7-3.緊迫!ドラゴンラッシュ!
今日は土曜日なので2話投稿しています。
今日はここからなんだけど?という方は、早朝にフェリーの船内で海上から1話投稿していますので、先にそちらをご覧くださいね!
『「いっけぇーーー!ドラゴンキャノン!!」』
「ち、ちょっとー!?シャレになってないぞーー!!」
ボクたちが放った魔力砲がギアさんに迫って直撃した!けれども見せかけにした魔法だから痛くもかゆくもない。何事もなかったギアさんは呆気にとられていた。
「···えっ?なんともないぞー···?どういうことだー?」
「あれは見せかけの魔法ですよ。もちろんその気になれば大威力を発揮しますけどね」
「···はー、スゴイ。こりゃ参ったなー、完敗だぞー。まさかここまで強いとは思わなかったなー。···ははは!リオ!お前、強くなったなー!」
「はは、ギアさんに褒められてリオが照れてますよ。認めてくれてありがとうございます」
「お礼を言うのはこっちだぞー!あのリオが整調者になり、そし無事に帰ってきたと思ったら、こんなスゴイ力を手にしてたんだからなー!」
···リオ、よかったね!最弱だと言われてきたみたいだけど、強いって認めてもらえたね!
でも、感動したのはここまでで、ここからが大変だった。
「よし!次はオレの番だぞ!ギア兄さんの戦いを見てリオの力は分かったから、今度は負けないぞ!」
「ずるいぞ~、ジン兄!オレに先にやらせてくれよ~。先にやって早く寝たいんだよ~!」
「···フハハッ!こんなものを見せられたら久々に血がたぎるわ!これは一戦交えないと興奮して眠れんぞ!!」
「あらあらお父さんがこんなにハッスルするなんて久しぶりね!じゃあ、私も久しぶりに本気を出してみようかしら?たまには本気を出さないと腕が錆びついちゃうからね~。でも久々だから手加減できそうもないけどリオくんなら大丈夫そうね!ギアくんをあそこまで叩きのめしたのなら安心して私も本気を出せるわ!でも本気出して疲れ切っちゃったら明日の朝食を準備できないかもしれないわね~。そこはみんなに任せようかしら?たまにはサボってもいいわよね?ということで···ペラペラ」
「いや!順番に相手できませんよ!?変身時間は10分ですから、後5分もないんですけど!?」
「···ならば全員でかかればいいではないか?」
「おっ!?それいいな、父さん!早くやろうよ!」
「そうしようよ~。早く終わらせて寝たいよ~」
「ペラペラ···、そうよね!さっさとやっちゃいましょ!」
「ち、ちょっとー!?皆さん!?1対4なんてムリなんですけどー!?」
「何を言ってるんだー?オレもリベンジするから1対5だぞー!?」
「えーーーっ!?いくらボクでも勝てませんって!」
『いや、アキ!やってやるぞー!』
「リオ!?本気なの!?」
『蓄魔の腕輪の魔力を全開放したらあと2~3分は延長できそうだぞー?仮に超必殺技撃って魔獣がわんさか出ても、みんなが大喜びで討伐するから気にするなー!』
「···わかったよ。これはもう止められそうにないもんね。じゃあ、サポートよろしく!」
『おう!こてんぱんにしてやれー!!』
そんなこんなで、1対5という明らかに不利な状況になっちゃったけど、皆さんが納得する戦いにしないと後々尾を引きそうだよ~。全体攻撃ですぐ終了じゃなくって、変身時間全部使って戦闘する気でやらないとまずそうだね。全体攻撃はフィナーレで使用しよう!
まずは魔力剣を用いずに格闘戦でお相手する。
スピードはこちらが優位だ!まずはジンさんに向かって突っ込んでいき、顔にぱーんち!!
ボクのスピードについてこれず、クリーンヒットしたけどもさすがの耐久力だ!すぐに体勢を立て直して反撃に出てきた!
どうしてもドラゴンの体型だと大振りになっちゃうんだよね。とても躱しやすいよ!
次の相手はティガさんだ!上空に飛び上がって某ライダーさんのようなキックをお見舞いした!
こちらも顔面に直撃したのでめっちゃ痛がってるよ。この隙に次はイアさんだ!
