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30話 “死床山”殲滅戦

 



 二日を訓練と物資調達に充て、明日の決戦に備える。


 魔法都市ショーイカ。夜のここは静かだ。空を流れる風が音を奏で、足音によって生み出されるリズムが加われば、それはもう音楽である。

 なのに人々の生活感は存在し、けれども無闇な主張をしたりはしない。


 半透明の石畳を歩く。周囲には淡い七色に輝く海月。その光が石畳に浸透して、夜空に煌めく星々と混ざり合い幻想的なコントラストを生み出している。


 素敵だ。写真、撮りっぱなしなのです。


「うふふ。ラーさん、綺麗でしょー」


 しかも横には絶世の美女。なんて贅沢な時間なのだろう。


「ええ、綺麗ですね。手を伸ばせば星に届きそうだ」


 そう言って、実際に伸ばしてみる。触れる筈もないそれを掴む。掌が空をきって、しかし冷んやりとした空気を手に入れる。

 それが熱に変われば、夢から覚めたような、世界に戻るような、そんな儚い想いが胸に広がった。


 此処に住もうかな。ドワーフ達、怒るだろうな。


「星に手が届く、かぁ。ラーさん、実はロマンチスト?」


 くすくすと笑う絶世の美女。本当に素敵な時間だ。


 この静かな時間がずっと続けば良い。戦いがなくたって、心が燃えなくたって、きっと幸せでいられる。


「ヘラ様っ、遅すぎます! お待ちしておりましたわよ!」


 どうやら静かな時間は終わりらしい。ああ、彼女との約束を忘れていた。魔術を躱して見せる、という何とも荒々しい内容の約束を。


 声の方を見遣れば、顔を真っ赤にして仁王立ちするエルフの女性。ショーイカ魔術士団長のチノメルさんだ。怒ってる。待たせすぎたか。


「こんばんは、チノメルさん」

「あ、えと、こんばんは」


 彼女は出鼻を挫かれたと言わんばかりに口ごもり、仕方ないと言わんばかりにお辞儀をしてみせる。

 どことなく、ポイさんに似ているな、と。


「素敵な夜ですね」

「……ああ、はい。そう、ですか?」

「ええ。この都市に住むチノメルさんには当たり前の一夜でしょうが、俺にとっては人生で二番目に輝く夜ですね」

「…………意外に詩的なのね。なんか毒気を抜かれちゃったわ」


 通りの向こう。夜だというのに子供達が掌に魔術の灯りを乗せてはしゃいでいる。

 平和な都市なんだな。化け物にいつ襲われるかも分からない世界だ。笑顔でいられるのというのは子供にとって大変な幸せだろう。

 まぁ、ゲームだからその辺りは緩いのかもしれない。だが、だとしたら、だからこそ、製作者には感謝したい。子供から笑顔が消えた世界なんて、旅をしていても辛いだけだ。


「ラーさんの一番目に輝いてる夜はなに?」


 ルナさんにそう問われ、胸がギジリと鳴いた。現実を思い出すとこうなる。そっと深呼吸。なるだけ感情を消して。


「娘達が産まれた夜と、彼女達と過ごした時間ですね」


 その夜は絶対に忘れない。

 穂波が産まれた日。小さな生命が、ひたすら懸命に誕生してくれた時。チャランポランだった俺は父親であることを強く自覚した。

 澪が産まれた日。新たな生命が、ただただ生きようともがいてくれた時。迷っていた俺は父親としての覚悟を決めた。

 二人と過ごした時間は、苦しい時も楽しい時も、全てが俺の生命だ。


「二人が産まれた夜と、そこから一緒に眠った夜は、俺にとって一番の宝物なのです。俺を父親にしてくれ、父親で在ろうと努力させてくれた。なんと、贅沢な時間だったのでしょう」


