68話 二十八人の調査隊
早朝のゴッドレス南門。その防壁の上に立てば、既に事態が大きく進展している事を理解させられた。
真昼の“星鳴き平原”を北上してくる無数の亜人。疎らに、かつ、とてもとてもゆるりと。そしてまだまだ距離はあるが、その歩みは確実にゴッドレスへと向けられている。
実に気味の悪い侵攻だった。
覗き始めた陽の光をテラテラと反射するぬめり気のある皮膚。狂気を感じる個々の造形。感情を読み取れない黒一色の瞳。そのくせしっかりと武具をまとい、二足歩行をする。地鳴りも咆哮もなく、ただただ前進する様がひどく不気味だ。
「ふん? 予想と違うな」
集団ではあるが隊列はなく無秩序な接近だった。ランダムが作為的に集められた故の規則的な行動といった印象を受ける。まるで季節を迎えた渡り鳥が自然とそうするかのように。
「にしても遅い前進だなぁ。突撃すれば今ごろ攻め込めていただろうに」
静かな進軍に対して、集まったプレイヤー達は焦りを色濃く滲ませていた。それが周囲に溶け込み、南門の空気をヒリつかせている。
「なんにせよピンチだな、色々と」
「言ってる場合かよ」
「やあ、剛くん」
彼も例外ではない。むしろ掛けられる期待が大きい分プレッシャーを感じるだろう。
「きみって若いのに大変だね」
「ああ?」
ドスの効いた声。怖いな。敵を睨む目つきも鋭い。
「まずいぜ、これ。先手を打たれちまった」
確かに。先手としちゃ完璧に近い。モンスター特有の底無しに近い体力を棒に振るような遅い進行は良くないが。しかしプレイヤー達は団結しておらず、当然ながら対策なんて立てられちゃいない。最もまずいのは、それ等を整える時間が奪われたこと。
「お兄さん、召集だ」
クソ、今頃かよと悪態をつきつつ、彼は忙しなく眼前を突いている。メニュー画面を高速で操作しているらしい。
「へえ? 誰が、誰を召集したの?」
「へーエルピスが主だったプレイヤーを集めてる。ギルドマスターとかパーティーリーダーとか。あとはトッププレイヤー達も」
今から色々を整えましょうってわけだ。奪われるわけにはいかないものな、ゴッドレスを。特に神殿の破壊だけは防がなければ。何せまだ五千人をこすプレイヤーが此処から出られていない。その中には生産職の人達もいて、彼等の死に戻り地点はやはり此処だ。
そして殆んどのプレイヤーは事の重大さに気付いていない。死に戻りが出来なくなるなどとは思っていないのだ。彼等がその考えに至った時に起こる混乱は押さえ込める規模ではないだろう。
ゆえに、早急に整える。迎撃作戦における役割や配置、そして各ギルドやパーティーの連携と情報網。やるべき事はあまりに多いな。
「そんな時間ないよ。10分と経たずに先頭が到達する。欠伸が出るような進軍から疾走に変わればもうすぐだ」
「分かってんだよ。けど、だからってこのまま無茶苦茶やっても勝てねーだろ?」
「ふん? そう考える根拠は?」
全プレイヤーが南門に集結すれば混戦にはなれども楽に蹴散らせる筈だ。
「お兄さん、俺のこと馬鹿にしてんのか? それとも試してる?」
「まあ、後者かな」
「……このままじゃ勝てねー根拠は、攻撃がコレだけじゃない可能性があるからだ」
「ふふ。うん、素晴らしい」
そうだ。第二波第三波が起こる可能性もあるし、攻められるのが南門だけとは限らない。
対応は戦略的かつ組織的に行わなければならない。さらに細かく言えば戦法が必要になる。戦力投射、つまりプレイヤーの運用が鍵を握るのだ。侵入を許してしまえば止めるのは難しい。市街地戦闘となれば部隊としての完成度がものを言う。日本人のゲーマーにそんなものありはしない。
「で? 南門は捨てるの?」
整えるまでの時間稼ぎが必要になる。いま目の前にいる敵軍への対処はしなければならないのだから。
