赤い毛糸事件② 事件詳細
話を聞き終えた後、星野は幾つかの点を聞き出した。
「そうだな、その日に教室を空けた時間はあるかい?それと、クラスの状況を詳しく聞きたいな。なにか問題事とか。まあ君のことだ、うまくやっているとは思うよ。」
すると亀田くんは
「2時間続きで体育があった。ちょうどボタン留めをした昼休みの後だ。」
私はこの時間に盗まれただろうと予想した。いや、この場にいる誰もがそう考えているだろう。
「そしてクラスの状況か、まあどのクラスともあまり変わんないよ。元気の良い女子がいて、根暗なヤツもいて不良だっている、名簿見るかい?」
「ああ頼むよ」
そう言って星野は亀田くんの出した名簿に目をやった。
「ふむ、よくわかった。要注意人物といえば佐伯とかだな。」
佐伯…。聞いたことがある。長身で金髪の男だなんでも中学からの筋金入りの不良でみんな恐れているとか。転校して間もない私が認知するほど噂されてるのだ、きっと相当な悪人なのだろう。
「ああ、もしかしたら彼がやったんじゃないかと俺は思っている。接点はないし彼についてよく知らないから失礼になるが…」
「なるほど、もしかして佐伯に何か悪いことでもしたのか?」
星野がそう聞くと亀田くんは眉をしかめて
「それがボタンを留めてあげた子ってのがその佐伯の好きな子かもしれないんだ。」
「まてまて、そんなことで物を盗むかい」
私は苦笑しながらそう尋ねた。すると、すかさず亀田くんは
「彼女は佐伯と対等に話している唯一の子なんだだからみんなあの子が好きなんじゃないかと。」
「相川のことだな。」
星野はわかっているかのようにそう言った。亀田くんの顔からして図星であった。
「僕もこの学年内での関係性はよく観察しているから分かるよ。どこのクラスなのかなど怪しいところはあるがね。佐伯は体育に出席してたのか?」
「選択授業だったから詳しくは分からないが、いなかったらしい。あいつは授業を受けるにしてもいつも不定期だからな、昼休みは教室で昼寝してたからもしかしてそのまま教室に残ってたのかも。」
「もう放課後だから聞くにしてもどうせ帰ってるし無理だね、星野。どうする?」私はそう聞いた。
「そうだな調査は明日からにしよう。探偵部の名にかけて必ず解決してみせるさ。そしてどうしたい?」
そうだ。確かに嫉妬心で盗まれたのであったらもう捨てられているかもしれない。それでも依頼してきたということは何か理由があるのかもしれない。
「返してもらう。もし捨てられてたとしてもどこに捨てたのか聞くよ。あれは大切なものだから諦めたくないんだ。」
「あの赤い毛糸がかい?」星野は何か引っかかったのかそう質問した。
「ああ。あの毛糸をまとめるのに使うホルダーごと盗まれてたんだ。あれは祖母が僕に買ってくれた大切なホルダーなんだ。」
私は彼が人のもらったものを大切にする優しい性格なのだなと思った。それこそこの依頼人が星野にも周りにも好かれる理由なのだろう。
そして次の日。調査に取り掛かろうと早朝E組に出向いた時。事件は起こった。
大体5話くらいにしたいなと思います。長々続いてるけど次から展開早めます。