 親になって分かったことがある。子供の為になら死ねる、という愛情を表現する言葉は、見栄や誇張ではなく、ただの事実だ。心の底から思う真実だ。


 なのに、俺は現実に帰りたくない。狂おしいほど二人を抱きしめたいのに、この世界から離れたくない。


 どうしようもない奴だとは思うが、これが俺という人間なのだ。だから、この先も自由にやるさ。


「ヘラ様は、本当に詩的な方ですね。ドワーフと過ごしているなんて信じられませんわ」

「そう? ドワーフも詩的ですよ」


 そんな馬鹿な、という表情をするチノメルさん。嫌っている割には彼等のことを知らないんだな。


 “土を求め、土と共に生きよう。子に、後世に誇れる土を育てよう”。そんな唄がある。俺は好きだ、彼等の誇りと生き様を感じられるから。実際には古代語で唄われているけれど。


 と、そんな会話をしつつ、歩きつつ。いつの間にやら目的地に到着したらしい。


「ようこそ、我が魔術士団の営舎へ」


 石造りの体育館と、砂地のグラウンド。そんな印象を受ける場所であった。だがしかし、やはりと言うべきかおしゃれな雰囲気だ。


「へえ? これはすごいな」


 グラウンドには千を越すエルフ。“魔を覗く者”によれば、全員がなかなかの魔術使いらしい。

 誰の目も同じだった。魔術を躱すという、彼等彼女等にとって侮辱とも取れる宣言に対する怒りと、少しの期待。


「はい。いつでもどうぞ」


 二刀を抜き、自分に潜る。意識を肉体から切り離し、神経伝達物質に語りかける。


「あの、ヘラ様?」

「なにかな?」

「条件も決めずに、いきなり、よろしいのですか?」


 条件もクソもあるかよ。魔術を躱すだけだろうに。


「何でも良い」

「はい?」

「条件なんてどうでも良い。人数も、属性も、位置も、お好きにどうぞ」


 どうしたよ、驚いた顔なんかして。こっちから攻撃してやろうか?


「ほら、早くやろう。明日は朝早くから大群を相手にしなきゃならないんだ」

「大群? まさか、ルナリアス様、まだ“死床山(しとこやま)”へ挑戦を?」


 死床山? へぇ、そうか。あの窪地はそんな名前なのか。

 今はどうでも良いけれど。


「おいおい、チノメルさん。今言ったろ? さっさと済ませてくれ、ってさ」


 いい加減イラついてきた。ああ、そうか。免罪符が欲しいんだな。だったら、くれてやる。


「さぁどうした、エルフ達。あんた等の魔術は絶対にあたらない。あたったとしても、使徒は死なない。だから遠慮なく撃てば良いぜ。それとも――」


 にたり、と笑って見せる。なるだけイヤらしく、なるだけ凶悪に。


「――ドワーフ達の言う通り、あんた等、腰抜けなのか?」


 彼等は違ったぞ、と駄目押しの一言を追加する。

 これで動かなきゃ帰ろうと思う。


「……ガジャ、ホイオミ、セサナル、前へ」


 俺自身、なぜこうも意地になっているのかは分からないが、一発だって当たるつもりはない。

 なんとはなしに、戦場都市ダシュアンを背負っている感がある。ここで失敗すればドワーフ戦士団が馬鹿にされる。それだけは許せないなどと考えるのは、称号の効果なのだろう。


 さて、音を捨てよう。匂いを捨てよう。全ての感知を働かせ、魔力だけを()()()


 正面の男、魔力を練り上げている。右の女性は足止め役。左の女性は広範囲の魔術。そして、背後のチノメルさんは三つの魔術。


 まだ、動くな。大した魔力だが、ルナさんに比べれば霞んでしまう。


「フラッシュ! アースバインド! セイントウォーカー!」

「ファイヤランス! アイスランス!」

「ウォーターボム! ホーリーランス!」

「フレイムランス! ロックアロー! フレイムレイン!」


 だから、いつものように、恐れず、先を読み、跳ね続けて――掻いくぐれ!