「それとも今ここにいる彼等を戦わせて、死んでも止めろ、と言うかい?」
我ながら意地悪な質問であった。しかし剛くんは迷いもせず敵を睨んだまま口を開いた。
「それしかねー。大したことねぇだろ、死に戻れるんだから。今はまだ」
「……へぇ? きみってば、本当に高校生?」
肝の据わりかたが違う。判断も迅速かつ的確で、苛烈な決断でもブレない。俺に対する言葉遣いまで変わっている。これが本来の彼なのだろう。
「行くぞ、お兄さん。呼ばれてるんだろ?」
「呼ばれてはいるけれど、行くとは返信していないなぁ」
「はあ? またわけ分かんないこと言って……」
「俺はやりたいようにやるよ。いかに戦力の温存を図るか。それが今やるべき戦いだ。戦力の絶対数は重要な戦況に直結する」
「……だから今やれる奴らでやるんだろ。死に戻りってシステムがある以上、普通の戦略じゃもったいない」
「だからこそ、だよ」
それを使う時を間違えてしまえば、プレイヤーはたちまち愚図の集団に成り下がる。倦怠感に囚われ、さらなる死に戻りの危険が伴う局面ではスキルや装備の消失に怯えながら戦う羽目になる。
死に戻りというシステムは、安心して使えるからこそ意味を成すのだ。踏み込んだ言い方をすれば戦略的に使用するべきなのだ。
「だからこそ死に戻りの使いどころが重要になるのさ」
「……お兄さん、実はソッチのプロ?」
「なわけないでしょ」
あっそ、と素っ気ない返事をして、彼は周囲で慌てるだけのプレイヤーを見回した。殆んどの者は目線を合わせず、それどころか俯く者ばかり。
「どのみちキツいか」
「覚悟、出来てないからねぇ。崩れる時は一瞬だろう。指揮官もいない」
「そんで? お兄さんはどうすんの? ここに残って指揮官をやってくれんのかよ」
俺に指揮官は務まらない。頭、悪いですし。
「間引きと撹乱、あとは何かを掴み取れれば良いかなぁ」
「……おい、まさか」
そう、そのまさかだ。俺が今やるべき事は――
「それってつまり突貫?」
「あー、ヘラさんカッコ良いっす」
背後から掛けられる声がひどく頼もしく感じた。確かに、この二人となら何かを成せるかもしれない。
「やあ、辰辰さん、獅子丸くん」
「やあ」
「どうもっす」
とは言え抑え込める数ではない。横に広く展開された陣形は止められない。疎らゆえに広範囲。さて、どうするか。
「あんた等、三人で突っ込むつもりか?」
剛くんは大声で問い掛けてきた。周囲に響くほどの大音声だ。うるさいじゃないか。
「……何か良からぬことを企んでる?」
「はん、ゲーマーなんて単純な奴等ばっかりなんだよ」
言葉の意味を理解するのに時間は掛からなかった。南門に集結したプレイヤー達の興味がこちらへと向いている。そこから聴こえる様々な声。
あの三人が居るならありがたい、戦おうか、あいつ等となら何とかなるかも。そんな前向きな言葉達が重なり合っている。
なるほどなぁ。
「俺達を餌にしてやる気にさせたわけだ」
「人聞きの悪い言い方はやめてくれ。けど、やる気になるのは良いことだ」
だろ? 剛くんは悪びれる様子もなく鼻を鳴らして言った。
食えない少年だな。そして人を使うことに慣れている。感情も、よく理解している。
「良いでしょう。しっかりと餌役になって来るよ」
「……頼んだ」
「君達こそしっかりやってくれよ。作戦と戦況次第じゃ、崩壊なんてあっという間だぜ」
言いたい事だけ言って、防壁から飛び降りる。背後から続く二つの気配を感知。同じく、開門される様子も。どれだけの人数が参戦するかは分からないが、ゼロってことは無さそうだ。
さあ、イベント開始だ。派手に暴れようぜ。
──────
────
──
