有線channel
どこに行ったって、何をしたって。
それが何なのかを感じるのは、たいてい最初の一瞬。
そのあとは、大体が、あぁ、これは、前にもあったな、とか。
それか、これはこれに似ているな、とか。
共通点を探すか、以前にあったから、もう関心がないとか。
最初の一瞬のために、いろんなところへ行き、いろんなことをする。
その一瞬のために、情報を集めている。
集めた情報は、その一瞬で揮発して。
それか、ドロドロに溶けた状態で、パイプを通って。
共有スペースに送られていく。
そこからまた。
何かの拍子に、共有スペースから、引き出されるか。
配送されて、届く。
僕らは。
共有の知識を見て、それを、誰も知らないようなふりをすることでしか、感動できない。
僕らは。
ドロドロに溶けた情報の中で、揮発を待っている。
運よく揮発して、情報の気流に乗ったら。
宇宙に行って、頭を冷やそうか。
つながっているって、その程度のものだ。
自分の頭の上から伸びているパイプを、見たことがない人は、幸せだと思う。
マンガみたいに、自分からどこかへ伸びていくパイプの中を。
匿名が流れていくって、まるで、成長がない。