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出来損ないの少女  作者: 入間
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蘇る思い出

そう諦めかけて目を閉じると、宿屋が目に映る。そこにはお父さんと思われる男性と、赤ちゃんを抱えている女の人・・・お母さんなのかな?ということはその赤ちゃんは私?こんなに小さかったんだ。髪の毛が無くて赤い。今の自分とは似ていない。

今度は小さな女の子(たぶん私)が木から降りられなくなっているのをお母さん(仮)が助けてくれているみたい。けれどもその助け方はどう考えても普通ではないと感じた。

それはお母さん(仮)が髪に結んでいたリボンを固くした後に伸ばして苦しくならない程度に私を巻き付けて、そのままゆっくりと降ろしていくという方法だった。

そこから一変、私はお母さんが私を助けたときに使ったリボンを握りしめて泣いていた。そのリボンは私の涙を拭くようにぐにゃぐにゃと動く。更に不思議なことにそのリボンは流した涙の全てを拭きとってくれていた。私、こんなこと出来ていたんだ・・・

他にも授業の様子やあの時に見た怖い夢にうなされている私の寝顔、運動会でビリになっちゃって落ち込んだ事、有名な冒険者の顔写真に落書きをしていた隣の席の男の子etc・・・たったの14年間に詰まった思い出が目に見える。私、このまま死ぬんだ・・・本当はもうちょっと背が高くて頭がよくて運動神経が良くて魔法が上手で予言ができる人に生まれたかったな・・・無謀だとわかっていても、私はそこまで徳を積んでないけれど来世に賭ける。いや、逃げているだけだったんだ。頭が悪いのも、運動神経が悪いのも、魔法が下手なのも全部私のせい。お父さんもお母さんも私の苦手な先生も私に運動や勉強や魔法を学ぶチャンスを与えてくれていたんだ。そして私は全てを無駄にして、勝手に言い訳して泣いて嘆いていたんだ。涙を流すだけなんて赤ちゃんでも出来るよ。もう一度やり直したかった。

いや、将来地獄送りでもいいので、

神様、もう一度私にチャンスを下さい!!

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