やはり圧倒的に数的劣位であると、敵に迫れば嫌でも理解してしまう。なにせ全体数が把握できないほど広範囲に膨大な量のモンスターがいる。
対するこちらは二百予名。出来ることは限られてくる。付け入る隙があるとすればその重鈍さだ。
そこで三隊に別ける。
一つは守備隊。門の前にて待ち構え、到達前になるだけ討つ。数は百二十人。隊長は獅子丸くん。
二つ目は遊撃隊。フィールドを駆け回り、到達する個体を減らす。またはその間隔を空けさせる。数は六十人。隊長は辰辰さん。
三つ目は調査隊。敵陣を切り裂きつつ前進し、その全容や反応などを把握する。敵の数が莫大となれば補給地点の確保も担う。数は二十八名。隊長は俺。
この三つを迎撃部隊とし、南門に集結しつつあるプレイヤーを死守部隊とする。
「それでは調査チームの皆さん、どうぞ宜しくお願いします」
敵陣の中央へ向かいつつ、共に駆けるプレイヤー達に言ってみれば様々な返答があった。息を切らし余裕なく頷くだけの男性、汗の一つも流さず涼しげに答える少女。そして戦意を滾らせる人。
「宜しく頼むぜ、鬼人さん」
「こちらこそです、クリッツさん」
彼が協力してくれるのは心強い。どうやら覚醒を経たらしく、以前よりも肉体が大きくなっている。腕なんて丸太のようで、金の長い髪は獅子を彷彿とさせる。
「貴方が居てくれて助かります」
「まだ何もしちゃいねぇが、これでも強さにゃ自信がある。……殺された奴に言うことじゃねーけどな」
「そこも頼りにしています」
「…………他に何があるってんだ?」
「俺、人見知りで。初対面の人達ばかりだと緊張してしまう」
「そりゃあ、なんつーか……同情するぜ」
思ってもいないであろう言葉を吐く彼は、さらに追加の言葉を吐き出した。
「まあよ、こん中の五人は初対面じゃねーけどな。お前にとっちゃ刎ねた首の一つだから覚えてねーかもしれねぇが」
「ふん?」
そう言われて、初めて隊員の顔を見た。これから共に戦おうというのに気にもしていなかった。興味があったかと言えば全く無かった。あまりにも敬意を失した態度だ。我ながら随分と見下げた心根である。
改めて隊員一人一人を視認する。そうしてみれば、確かに覚えのある顔が幾つかあった。
「ふむ、なるほど。“ナイトメア”のギルドメンバーか」
「元、だ。正直、どいつもこいつもあんたへのトラウマに悩まされてるが、足手まといにならねぇくらいにゃ強い……これが良い機会だろーよ」
何が、とは問わなかった。その辺りに興味はないし、クリッツさんを信じていないわけでもない。彼が言うのならそうなのだろう。
「あの、間もなく先頭とぶつかりますが」
そう言ったのは背の低い女性であった。いや、少女か。フードつきの外套に全身を隠し、左の太ももの辺りに鉈を吊るしている。“空間掌握”によればフードの奥に隠された顔の造形は幼く、しかし息一つ乱していない。
なかなか強いぞ、この子。
「隊長さん、私達はどうすれば?」
隊長か。笑えるぜ。
「それではクリッツさんを先頭に固まって突撃」
「俺かよ」
「隊長さんが先頭じゃないんですね」
「俺はこの部隊の遊撃を担当します。皆さんはとにかく前進してください」
「それって隊長さんが好き勝手に暴れるってことじゃ……」
少女の言葉に内心で頷きを返し、二刀を抜き放つ。前方には錆びたナイフを握る個体。初見の亜人種だ。エイリアンを思わせる醜い顔は共通していて、しかしレベルがそこそこ高い。
──────
マッド・ミュータント/亜人Lv.10
???/無属性/陸棲
スキル:剣技
──────
イベント用のモンスターだろうか。何にせよひどくぬるい相手だ。
「行ってください、クリッツさん。俺のことは気にせず、包囲されない事を最優先に」
