雲形組事件④ 佐伯と東山
かなり時間が経った。東山の家の近くで暇をつぶしていても一向に星野から連絡が来ない。少し心配になり、また東山の家の前を通ろうとしたとき、電話が鳴り響いた。
「星野かい?一体どうしたんだ随分長かったじゃないか」するとスマホの向こうから元気そうな声で返事がきた。
「いやいや申し訳ない説得に手間取って。今戻ってすべて話すよ」と言うとすぐに星野は電話を切ってしまった。そして少しすると星野と東山それに佐伯と面白いメンツで私のもとに現れた。
「お疲れ星野、それにしてもなんで佐伯が?」
「ああ、今話すよ。君があの事務所から離れたあと僕は東山が出てくるまで待っていたんだ。そしてその間に一部始終を本人に見てもらおうと佐伯を呼んだ。東山が出てきて僕の予想通りの事をしていたんだ。そう違法薬物の橋渡し。つまり売人さ。薬物に対しては直接関わっていないんだが、中々大変なことだよ。そして私は使用者の手下のフリをした。取引場所が変わったと言って佐伯の前に連れていき、佐伯がこんな事やめるように、自首するように説得して今に至るかな」
「まてまて、薬物の売人が予想通りだって?どうしてわかったんだ」
「うん、それは高校生だっからさ。ちょうどお金に困ってるし仕事は必要。組織とはすぐ切ることができる。優良物件だよ。借金の取り立てを見送るかわりにこの組織に関わることを勧められたらしい。」すると佐伯が深々と頭を下げ
「二人には感謝する。こいつの事をしっかりと知ることができた。」この時彼は学校の印象とは全く違った人であるのだと思った。すると星野は手を前に出し
「待て待て、まだこの事件は終わっちゃいないぞ、東山、君の家に昨日宅配便などは来たかね?」またおかしなことを聞き出したと思った。東山は思い出しながら。
「いや、昨日は1日中家に居たけど誰も来てないと思う。大雨だったしね。」
「やはりか。私はこの前君の家へ来たとき、そして日が空いて今日来た時同じ足跡を発見した。しかも今日は雨の後でくっきり残っているよ。」
「一体それがどうしたって言うんだい?」
「その足跡はとても大きい。つまり長身の男だ。今日事務所の中に入っていったやつで私は大きな男を見つけた。そしてそいつは東山の知り合いで同じ雲形組だそうだよ。」
「つまりなんだって?」
「つまりは、ある一人の男がなぜ人の家の前に何度も現れるのか。それは何か良からぬ事が行われようとしているとしか思えない。」
次回で雲形組事件お終いです。