 前、横、後ろ。全方位から迫る魔術は、しかし脅威たり得ない。俺に対する攻撃の意思は明確で、だからこそ読みやすい。

 威力、速度、範囲。どれをとってもルナさんとは比べるべくもない。


 だが。


「やるなっ!」


 チノメルさんが放った炎の雨。これだけが厄介だ。

 無数の炎は、落下などと言えるほどノンビリとした速度ではなく、しかし無秩序な速さと軌道で迫ってくる。


「ぐぁ⁉︎」


 全身に走る痛み。視界に奔る幾つかの煌めく雨筋。

 仕事をしたな、“先見の眼”。

 で、俺にあたるのは三つ。躱した先にも二つ。行ける。


「がっ!」


 まだ当たる雨があるらしい。それも無数に。

 痛みによって引き起こされる反射を押さえ込み、“先見の眼”が伝える雨筋を視認。

 これを躱すとなると、厳しいなぁ。


 ――どう躱す?


 心の問いに対する答えは、脳内にぼんやりと描かれたジグザグの道だった。

 その道を、行く。

 全速で、“強脚”を使い、駆け抜ける。


 抜けた先に、チノメルさん。ぶつかりそうだ。


「失礼します」

「きゃ!」


 彼女を左腕で抱きかかえ、そのまま疾走。


 口をあんぐりとさせた女性に肉迫。首に刀を優しく、しかし鋭く触れさせる。


「一人目」

「――え」


 方向転換。跳躍。その先に、やはり驚きの表情を浮かべた女性。同じく首を、斬ってしまわないようにそっと薙ぐ。


「二人目」

「――ヒッ」


 三人目の男性は俺の意図に気付いたらしく、既に魔力を練り上げている。でも、遅い。


「三人目」

「――うっ」


 刀を首にピタリと当て、すぐ下にあるチノメルさんの顔を覗き込む。


「俺の勝ち」

「……え、え?」

「四人とも斬ったから、俺の勝ちでしょ」


 ああ。チノメルさんは斬っていなかった。じゃあ、人質かな?

