魔王を倒せ!
難敵セッカチンを撃破。
手榴弾の恐怖から解放された三人。
ふう。強敵だったわね。
あれ? 道が開けて来たぞ。
本当っすね。
えーと。敵さんはいなくなったのかしら。
油断していると……
化け物の群れに当たった。
囲まれた!
これこれ。
セッカチンから奪った手榴弾を投げつけ突破口を作る。
パックが追ってくる敵をお得意の斧を振り回し倒す。
うーん。物足りねい。
バカ言ってないで逃げるのよ!
辺りはいよいよ夕闇となった。
どうやらここも時間の経過があるようだ。
まずいわね。こういう時は必ず魔物が姿を現す。
それも通常の倍以上の力で襲ってくる。
見えた!
光り輝く門。
夜になるとライトアップするらしい。
まあ幻想的……
パックはそっちを見てきて。
ハイ?
パックを見回りに行かせ無理矢理二人っきりのシチュエーション。
早く! お願い!
強引だなあ。まったく……
仕方なく従う。
カン。こんな素敵な場所で二人っきり。
プラスティ―? 今そんな時じゃないよ。
いいから。さあ歩きましょう。
カンの腕を掴む。
うふふふ。
気持ちわり。じゃなかったっす。囲まれましたぜ。
かぼちゃのお化けが現れた。
あら可愛らしい!
何か呪文を唱えている。
兄貴どうしましょう?
何か要求してるみたいだぞ。
何かあげたら。
それじゃあ。爺さんのとこからくすめた和菓子。
いつの間に。手癖が悪いんだから。
お口に合わないのか再び呪文を唱えた。
まずいどんどん魔物が増えていく。
怒らすと豹変するタイプのようだ。
最後のチャンス。
クッキーとチョコを渡す。
爺さんが隠していた秘蔵の洋菓子。
うまそうだから独り占めしようと思ったのに。
全部やるよ!
かぼちゃのお化けは満足したのか道を開けてくれた。
よしあとちょっと!
百メートルを切った。
もう大丈夫。
もう安心。
誰もがそう確信した時最大の敵が現れる。
魔王の発光大王怒が姿を現した。
良くぞここまで来た。褒めてやろう。
この門は我を倒さねば開かぬぞ!
どうする?
カン頑張って!
兄貴。力の見せどころですぜ。
ええ? やっぱりこの展開?
ちょっと待ってくれ!
リーダーでしょう。
兄貴。期待してます。
こんな時に限って責任を負わされる。
リーダーになんかなるんじゃなかった……
後悔しても遅い。
もう切り替えるしかない。
魔王を倒すのだ。
魔王を倒すには少なくてもゴールドソードが無くてはいけない。
どうする?
早くしろ! 待ちくたびれたぞ。
どうしよう? どうしよう?
カウントを開始するぞ。
30…… 25……
兄貴がピンチだ。
ハッタリで良いっすね?
ああ、もう何でもいいから魔王を黙らせろ!
このゴールドスプレーをお使いくだせい!
うん。パック。何よこれ?
ええっと詳しい説明は省きます。落書きの道具です。
パックの特技。
あらゆるところに落書きと言う名のアートを描く。
いつも持ち歩いてるんす。ゴールドは目立つんで。
兄貴! 受け取ってください!
10…… 4、3
カンは受け取ると剣にゴールドを振りかける。
ゼロ!
待ってくれ!
遅い!
何とかかわすがもう後がない。
こっち。こっち。
プラスティ―がおとりになる。
馬鹿め!
魔王は躊躇なく襲い掛かる。
カン!
プラスティ―!
手が震えて上手く全体にかからない。
ムラが目立つ。
失敗?
時間が無駄に過ぎていく気がする。
早く早く!
焦る気持ちを必死に抑える。
ようやく全体に塗れた。もう大丈夫だ。
魔王はプラスティ―を追いかけ回す。
魔王の執拗な追跡にプラスティ―は逃げ回るあまり体のバランスを崩し、転倒してしまう。
プラスティ―!
カン!
ふふふ。少し痛いですよ。
魔王は剣を振りかぶった。
待て! こっちだ!
うん? もう遅いですよ。こちらから片付けてあげましょう。
油断したのか魔王は後ろを振り返った。
遅かったんです。それでは……
ビリビリ
プラスティ―の必殺をお見舞いした。
うぐぐぐ。
倒れる。
しかし魔王もタフ。30秒もしないで意識を取り戻した。
くそ! 油断した!
剣を地面に刺して立ち上がる。
この隙にプラスティ―は安全なとこまで退避。
魔王覚悟!
ゴールドスプレーで金色に染めた剣。
カンは即席ゴールドソードを振りかぶった。
魔王は反応するが剣を抜くのに手間取り遅れる。
喰らえ!
ゴールドソードを魔王を目がけて振るう。
止めてくれ! 俺が! ぐわ!
魔王発光大王怒は役目を終え姿を消した。
まだ下界には鬼神がいる。ははははは!
最後の言葉を残す。
魔王撃破。
さあ門へ走れ。
開かれた門に走る三人。
第二関門突破。
ようやく第三の扉へ。
最後の試練が待ち構えている。
続く