社会人2年目、1人赤ちゃんプレイ中に死亡 死因:毒入り哺乳瓶
少し悪ふざけが過ぎた幼児退行ファンタジー、開幕です!
よろしければお付き合い願います。
俺の名前は沖屋はいと
社会人二年目のストレスマックス新入社員だ。
だが、そんなことはもうどうでもいい。
なぜなら俺は死んだのだ。
死因は毒殺。
俺の日頃の趣味は幼児退行だ。
今日も今日とて仕事帰りに社宅の自室に着いた俺は、鍵をかけるやいなや服を全て脱ぎオムツを履き、お気に入りのバブみasmr「ママとの甘いひとときep1
-おいたをしたバブちゃんにはお仕置き♡-
ガラガラで2時間サンドバックの刑」を再生しようとしたところ、ちゃぶ台に一本の哺乳瓶が立っていることに気付く。
-俺、ミルク用意したっけか?-
一目見て気づく。
俺の哺乳瓶じゃない。
その謎の哺乳瓶にはこうメモ書きが添えてあった。
お仕事お疲れ様!
みんなのママでちゅ♡
お腹と心の減った社畜赤ちゃんはママのミルクを召し上がれ!
美味しすぎて永遠におねんねしちゃうかも♡
通りすがりのママより
、と。
こんな得体の知れない液体、決して体内に入れてはいけない。
どう考えても怪しいし、間に受けて飲む奴なんて死んでもいいくらいの馬鹿だ。
ただでさえ、近頃は毒物の混ざったペットボトルを自販機の取り出し口に忍ばすなんていう恐ろしい事件も起きているのだ。
こんなもの誰が引っかかるというのだ。
実際、このような文言で成人男性にハニートラップをかける事案は小耳に挟むのだが、どれもあまりにも馬鹿げていて、ネットで話のネタにするためにふさげ半分でやった愉快犯がほとんどだ。
そして、そんなものに誰も引っかかりはしない。
これも、そんなジョーク混じりの犯行なのだろう。
しかし……。
しかし、とても運が悪いことに、
その時の俺は、赤ちゃんだったのだ。
オムツという正装に身を包み、そこに居たのはあまりにも重たい身体に閉じ込められた生後間もない赤子だった。
日々の会社でのストレスに耐えられず、癒しを求めて行き着いた最終手段、幼児退行。
その時俺は、完璧にそれをこなしてしまっていた。
赤子にとって、母親が用意したミルクはこの広い世界で唯一の栄養補給手段。
拒むことは死を意味する。否、拒むなんて思考はそもそもないのである。
-俺は一心不乱にそのニップルにむしゃぶりついた-
対象年齢から20年が過ぎた、あまりにも逞しい歯茎でその突起部を噛みしぎり、人間界の規範を忘れた獣のような目で存在しない乳房を見た。
甘かった。
幸せだった。
だが、その刹那、明らかにミルクとは違う化学物質的な、トキシックな味わいを舌で感じる度、それが毒だと分かり、愉快犯の毒殺を甘んじて受け入れる自分への情けなさとともに、この架空の母子愛から放される喪失感で悲しかった。
そうしていくうちにニップルを噛む俺の歯茎の力は衰え、口を離し、最後には手からそれは転げ落ちた。
沖屋はいと23歳、人生の終焉である。
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