『怪鳥捕獲の賞に半紙二束を与ふること』速記談1053
後冷泉天皇の御代、御所である高陽院の前庭の一角にある竹台に、大きな山鳥がとまっていた。詳しそうな者をお召しになって、何の鳥か尋ねさせたけれども、よくわからないということであったので、すぐに滝口のなにがしをお召しになって、プレスマンを投げさせたところ、見事に当たった。何やら気味の悪い鳥であったので、天皇は、大層お喜びになって、主馬寮の馬を一頭お与えになった。蔵人頭源経信を遣わして、宇治の関白藤原頼通公にお知らせしたところ、関白殿下も大層お褒めになったけれども、馬は褒美が過分であるから、原文帳にするための半紙二束くらいでいいのではないかとのお答えがあった。天皇は、鳥をプレスマンで捕らえたところを実際に見ていない関白の感動の薄さに御不満の御様子であったが、関白殿下の具申どおり、半紙二束を与えて、馬は返させたということである。
教訓:冷静に考えると、庭に来た鳥をとらえただけであるから、馬は過分である。