言いながら右を振る。エイリアン染みた顔が、ポン、と舞う。
「あーあー分かったよ」
彼も小振りの剣を振る。やはり同じように首が舞う。
他の隊員達も大した苦もなく亜人を殺していく。なかなかに強いようだ。当然か。じゃなきゃ増援すら望めぬ調査隊に志願したりしない。
「これより激戦のお覚悟を。簡単に死に戻れるとは思わないことです」
言って、飛び出す。何か言いたげな彼等から離れ、可能な限り敵を討つ。同時に観察を。
ひどく虚しい戦いだった。敵は、敵と呼ぶに相応しい強さを持たず、数に頼って連携するわけでもない。それどころか隊を囲む動きすらなかった。俺達の存在を無視して淡々とゴッドレスへと進み続ける。
どうやら十ほどの種が混在しているらしく、前衛から後衛まで揃っているようだ。これ等が南門に辿り着けばやはり厄介ではあるだろう。
対する調査隊は意気揚々と亜人を狩っていく。ゴッドレスを後方にして前へ前へ。敵が湧く、またはこの進軍の始まりを目指して。
「本当に強い」
隊員を観察すれば、自然とそんな言葉を吐いていた。各々からは自信が漲り、これしきの敵には殺されてやらぬという自負が伺える。
どうやら名の知れたソロプレイヤーばかりらしく戦い方に似たものを感じる。つまりはこちらの連携も拙い。
それをまとめ上げるのがクリッツさんだ。
「前方の団体さんを叩く。第二班、右から横っ腹を食い破れ。速度を優先して駆け抜けろ。その後は敵の背後から強襲。第三班は左。第二班が乱した戦列へ飛び込み足を止めて各個撃破。一班は俺と正面から突貫だ」
クリッツさんは彼を含めた二十七人をさらに三つの隊に分け、それぞれに班長格を立てた。彼は第一班の班長も兼任している。
殆んどの場合は固まって戦っているが、敵が密集している時には彼が細かく指示を出す。これぞ隊長という感じがする。居るもんだな、優秀な人材って。俺だけ、どの班にも属さない仲間外れだけれど。
「ヘラ! このまま進むぞ⁉︎」
「ええ、そうしてください」
とにかく前進。敵の強さも密度も変わらない。けれども嫌な雰囲気がする。
などと全く根拠のない勘を頼りに平原を駆ける。ついでに今の自分を確認。
──────
ヘラ:否人Lv.5:先導者Lv.6/歪士Lv.4/守護者Lv.1
スキル:【双刃技Lv.34】【刃技Lv.33】
【肉体奏者Lv.20】【魔術の心得Lv.20】
【魔の胎動Lv.12】【未知への挑戦Lv.20】
【神聖魔術Lv.20】【魔力操作Lv.18】【常勝Lv.20】
【魔力耐性Lv.20】【先陣突出Lv.20】【急襲Lv.20】
【久遠の累加Lv.13】【不滅の勇猛Lv.13】【魔塊Lv.9】
【破天荒Lv.20】【獅子奮迅Lv.20】【マッピング】
【薄刃伸刀】【原始の細胞】【金剛髄】【竜狩り】
固有スキル:【先見の眼Lv.14】【迅雷Lv.13】
【竜人特化Lv.1】【竜咆Lv.1】【竜紋Lv.1】
【空間掌握Lv.8】
???:【ポート】
称号:【闇に生きる者】【逸脱者】【残忍なる者】
【刃神の奥伝】【制者】【退魔者】【違背者】
【魔を覗く者】【魔の求道者】【死者を照らす者】
【野性への暴虐】【魂の守護者】【魂の殺戮者】
【森の覇者】【遺林の覇者】【慈悲なき者】
【竜狩り】
先天:【竜の因子】
──────
知らぬ間に“ポート”という変テコなスキルがある。本当に変だ。その名前もカテゴリも。
そして“双刃技”と“刃技”もおかしな事になっている。スキルのレベルは20でカンストするわけだが、それを突き抜けて成長している。
転生した時点では“⁇”と表示されていた筈で。
「何かあったっけ?」
あったと言えばあった。むしろ多すぎて確定できない。でも恐らくは魚見さんだろう。
「まあ良いか」
