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私、女王にならなくてもいいの?  作者: gacchi(がっち)


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26/42

26.塔に入れるものは

結局、ジョイン王子は罪人としてエルドリア国に送り返された。

第一王子がとてもいい笑顔で出迎えてくれたそうなので、

きっちりと処罰してくれるだろう。


ジョイン王子に連れ去られそうになったり、疲れているのに無理に学園に行っていたりで、

ここ最近はまったく良いことがなかった。

それでも、ジョイン王子の件が解決したことで少しだけ達成感はあった。


とは言え、ラミサージャ王女については、まだ終わっていなかった。

さすがにあれ以来は護衛が止めているのか王女が王弟の宮に来ることは無い。

その代わり、国王の宮に行ってはお父様に話しかけているらしい。

何度言われても答えは同じなのにと、お父様がうんざりした顔をしていた。

相変わらず側妃になることをあきらめていないようだ。


ジルはジョイン王子のことで隣国との話し合いもあるし、

ラミサージャ王女を送り返す手配などもあって、とにかく忙しそうだった。

早朝から出て、私が眠りにつく頃に戻って来てるようだった。

私は半分寝てしまっているので、その記憶はあまり定かではない。




このモヤモヤした状況からいいかげん解放されたくて、

久しぶりに祈りの塔で祈ることにした。


早朝の澄んだ空気が気持ち良くて、おもいっきり深呼吸する。

王弟の宮からは少し遠いが、護衛たちも連れて来ているし、

ジルにも許可は取ってあった。


もう少しで塔の下に着くところで、後ろから声をかけられた。

振り向いて、無視してさっさと塔に上がればよかったと思う。

そこには、やはり早朝なのに妖艶なドレスを着たラミサージャ王女がいた。


「どうしました?」


「ジルバード様を探しているの。意地悪しないで教えて?」


「ジルがどこにいるのかは知りません。」


これは嘘だ。閉鎖した外宮の中で仕事しているのを知っている。

閉鎖した宮なら王女が気が付かないと思ったのだろう。

おかげで一度も遭遇していないそうだ。


「嘘だわ。知っている顔しているもの。

 その塔にいるのでしょう?」


「いいえ。ここにはいませんよ。

 ここは祈りをささげる場所です。」


「…じゃあ、中を見せてくれたら納得するわ。」


「この塔には王族しか入ることができません。」


「どうして王族しか中に入れないの?」


「わかりません。

 だけど、はじかれて中に入ることができないと聞いています。」


「じゃあ、試してみましょう?

 はじかれたらあきらめるわ。」


いいのかなと思いつつ、何を言ってもあきらめないような気がした。

少し迷ったが、ラミサージャ王女だけ連れて塔へ上がることにした。




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