赤い毛糸事件⑤ からくり-2
放課後、教室には私と星野、亀田がいた。
「そろそろかな。星野、ほんとに間違いんだね。」私がそう尋ねると
「僕は負けず嫌いでねここで間違っても決してあきらめるつもりはないよ、さっ零士が来たようだ。」零士は岸田という男を連れて教室にやって来た。そしてその岸田はというと怒りが顔に表れていた。無理もない。この教室に来るということは犯人だと言われているようなものだから。
「よく来たね。さ、そこに座って。どうしてこのようなことをしたかだけ聞いていいかい?」
「いきなり失礼だな君は。僕が犯人だといいたいのか、それならどうしてそう言えるんだ。論理的に説明してもらいたいな、場合によっては名誉毀損で訴えるぞ」睨みながら星野に勢いよくそう尋ねた。
「そうだね。一つは君の制服。君は赤い毛糸は確かに付いてない。だが木片が見えるな、ほら、それだよそれ。これは毛糸ホルダーを折ったときに付いたんだろう見かけによらず力が強いんだな。」すると焦って制服を払いながら
「こんなのが証拠になるってのか?何処かで付いたんだろう。めちゃくちゃだ」と、弁明した。だがすかさず名探偵は
「それだけじゃない。君は左利きでハサミは左利き用。佐伯は右利きだから使うはずがない君が佐伯に罪を被せようとしたのか分からないが、詰めが甘かったな。」
「そんなのは認めないあいつが間違ったんじゃないのか。」
「そうかな?まあそれはいい。もう一つ決定的なものがある。」そして星野は胸ポケットからあるものを取り出した。
「このペンだ。耐アルコールか、特殊なペンだね。」すると岸田は顔をしかめて
「どこでそれを…」と小さく呟いた。そして自分の筆箱の中を漁った。すると同じようなペンが出てきた。すると星野は笑い
「盗まれた、と思ったのかい?よし、君の行動でそのペンは耐アルコールで重要なものであると分かったな。」岸田はずっと黙ったままであった。
「理科室に同じような物があって良かったよ。このペンは実験でよく使うアルコールで拭いても消えないペンなんだ。マニキュアの除光液はアルコールの成分があるから普通の油性ペンなら消えるはずだが、机の文字は消えなかった。」岸田は下を向きずっと押し黙っていた。
「わざわざ普通の油性ペンではなくこれをチョイスししたってことはこれが身近にあるんだろう。零士から聞いたよ。君の親、どちらも科学者のようだね。それで業務用にあるから普通に買うより良かったんだ。」すると力が抜けたように岸田は
「もう、やめてくれ」そう言った。やはり星野の推理は間違っていなかった。彼は諦めた表情で席に座った。
「やっぱりか。さてそれじゃあ何でこんなことをしたのか、教えてくれないか。」
「佐伯なんだよ、あいつはこのクラスで要らない存在だったんだ…。」
次回で決着です。