「ヘラ! 前だ!」
「ん……」
クリッツさんの言葉には明確な焦りが乗せられていた。それも当然で、前方には闇が存在している。
「なんだあれ」
闇だ。まさしく表現通りに。ひどく禍々しく、揺蕩い、蠢き、3メートルほどのそこから亜人が這い出てくる。次々と、次々と。身を捩りながら耳障りな産声を上げ、粘膜をボトボトと落とす様に隊員達が息を呑む。
「ああ、簡単で良い」
闇を破壊すればこの馬鹿げた増援を止められる。なんと簡単なのか。
「壊したかた、分からないけどねぇ」
「どうすんだよ⁉︎」
「どうしましょうか」
接近するのは危険だろう。“空間掌握”から伝わる異質さがその考えを後押ししている。だが、接触の意思を込めても“先見の眼”は何一つ反応しない。
本当に、どうしようか。
「魔術を撃てる方はお願いします」
フラッシュを皮切りに“神聖魔術”を撃ち込めば、続くように隊員からも魔術が撃ち込まれる。闇はひび割れ、モンスターは死んでいく。
案外脆いな。まあそうでなければモンスターが無限にポップするのだから、バランスとしては正しいのだろう。
「ホーリーランス、ホーリーランス、ホーリーラ――」
そんな考えは間違いだと気付かされる。“先見の眼”と“空間掌握”が悲鳴を上げている。
視えたのは、闇が魔術を跳ね返す未来。そして、それに殺される自分。
「――竜人特化、薄刃伸刀!」
跳ね返されたホーリーランスは漆黒で、大きさは倍以上もあった。おまけに速度も増している。“竜人特化”の世界でも躱せないほどにだ。“薄刃伸刀”がなきゃ死んでいたな。
つまり、死んだ隊員がいるという事だ。
クリッツさんと少女ちゃんは生き残っている。戦闘不能に陥ったのは魔術を撃ち込んだプレイヤー達。俺にも跳ね返って来たから、発動者へのカウンターなのだろう。
ひび割れた闇が激しく蠢く。
全身の肌が粟立ち、首筋に強烈な痺れが走る。悪寒ってやつだ。
「逃げろっ!」
叫んだのはクリッツさん。その判断は正しいが少しばかり遅すぎる。既に退路はない。不可視の壁に囲まれているのだから。
「止まってください!」
次に叫んだのは少女ちゃん。やはりその判断は正しく、しかしやっぱり遅すぎる。
駆けだした数人が切り刻まれ、さらには肉体を数十個に分断される。不可視の壁に激突したのだ。触れた瞬間に全身をばらばらにされてしまったのだ。
彼等は炎に焼かれず、その死体は散らばったままであった。
厄介だ。壁も、敵そのものも。
「うははっ! こりゃまた素敵なビジュアルだなぁ」
闇が収束した場所には化け物がいた。
女の天使。一見するとそう思える存在は、しかし視認できるほどの禍々しい気を発している。両腕は翼で、掌の類はない。上半身には黒の革鎧。下半身はキルトを思わせるスカート状の布。頭部には兜じみた髪らしきものが纏められており、両目は赤い糸で縫い結ばれている。
美しい。もしも目を開いたなら、息を呑むほどに。
「ま、化け物だけどね」
強さがそう呼ぶに相応しい。
──────
マク・ンバル:亜神Lv.???
イベントボス/???/???/???
スキル:???/???/???
種属スキル:???/???/???
独自スキル:???/???/???
固有スキル:???/???/???
称号:???/???/???
特殊:神の加護
特殊:封呪
──────
亜神と来たか。
「皆さん、指示するまでは攻撃しないでください。防御と回避の準備を」
強敵だ。聖域ボスほどではないが、これまで戦ったどのエリアボスよりも強い。ただし、封じられ、呪われていてこれだ。本来の彼女であれば聖域ボスに匹敵するだろう。種属スキルなどという初見の項目もあるわけだし。
どうやら、本当に楽しめそうだ。




