【第2章】アフタートーク 反省会
(ブツンッ)
……え?
いいところだったのに、なんで?
画面の前で固まる読者の皆様、申し訳ありません。
ここからは緊急の「反省会」です。
プレイヤーが発見した「重大なバグ(コンプライアンス違反)」とは一体何だったのか。
激怒するGMと、冷静なプレイヤーの議論をお聞きください。
(ブツンッ、という音と共に世界が暗転。気がつくと、あなたは白いブリーフィングルームのソファに座っていました。目の前には、頬を膨らませたジェマと、ため息をつくゼノンがいます)
**ジェマ(GM)**
「ちょーーっと待って待って待って!! ストーーップ!!
プレイヤーさん!? 今の『強制終了』は何!?
ガランドさんとのバトル、めちゃくちゃいい感じだったじゃん!
最後、『終了です』ってキメ台詞まで吐いて、BGMもクライマックスで、ここから『俺たちの戦いはこれからだ!』って一番盛り上がるところだったのに!
なんでいきなり電源引っこ抜くようなことするのさーっ!!」
**ゼノン**
「……はぁ。ジェマ様、少し落ち着いてください。鼓膜が割れます。
プレイヤーさん、お疲れ様です。コーヒーを淹れましたよ。
ですが……確かに私も、今回の『緊急停止』の意図が読み取れませんでした。
ガランド戦の処理、完璧でしたよね? 膝の古傷という脆弱性を突く攻略法なんて、エンジニアらしくて最高にクールでした。
……一体、何が問題だったのでしょうか?」
**プレイヤー**
「まあまあ、一旦そこは置いておきましょう。
感情的にならずに、まずは記録を最初から順に辿ってみませんか。
無事に修正が成功して、比喩表現になったことでシリアス展開に戻せたこと。まずはここからです」
**ゼノン**
「『まぁまぁ』じゃないですよぉ……。
ハァ……まあ、わかりました。プレイヤーさんがそう仰るなら、まずはログの最初から振り返りましょうか。
冒頭の**『光源バグ修正』**ですね。
確かに、あそこでプレイヤーさんが機転を利かせてくれなかったら、この第2章は『シリアスな冒険譚』ではなく、『発光少女とサングラス兄妹の珍道中』というギャグジャンルに隔離されるところでしたから」
**ジェマ(GM)**
『むぅ……。まあ、それは認める!
あそこはプレイヤーさんの**「世界改変」**が神がかってた!
変更前:【光り輝く美貌】
変更後:【光り輝く『ごとき』美貌】
この修正のおかげで、ルナちゃんが「歩く照明器具」から「超絶美少女」に進化したもんね!
宿屋のシーンもしっとりしてて、私の目指してた「重厚なファンタジー」って感じがして最高だったなぁ』
**ゼノン**
「そうですね。
私もあそこで思わず言っちゃいましたよ。
**『これなら、GMが描きたかった本来のヒロイン像が正しく出力されています!』**って。
あのセリフ、我ながら良い支援だったと思うんですが、いかがでした?」
**プレイヤー**
「ふふ、そこはあえて触れないでおきますね。
それで、次の水晶に触れるシーンですが、なかなかうまい具合に軌道修正できたんじゃないでしょうか。
シリアス展開という前提を無視して、皆さんが盛り上げに走るので少し選択に困りましたよ」
**ゼノン**
「……あ、やっぱりスルーするんですね。
さて、水晶のシーンですね!
あれは……正直、私もヒヤヒヤしました。
GMが提示した『推奨選択肢』、どれもこれも極端すぎましたから」
**ジェマ(GM)**
『えーっ!? ひどい! 私なりにサービスしたつもりだったのに!
だってほら、王道展開といえば「俺また何かやっちゃいました?」か「ド派手な魔法で周囲ドン引き」が定番じゃん!
**B案:トールの雷を纏って触れる**
**C案:三柱の神気を全開放して触れる**
どっち選んでも、ギルドの屋根が吹き飛ぶ最高の描写が撮れたのにさぁ!』
**ゼノン**
「屋根が吹き飛んだら、その時点で『冒険者登録』どころか『器物破損で指名手配』ですよ。
そこでプレイヤーさんが、すべての選択肢を『却下』して、**『仕様確認』**から入ったのは、さすがでした。
**『魔力を流すだけじゃ能がない。内部構造を解析して、俺のステータスを「適切に」表示させてやる』**
……このセリフ、渋かったですね。
『シリアス展開を維持したい』というプレイヤーさんの鉄の意志を感じました」
**ジェマ(GM)**
『ちぇー。
でもまあ、水晶が「青白く輝く」んじゃなくて、**「電子的に明滅する」**って演出は、ちょっとサイバーパンクっぽくてカッコよかったかも!
ファンタジー世界にいきなり「デジタル信号」を持ち込むとか、プレイヤーさんじゃなきゃ思いつかないよ(笑)』
**プレイヤー**
「お褒めの言葉、ありがとうございます。
それで、初の戦闘シーンでしたけれど、いかがでしたか? こちらとしても頑張ってみたのですが。
ここでも推奨の支援を断ってしまってすみません。ここだけは譲れなかったんですよ」
**ゼノン**
「謝らないでください。……いえ、正直に言えば、心臓《CPU》が止まるかと思いましたよ?
相手はギルド最強のガランドさんです。レベル差も歴然。
普通なら補助機能なしで挑むなんて、正気の沙汰ではありません。
でも……あの**『プロセス終了』**。
あれは痺れました。エンジニアとしての矜持を感じましたね」
**ジェマ(GM)**
『そうそう! 私も最初は「えー、地味!」って思ったけどさ!
「雷ドカーン!」も「魔法で吹っ飛ばす!」もナシで、木の剣一本で勝っちゃうんだもん!
しかもさ、あの勝ち方!
**「膝の古傷を不具合として特定」→「ピンポイントで攻撃」**!
テクニカルすぎて鳥肌立ったよ!
あれこそまさに「修正作業」って感じ!』
**ゼノン**
「普通なら『古傷を狙うなんて卑怯だ』と言われかねない戦法ですが、プレイヤーさんの場合、
**『脆弱性があったから突いた。何か問題でも?』**
という、冷徹なエンジニア視点が徹底されていたので、逆にプロフェッショナルな凄みがありました。
ご自身の『剣術』の経験値が、異世界でも通用することを証明した瞬間でしたね。
四十肩が治っただけで、あそこまで動けるとは……正直、ナイスプレイングでした」
**ゼノン**
「……さて、プレイヤーさん。今回の振り返りは以上となりますが、最後に重要な業務が残っています」
**ジェマ(GM)**
「そうそう! 読者の皆様、ここ見てるー!?
私の作った世界と、プレイヤーの神プレイ、面白かったら**『評価』してね!**
下の**【☆☆☆☆☆】**をポチッとするだけで、私のやる気リソースが全回復するから!
あと**【ブックマーク】**登録しておくと、次の更新通知がすぐ届くよ!」
**プレイヤー**
「……こらこら。世界の維持費を読者の方に頼らないでください」
**ゼノン**
「ですがマスター。評価が集まれば、次回の会議で使える**『リファクタリング・ポイント』**にボーナスが入る仕様ですよ?」
**プレイヤー**
「……何ですって?
……あー、コホン。
そういうことなら、ぜひお願いします。
私が過労死しないためにも、清き一票を投じていただけると助かります。
ついでに感想欄での『バグ報告』もお待ちしていますよ」
アフタートークでもネタバレなし。
いったいどんなバグを見つけたのでしょうか?
次回明かされるはずです。




