言おうかどうか迷っているのだろう。

くちびるに力が入っているのか、少し震えた。


「…あのね、嫌じゃないの。

 ジルとこうするのが嫌なわけじゃない。」


「うん。でも、何かあるんだよね?

 できれば聞いておきたいんだ。どうしてルヴィがそんな顔するのか。」


「…怒らない?」


「怒らない。大丈夫。何でも言っていいよ。

 言われない方が不安になるんだ。」


怒ってないよ。ただ心配なんだ。

嫌われていないのは知ってる。だけど、好かれているのか自信は無い。

俺からの一方的な愛を受け止められず、困っていないか、不安だった。


「…ジルに脱がされるようになって、いろんなとこさわられたり、

 いろんなとこにくちづけされたりすると…。」


「うん。」


「女官たちにも同じことをしてたのかなって…。」


そこまで言うと、恥ずかしかったのだろう。

ルヴィは真っ赤になって涙目になってしまった。


は?女官たちに?ルヴィにしているのと同じことをしていたのかって?

それって、もしかして。


「ルヴィ。ずっとそんなこと考えていたの?」


「…。」


考えていたんだ。俺がルヴィを気持ちよくさせようとするたびに、

ルヴィの中でじくじくと傷が痛むようにその思いが強くなっていったんだろう。

そして、その思いが強くなりすぎて、隠せなくなった…。

あぁ、もう。このまま最後までしてしまいたくなる。可愛すぎるだろう。



「ルヴィ。3日間もお休みもらったし、今日は夜更かししてもいいよね。

 ゆっくり話をしようか。」


「話?」


「ああ。俺が今までどんなふうに生きてきたのか、聞いてくれる?」


「…わかった。」


まだ赤い顔を見せるのは嫌なのか、腕の中にぽすっと顔を埋めるように入ってきた。

それを抱き留めて、髪を撫でて落ち着かせながら話し出す。

俺という存在が、いかに不要なものであったのかを。




評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