表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

2/40

プロローグという名の自己紹介

 私はすげぇヤツだ。


 ……いや、私の"同一人物が"と言った方が正しいかもな……。


 私の同一人物・氷山(こおりやま)マイナーレは、十三歳にして異世界の女王になったとんでもないヤツで、医者でもあり、魔法使いでもある。


 こんな口調で本当に女なのかって? まぁ、陰キャの私が心を開くとこうなるって思ってくれればいい。






 私が小六になったばかりの時、額の第三の目が覚醒して妖力を手に入れた。その妖力で私は異世界の『妖魔界』に行けるようになり、そこで生活することになった。


 でも、人間界には家族がいる。


 そこで、私は――いや、『私たち』は妖魔界と人間界で別々に生活することにした。


 人間界には『身体』を残し、そこに十分の一だけ『魂』を入れた。

 魂だけでも生きられる妖魔界には、残りの十分の九の魂を送った。


 妖魔界に送った方が、妖魔界女王のマイナーレ。

 人間界に残った方が、この私、小林(こばやし)麻里菜(まりな)なのだ。


 中一の春休み、妖魔界では人間界をめぐって戦争が起きていた。

 マイナーレは凄腕の弓使いで、妖力も魔力も最強クラスだが、仲間を全て失ってしまう。敵のボスの仲間も全員倒したから、最後は一対一の勝負になった。

 妖魔界の戦争、エグすぎるって……。


 マイナーレ自身は、十分の九の魂だけなので不完全体だった。そこで、『身体』と『十分の一の魂』を召喚して、最終進化体・キュウビへと変化した。

 ……要は、私も戦争に駆り出されたわけだ。


 でも、敵のボスを倒すために変化したのではなかった。

 マイナーレは特別な力を使って、戦死した人々を蘇生させる上、敵をボスごと改心させたかったらしい。自分の命と引き換えに。


「いいの、私は。私を犠牲にしてでも、みんなに幸せになってほしいから……。」


 そう言って、マイナーレ(わたし)は力つきて倒れた。


 気づいた時には、私は自分の診療所のベッドにいた。

 いや、何で生きてるんだ!?

 どうやら、マイナーレ(わたし)の力で生き返った人々の思いが集まり、奇跡が起きたらしい。


 敵を改心させて、戦死した人を生き返らせたマイナーレ(わたし)の力は、おまけに荒れ果てた土地までもとに戻してしまったという。


 そんなこんなで、マイナーレはその後妖魔界の女王となり、私は人間界で暮らしている。


 それからは妖魔界にも人間界にも平和が訪れ、私が人間界で妖力や魔力を持つ必要がなくなった。私はマイナーレに全ての妖力・魔力を預け、『人間』として生活している。






 と、まぁ、色んなことがあったわけだが、マイナーレと魂を分割したことによる弊害がかなり出てきてしもうて。


 まず、圧倒的に影が薄くなってしもうた! ……あ、影が薄いのは元々か。ただえさえ薄いのに、それが悪化したんだよ……。「いつの間にか私が後ろにいた」なんてことはしょっちゅう。


 それに、影が薄いから陰キャになり、受け身だった私はぼっちになってしもうた!


 陰キャぼっちっていうのは、いじめの格好のターゲットでして。はい、ご想像のとおり、いじめに遭いました。

 マイナーレが妖魔界の女王として謳歌する中、私はいじめを食らい続けていたんだよぉ……。


 どんないじめを受けたかは、このプロローグに書くと長くなりそうだから、次の話で。


※次の話から三人称視点に変わります。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
小説家になろうSNSシェアツール
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