【6】衝撃の事実、「魔王を倒せ!」と言われました。
《まえがき》
衝撃の事実を告げられた吉野英玲奈。しかし、衝撃の事実はまだまだ続いていく・・・。
《主要登場人物》
吉野英玲奈 主人公(高校2年生 17歳)
五十嵐静香 第4魔王(今は第4使徒という事になっている。)
御影桐子 序列7位の最上級悪魔(英玲奈の中では天使、という事になっている。)
「私はれっきとした人間よ!」
衝撃の事実を告げられた。
えっ、人間?
人間はこんな事出来ないですよ、普通。
あれっ、私も人間だった。ひょっとして私と静香さんは同類?
てことは、私も静香さんみたいに使徒さまになれるの?やったぁー!
頑張って神の使徒になるぞー。
「何ひとりで妄想してるのよ。なれるわけないじゃない!バカじゃないの!」
えっ、なれないの?
どうして?何故?
「ちょっとドアを壊したくらいで強くなったと思ってるの?」
「今のあなたの実力なら、桐子に指一本で倒されるわ。」
「桐子はヘタレだけど、あれでもかなり強いわよ。」
「そうね、日本の自衛隊1個師団相手でも、軽く全滅させられるわ。それくらいのレベルよ。」
衝撃の事実、第2弾を告げられた。
「そうそう、言ってなかったけど、あなたにやってもらう事は異世界の魔王を倒す事よ。」
次々と衝撃の事実を告げられる。
「桐子なら一撃なんだけど、あなたにやらせろって言われてるのよ。めんどくさいよねぇ。」
えっー、だったら、桐子さんにやらせたら・・・。
私、ただの魔法使いなんですけど・・・。
魔王を倒すのは勇者の仕事なんじゃ・・・?
「魔王を倒す事が目的じゃないのよ。あなたに倒させる事が目的。理解した?」
「それにこれは、私の主さまからの直接命令なの。」
静香さんの主さま?
それって神様?もしかしなくても、絶対、神様ですよね!
「うーん神様かぁ・・・、私自身はそう思っているけどね。」
「でも、主さまに、神様って言うとすごく怒られるのよ。」
「『俺は神じゃない。貴様!何度言ったらわかるんだ!』って。」
男の神様かぁ、女神さまじゃないんだ。
でも、どうして怒るの??
使徒さまの主って、神様以外考えられないじゃない・・・。
ひょっとして、静香さんより上位の使徒さまってこと?
「私たちは全部で7人。全員女性よ!」
「その中で私は第4、でもこれはただの番号、実力の順番じゃないからね!」
「実力なら私がナンバーワンよ!」
いつものドヤ顔になってきた・・・。
まずい!
実力はナンバーワン!絶対そうよね、そうに違いないわ!
睨まれてない。セーフ・・・。
「守秘義務があるから、これ以上詳しく話せない!」
「あなたが魔王を倒すという事は、絶対命令よ!それも一人で倒すの!」
えっ、一人で倒すの?
「そりゃそうよ。異世界に行くのはあなた一人なんだから!」
えっ、えぇぇぇー。みんなで行くんじゃないの?
静香さんも桐子さんも私をサポートしてくれるんじゃ・・・?
またまた、衝撃の事実。
「サポートしてるじゃない!それに一緒に行くなんて一言も言ってないわよ!」
「サポートするのはあなたが異世界に行くまで。」
「向こうで仲間を作ったりするのはあなたの自由よ。」
「それと、これは一番大事な事だけど、絶対死なない事!失敗もだめ!」
「あなたが死んだら、私は主さまに消されてしまうわ。」
「何とか桐子に責任を押し付けるけど、それでも、最低、左遷は確実ね。」
「桐子が消滅させられるのは確定だけど、私は絶対嫌よっ!」
「だから絶対に死なないこと!」
「いい、わかった?絶対よ!これは絶対命令よ!」
うわぁー、これって私を心配して言ってるんじゃなくて、自分の保身のため・・・?
「まぁ、あなたが死ぬような危機に瀕したら、私の加護が発動してこちらに強制帰還させるから。」
それを先に言ってほしかった。少しは安心した私。
「もう、あなたが衝撃の事実とか言うから、お昼を随分過ぎてしまったじゃない。」
「桐子ぉー、何か持ってきて!」
復活した桐子さんがサンドイッチと飲み物を運んできた。
結局、サンドイッチになってしまった・・・。
「衝撃の事実かぁ・・・。まだあるんだけどね。」
「聞きたい?聞きたいよねぇ・・・。」
「あっ、食べながらで大丈夫だから。」
なんかもう、これ以上聞きたくないんですけど・・・。
「そう、やっぱり聞きたいのね。」
えぇ、聞きたくないって思ってるのに・・・。
「さっきは『説明はまた今度ね』と言ったけど、この際だから話しとくわ。」
「異世界転移の話よ。今日は5分だったけど、本当は無制限に大丈夫よ。」
「こちらと時間連動さえしなければ、10年でも20年でも大丈夫なのよ。」
「あなたが異世界に行ってる間は、あなたにとっての時間は進んで行くけど、こちらの世界にとっては何も関係ない事。」
「異世界とは次元が違うんだから当然よね。」
「あなたが10年間、異世界に行ってたとして、あなたは27歳。」
「10年で帰ってきたとして、でも、こちらの時間は全く経過していない。」
「27歳の高校2年生の誕生ね。」
「ね、これって、衝撃の事実よね、衝撃の!」
思考が止まってしまった・・・。
しばらく呆然とする私・・・。
・・・、騙された。絶対、騙された。
異世界に行けるって事で、有頂天になっていた私・・・。
やめてやる!異世界なんて絶対行かない!
「だめよ!そんな事、私がさせない!」
「さっき言ったじゃない、これは、私の主さまからの直接命令だって。」
この人、悪魔だ・・・。
「うふふ、大丈夫よ。はい、これっ。」
テーブルの上に昨日の栄養ドリンクが・・・。
「面倒なのであなたのボックスに直接送るわね。確認して。」
-----------------------------------------------------------------
アイテムボックス Ver.5
【薬品】
秘密の栄養ドリンク剤 個数 100
(老化、成長を抑制し、週1本で若さを維持出来ます。ボーション効果もあります。)
ボーションP-5 個数 1
ボーションP-5 個数 1(異世界仕様版、使用はお勧め出来ません。)
-----------------------------------------------------------------
何これっ!えっ、えっ?
もう、「えっ」しか出てこない・・・。
これって、不老不死の薬?そうなの?
昨日、1本飲んだよ、私。
不老不死の薬、貰ってしまったの???
《あとがき》
不老不死の薬を貰ってしまった「英玲奈」。「うふふ」と笑う、第4魔王。
物語はさらに面白い展開となっていきます。
ご期待ください。
《主要登場人物》
吉野英玲奈 主人公(高校2年生 17歳)
五十嵐静香【種族】人類(第4魔王、今は第4使徒という事になっている。)
御影桐子 【種族】悪魔(最上級悪魔 序列7位、英玲奈の中では天使、という事になっている。)
面白いと思われましたら、ブックマークをよろしくお願いいたします。
広告の下のポイントも入れていただけると、とっても嬉しいです。
感謝感激いたします。