魔力剣を雷属性付き極太鈍器モードにして突っ込んで行き、思いっきり足払いを食らわせて転倒させた。
次はカトルさんだ!ただ、カトルさんは全く動じていなかった!じっくりとボクたちを観察して、隙を伺っていた。そしてイアさんを倒した瞬間にブレスをこちらに向けて放ってきた!
回避が間に合わない!両手で魔力剣を使っていたから手が使えない状況だったけど、そこはリオがモフモフの翼を広げて後方に某最後の幻想の魔法反射のような壁を魔力で創って反らしてくれたよ!
まさか直撃でも回避でもなくブレス向きをちょっとだけ変えることで躱したとは思いもしなかったようでビックリしていた!今だ!!この瞬間が好機だ!
お返しばかりにさっきのドラゴンキャノンをノータイム威力なしの見せかけでぶっ放した!
カトルさんは避けようとしたけど一歩タイミングが遅れてしまって直撃した!
最後はギアさんだ!ボクがドラゴンキャノンを撃ち終わった瞬間に大きな爪を後ろから振り下ろしてきた!
それをリオはまた翼を利用して魔力の障壁を創り出して爪の直撃をちょっとだけずらした。
勢い余ったギアさんは地面に爪がめり込んで抜けないようだった。
···もう時間切れ間近だ。これで終わりにしようか!
最後は全体攻撃でフィナーレだ!ムーオにも効いたこの大技で決めてやるぞ!
ボクは魔力剣を高く掲げて魔力を込めた!この攻撃も見せかけに設定してケガをさせないように気を遣ったけども迫力は満点だよ!
「いっけぇーーーー!!!」
魔力剣を地面に思いっきり突き刺すと、裏庭全体に魔法陣が光り輝き、さらに大きく揺れ始めて魔力が地面から勢いよく空に向かって吹き出した!
ただ、爆発なしの威力なしで見せかけだったけども、こうかはばつぐんだ!
ボクたちは変身が解けたんだけど、皆さんは呆気にとられているよ。まさか1対5でここまでやられるとは思わなかったんだろうね。
「ふう、いかがでしたか?リオの力は?これで納得していただけたかと思うんですけど」
「···いや、素晴らしかったぞ。まさかこれほどの強さを持っているとは思ってもいなかった。···完敗だな」
「とんでもない強さだったぞー。あの大魔王もこれぐらい強かったんだなー。今のオレたちでは敵いそうもないなぁー」
「大魔王もそうだけど、リオってスゴかったんだな!魔法だけが取り柄で狩りには向いてなかったけど、こういう力を発揮できるなんて思わなかったよ」
「リオ、強くなったなぁ〜!···だけど、もう眠いから先に寝るね〜。おやすみ〜」
「あらあら母さんも完敗だわ〜!強くなったわね〜リオくん!これならアキくんと一緒に家庭に入っても十分に大丈夫ね!集落のみんなも安心して暮らせるわね〜!そうだわ!リオくんの部屋をアキくんにも快適に過ごせるようにしなくちゃいけないわね!ちょっと夜遅くなっちゃったけど今から掃除するから先に失礼するわね!ゆっくりとみんなとお話しておいてね〜」
というわけで、ボクもリオも疲労困憊になったけど、皆さんとさらに打ち解けたような気がしたよ。
これがいわゆる拳を交わして得た絆ってものなんだろうね。
ただ···、めっちゃキツすぎたよ〜〜!!
なんと、1対5という超不利な状況をなんとか乗り切ったアキくんとリオくんでした。
ただ、イアさんはアキくんを取り込んで素材剥ぎを全任せようとコッソリ企んでますね!そううまくいかないと知るのはもうちょっと先ですけどね。
今回の戦闘ではアキくんとリオくんのコンビネーションが光ってましたね!実際に戦ってるのはアキくんなんですが、リオくんがしっかりとサポートしている様を書けたのは楽しかったです。
さて次回予告ですが、レジストの集落を見学するためにアキくんはリオくんと一緒に出掛けるのですが、会う竜たちから試合を申し込まれまくってしまい、その結果とんでもない事態に巻き込まれてしまうのです···。
絶望のドン底に落とされてしまったアキくんはどう対応するのでしょうか!?
明日も朝と夜の2回投稿しますので、お楽しみに~!




