解答用紙
「あなたの長所を教えてください」
「と、同時に短所も教えてください」
…って薄っぺらの紙切れが聞いてくるけど
むしろ教えてもらいたいのですけど
自分のことすら説明不可能な青春
あれから一体何年経ったのだろう
その間、一切、何も変わらなかったのですよ
この体の中身は蛹の中身と同じ状態
汚い色が渦巻いている
「あなたの趣味を教えてください」
「もしくは別に特技を教えてください」
…って薄っぺらの紙切れは諦めてないみたい
今日はもう何もしないで寝てしまいたい
思っていることすら収集不可能で困惑
これから一体全体どうすればいいだろう
休憩、時間、いつも足りなくて焦るよ
部屋の環境はとても人が住めるように見えない
ペットボトルが陣取っている
子供の頃の自分だったら
こんなの朝飯前だというのに
思い出せば書けるのかな
タイムマシンを待てないよ
長所とか適当に書けばいいのに
なんでこんなに時間がかかるんだろう
短所の枠が全然足りない
事細かく書いてどうしたいんだろう
本当にこんなの書いてどうしたいんだろう
実際に会って、言葉を交わして
感じたことを感じてくれればいいのに
なにも文字にして知ろうとしなくても
大体、明日には忘れているんだろう?
「あなたの夢を教えてください」
「と、同時に今の目標を教えてください」
…今日見た夢でもいいのなら書きましょうか?
夢見たら見たらで「夢ばっか見てないで」
って言うんでしょう?皆それくらい知っているよ
これからどこへたどり着くのだろう?
質問、空白、汚い字は心電図に見えてくる
心拍の間隔は変えようがないこと常識
紙に書くようなことじゃない
…ってこんなことしている場合じゃない
遊んでいる場合じゃない