 何にせよ俺の勝ちだ。


「で、良いよね?」

「あ、は、はい。ヘラ様の、勝ち、です」


 良し。これでダシュアンには大手を振って帰れる。


『おめでとうございます! 称号【ショーイカ魔術士団からの畏怖】を獲得しました!』


『想定外の異常行動値が一定に達しました!』


『称号【違背者】が獲得可能になりました! スキル【強脚】の成長が可能になります!』



──────


────


──



「ラーさん、すっごい! 私は五回が限界だなぁ。これ、掲示板に上げても良い?」

「うん、良いよ」


 ルナさんが撮影した動画を見る。撃ち出される魔術を躱す自分はやっぱり歪で、しかし動きの質としては50点くらいならあげても良いかな、とそんな感想だ。


「なんて動きなの……」


 チノメルさんも動画を覗き込んでいる。動画というものに驚いた彼女は、その後に俺の動きを“(いかずち)”だと表現した。

 なるほどな、と。最後の疾走からは確かにそんな印象を受ける。


 あの、感覚。脳内に描かれたジグザグの道。その通りに動けた自分。

 不思議であり、痛快でもあった。ずっと()()のまま在れたら良いのになぁ。


 けど、可能性はあって。



──────


ヘラ:人間Lv.21:開拓者Lv.20/捻じ曲げる者Lv.10

スキル:【双刃技Lv.4】【刃技Lv.11】

【肉体奏者Lv.4】【魔力感知Lv.2】

【空間認識Lv.20】【空間感知Lv.4】

【キョ#ky-%Lv.⁇】【先陣突出Lv.8】

【魔力耐性Lv.6】【神聖魔術Lv.17】【急襲Lv.15】

【魔力操作Lv.8】【魔術の心得Lv.9】【常勝Lv.12】

【獅子奮迅Lv.9】【マッピング】【破天荒Lv.9】

【未知への挑戦Lv.6】

固有スキル:【先見の眼Lv.3】

称号:【闇に生きる者】【逸脱者】【残忍なる者】

刃神(はじん)の奥伝】【森の覇者】【退魔者】

【魔を覗く者】【ダシュアン戦士団からの敬愛】

【制者】【ショーイカ魔術士団からの畏怖】

先天:【竜の因子】


──────



「はは。何か変なことになってんなぁ」


 なぜだか“強脚”がバグっている。試しに跳ねてみれば、挙動や感覚には何の問題もない。

 連続使用は想定されていないスキルだ。だからバグが発生したのかは分からないが、アナウンスに従って成長させれば良いのだろう。


 まずは称号“違背者”を取得。


「世界の理を破る者、か」


 そんな大層な説明文を読みつつ、スキル欄から“強脚”を選択すれば、幾つかのスキルが表示される。

 剛脚、速脚、流脚、尖脚、etc。どれでも良さそうだ。それぞれの説明文に大きな違いはない。


「ん」


 そのずっと下に、一つのスキル名。



──────


迅雷


(いかずち)の如く、??--text--12※%#/12/#%。


──────



 雷の如く、何なんだろうか。そこが大切だろうに。

 どうして他よりずっと下にあるのだろうか。“先見の眼”もそうだったけれど。


 まあ面白い、かな? これにしましょう。どんなスキルであれ、上手く使えば良いだけだ。




『おめでとうございます! 固有スキルを取得しました!』


『獲得者は既に特典を受け取っています! 種族にボーナスポイントが付与されます!』




 固有スキルになったか。何でも良いけれど。


 小さい頃から物に頓着しない質だった。野球をやっていた頃は、安物のバットとグローブで満足していた。

 クラスで小型の電動鉛筆削りが流行った時も、一人だけ手で回していた。


 良い物が嫌いだとか、流行に乗りたくないとか、そういった事ではなく。有る物でどれだけやれるのかを突き詰めたかった。その上でより良い物を使い、変化を楽しむという選択をしていた。

 今も変わらないのは、成長していない証拠なのかもしれない。


「そんなことないよ。私は、ラーさんのそういとこ、好きだよ」


 朝日を浴びるルナさんにそう言われてしまえば、どんな事でも頷くしかない。

 本当に、美しい女性だなと。神々しいとすら感じる。


「ん。気合いが入ったし、行きますか」


 ポーション類も万全だしね。


「はいっ! 宜しくお願いします!」

「こちらこそ」


 さて、“死床山”である。

 再度の観察をしつつ、その膨大な数の把握もしつつ、斜面を降りながら獅子丸くんと通話する。

 おめでとう、と言えば、ありがとうっす、と無感情な声。


『南も、もうすぐっす。その後は、東を』

「そう。大蛇、強いから頑張ってね」


 良いね。攻略は進んでいく。追いつかれちゃうな。このイベントに時間をかけすぎたか。


『なんか、騒がしくないっすか?』

「気にしないで」

『……あー、とりあえず100回折ったっす』


 彼が言っているのは“強脚”連続使用に向けた訓練のことだろう。

 頑張ってるな。狂気とも言える。だって痛覚マックスなんだから。問題は、いつ気付くのか、だけれども。


「ちなみに俺は“強脚”が“迅雷”っていう説明文がバグるくらい凄いスキルに成長して今もシークレットイベント進めてるけど獅子丸くんも南の攻略頑張って」

『――えっ、は⁉︎ ちょ、待っ――』


 ひどく早口で、一方的に情報と激励を伝え、ブツリ、と通話を切る。我ながら大人気ない。けど、慌てる彼が好きなのだ。

 背後のルナさんは苦笑い、していると思う。仲が良いんですね、とパーティー通話で伝えてくる。あるんだな、パーティー間の通話。あるか、それくらい。フレンド通話もあるんだから。声を発さなくて良いのは便利だ。


