Small fairY
「・・・っ・・・うっく・・・ひっく・・・」
部屋に少女の泣き声が響く。
「・・・っく・・・うぅー・・・っ」
部屋の片隅で膝を抱えて涙をこぼしている少女。
涙がパジャマに吸い込まれていく。
(泣かないで―・・・)
「はぅ・・・っ・・・?」
(泣かないで、元気を出して)
今、誰かの声が聞こえた気がした。
幻聴?
そうだ、幻聴に決まってる。だってこの部屋には今あたししかいないもん。
「っく・・・うぅ・・・っ」
(泣いちゃだめだよ。前を向いて)
幻聴はまだ続く。
あたしはこんな幻聴が聞こえるくらいおかしくなってしまったのかな。
もう、アレもコレも全部あいつのせい―・・・
「涼なんて勉強のしすぎで脳ガンになって死んじゃえええええええええ!!!!!!!」
「うわああああああ?!」
大声で叫ぶとスッキリするよね、はは。
あれ・・・なにか近くで小さな悲鳴が聞こえた。
空耳・・・ではない。ハッキリと聞こえた。
もちろんあたしの悲鳴じゃない。
誰か・・・いるの・・・?
今の悲鳴も、もしかしたらさっきまで幻聴と思ってた声ももしかしたら誰かが喋っていたのかも・・・
でも今部屋にはあたししかいないから、喋っていた人物は、
幽霊とか。
背筋が凍った。
小さい時から怖い話は大嫌いで超が3つ付くほどの怖がりだ。
ていうかなぜあたしの部屋に幽霊が!何か恨まれるようなことしましたかあたし?!何もしてないです何かの勘違いです幽霊嫌いですからあ!!
いやいやいや、落ち着こう。まだ幽霊って決まったわけじゃないし。
この世に幽霊なんていないはずだもん。・・・たぶん。
とりあえず確かめないと。・・・怖いけど。
恐怖を吹き飛ばすようによしっと声を上げて目に溜まっていた涙をぬぐった。
いつの間にか悲しみはふっとんで、目に見えない誰かを探し当てるというわくわくどきどき(?)な恐怖にあたしは少しだけ怯えていた。
まずは立ち上がり前を見る。
うん、何もいない。
いつもどおりに勉強机があるだけ。
視線を左に移す。
タンスがあるだけだ。大丈夫。
視線を右に移す。
いつもどおりベッドがある。
あたしはホッと息をつく。
やっぱりなんにもいなかった。うん、なんにもないに決まってる。
だってこの世に幽霊なんていないもん。
さっきまで怯えてたあたしが恥ずかしいなあ。
壁にかけている時計を見る。
10:26
泣いている間に結構時間が経っていたみたいだった。
「いろいろあったし、ちょっと早いけどもう寝ようかなあ」
ふわぁとあくびをしながらベッドに近づく。
「・・・っ!」
・・・・・・なんですの?!
最後まで読んでいただき誠にありがとうございます。
小説を書くのは初めてでお見苦しい所もあったと思います。
拙い文章ですがこれからも頑張りますのでよろしくお願いします。