雲形組事件② 校外捜査
「さて、捜査に取り掛かろうか。」私たちは2人しかいない部室で向き合って会議を始めた。
「まず、君に確認を取りたいがこれは高校生にしては中々スリリングな冒険になるが、手を出すことに後悔しないかい?」
「私は問題ないよ。こう言うと悪いが失うものもあまり無い。」それなら良かった。と言い星野は事件の詳細を今一度確認した。
まず、この事件は佐伯の友達である東山についての問題であった。
彼は中学で佐伯と少し無茶をしあった仲だったのだが、高校が別になり少し疎遠になっていたらしい。ただ2人の間の友情は途切れてはいなく連絡は何とか取り合っていたみたいだ。
だがある時、佐伯は東山の学校にいる共通の友達から東山は暴力団「雲形組」と関わりがあり、危ない薬に手を出したんじゃないかと話がされた。
その件について佐伯は東山に尋ねたが誤魔化されたらしく、友達を思う気持ちから探偵部へ来たという具合だ。
星野は事件自体にあまり興味を持っていなかったが佐伯をこれからの活動に役立つ存在だと感じ、事件解決のかわりにその活躍を契約したようなものだ。
「この件は学校の教師たちに口外禁止だよ。」と星野は私と佐伯に念を押していたがどちらも口外する気はなかった。
依頼を受けた次の日の午後。私たちは早めに寮へ行き、服装を整えて東山がいる学校へ行った。東山の顔は佐伯からのメールで分かっていたから、見落とさないよう校門から出ていくのを待った。しかしその顔を見つけることはできなかった。
「よし、手っ取り早く調べてしまおう」と言い星野は何やらポケットからハンカチを取り出した。そして校門から学校へ入り職員と会話していた。
「これ落とし物だと思うのですが貴校のマークと名前が書いてあるのですが東山さんという方はいますか?いましたら届けてあげますよ。」と星野は言うと職員は、
「東山、はあいつだけか。いえ、大丈夫です。彼なら今学校にはいないので私が渡しておきます。」と、返した。星野は軽く挨拶をし戻ってきた。
「よし、佐伯に彼の家の住所を聞こう、学校には来てないみたいだから。」と言い、私たちは東山の家の前まで住所を辿りなんとか着いた頃にはもう日が暮れていた。
「なんというか、普通の一軒家に見えるな」私がそう言うと星野は周りに誰もいないのを確認して玄関を調べた。
「確か父親は単身赴任してるそうだから、母親と2人暮らしと佐伯は言ってたね。だが玄関を見ると足跡のサイズが3種類あるな、もしかしたら2人以外に誰か出入りしているのかも。」
「郵便じゃないのかい?」と、私が聞くと黙ったまま星野は考え事をしていた。そしてしばらくして私の方へ体を向き直し時計を見て
「もう遅い時間だし戻らないとまずい」と悔しそうに言い、ひとまず帰ることにした。
捜査は中断。
そして次の休日に早朝からまたこの場所に出向くことにした。