『今話してた人が、ラーさんの弟子?』

『弟子ではないね。きっと、俺なんかよりずっと強くなるよ』


 ただし、意識を肉体から切り離すことができるのなら、だ。()()を使えるかどうかで、“強脚”連続使用の可否は決まる。その他の強さも。

 などと考えながら、ルナさんとも会話しつつ、大群を捌いていく。


 作戦は単純だった。ルナさんが魔法で蹴散らし、俺が突っ込む。ただし、休憩を挟みながら、だ。

 敵の上限は5000体という膨大な数であり、増加には決まったパターンがある。一時間に50体。それも窪地の中央からポップする。

 俺とルナさんが一時間に削れる敵数は約80体。ただし、敵が満数の場合だ。つまりはスペースが無い状況での打倒可能な数。

 残りが500体なら? もっと楽に動け、一時間で半数を殺せる。

 250体なら? 15分あれば殲滅できる。まあ、数字と時間は希望的な予測だけれど。


 つまるところ俺たちの作戦は、指数関数的な敵撃破数増加による突破だ。敵数の減少は余裕に繋がり、取り得る選択肢は増えていく。それ等は撃破数を加速させる。

 ルナさんが言う“入り口”に逃げ込むのも良いし、そのまま殲滅しても良い。当然、選ぶのは後者だ。

 必要なのは打倒の速度持続と、それを支える物資、並びに精神力。


『補給に入りまぁす』

『オッケー』


 ルナさんが無防備になる瞬間だ。俺にとっては活躍する場面でもある。


「おおっ!」


 固い地面を踏みしめて、ひび割れさせて、疾走。

 ルナさんに襲い掛からんとする亡霊騎士達の僅かな隙間を縫うように。彼女が放つ(いかずち)を模して。

 新たに得た“迅雷”は素晴らしい力を持っている。“強脚”の連続使用よりも鋭く、しかし滑らかに動ける。跳ねるのではなく、疾走しながら高速移動ができる。


『ラーさん速すぎ。私でも目で追うのがやっとだよぉ』


 動体視力向上のスキルを持つルナさんに言われれば自信がつく。

 問題は、スタミナ消費が激しい点だ。つまりは俺向きと言えるけれど。


『満タンですっ!』

『はい。いつでもどうぞ』


 ルナさんから魔力が奔る。さて、集中しなければ死んでしまう。


「ロックレインッ、フレイムレインッ、ライトニングッ、ライトニング!」


 乱舞する魔法。視覚と聴覚を鷲掴みにする幻想的な世界。騎士達が動きを止め、膝をつき、そこを俺が狩っていく。


 ショーイカ魔術士団とのお遊びで分かったことがある。それは、ルナさんの異常性である。

 まず、魔法の発動間隔がとても短い。チノメルさんとですらかなりの差がある。

 次に、威力が高い。或いは数が多い。若しくは範囲が広い。

 彼女が発動させた魔法は、どんなものでも死の風となって敵を切り裂く。中でも恐ろしいのは“ライトニング”という稲妻だ。躱すのはやはり難しい。


『でも、ラーさんて“ライトニング”が効き難くなってるよね』

『そう?』

『うん。最初よりもずっと』


 皮膚、焦げてますけどね。


 とまぁ、会話したり考えたりする余裕があるわけで。


『残り、2500切ったよ』

『やった! 気合い入れなきゃ。て言うか、ラーさんよく数えられるね』


 確かにな、と。上から眺めている時も5000の個体識別を可能とし、目線が低くなった今でも数えられる。

 元から数字には強かった。200までの数字の羅列くらいなら暗記できたし。


 にしたって、これは異常なわけで。


『良いスキルに恵まれてますから』


 という事にしておこうか。


 そうじゃなきゃ自分が化け物のように思えてしまう。


 でも、この大群を殲滅してしまうのだから、もう化け物なんだろうなぁ。




『おめでとうございます! 特殊フィールド“死床山”の攻略を確認しました!』


『“山脈の欺瞞者”が使用可能になりました!』


『突破報酬を獲得しました! 称号【死者を照らす者】が獲得可能になりました!』


『対象者の称号が成長します!』


『おめでとうございます! “死床山”の突破において、最高条件が満たされました! このフィールドは清められました!』


『称号【魂の守護者】が獲得可能になりました! スキル【久遠の累加】が獲得可能になりました!』


『シークレットフィールド【狂禍の迷宮】への進行権利を付与します!』



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