7-2.アキ、ハンティング家で過ごす
おはようございます。
土曜なので早朝から投稿してます。
今日は商船三井さんふらわあ様の『さんふらわあくれない』の船内より神戸沖の海上にて投稿してます。
夜にも1話投稿しますよ~!
リオのお母さんであるイアさんが、やっと落ち着いたので、夕食の準備を始めた。
今日はボクがいるので特別に皆さんが人型になっての食事となった。皆さん人型の姿は大柄で筋肉ムキムキだったよ···。リオがかわいいと思えるぐらいだね。
いつものドラゴンの姿での食事だと『生肉ドーン!』となってしまうらしいけど、人型でも食卓には大皿に生肉ドーン!だったね。
「リオ、さすがにボクはこれじゃ食べれないよ~」
「そうだなー。おなか壊してしまうかもしれないぞー」
「リオ、だったら肉焼きセットがあるぞー!ちょっと待ってろよー」
「おう!ギア兄、ありがとなー」
肉焼きセットって?···もしかしてあれかな?某狩猟ゲームにあったアレっぽいのかな?
「待たせたな!コレ使ってお好みで焼いていいぞー」
「···ありがとうございます。ギアさん」
「調味料はここにあるからねー。お好みでどーぞー!」
「ありがとうございます。ティガさん」
···いいのだろうか、神様?某狩猟ゲームまんまの肉焼きセットだよ?うまいこと焼けるのかな?
そう思いながら火を熾して専用の串に肉をぶっ刺して、そしてゆっくりと回しながら中火よりちょっと弱めでじっくりと焼いていく。
···もちろん頭の中では『あのBGM』が大音量で流れているよ。あとは焼き上がりのタイミングだね!
···よし!今だぁー!
ボクは焼き上がった肉を高らかに上げた!
「上手に焼けましたぁ~!!」
···と思うよ。いい焼色してるからね。
軽く塩コショウをまぶして食らいつくと···、ウマーイ!!
何の肉かはわからないけど、今まで食べたことのないぐらいおいしーい!
ちゃんと中まで火が通ってるよ!?魔道具なのかな?魔力をちょっと使ったような気がするよ。
さて、もう1本あるんだよね!
これも同じ要領で···。脳内で流れるBGMが終わってちょっとしたぐらいで···、今だ!!
「ウルトラ上手に!焼けましたぁ~!!」
なるほどね~。あのゲームのキャラがどんな気持ちで肉焼きしてたか、実体験してわかっちゃったよ!これはた~のし〜!!
夕食はイアさんの暴走もなく穏やかに過ごせたよ。でも肉ばかりだったから胃がもたれそうだよ···
野菜っぽい名前の胃薬が飲みたい気分だけど、これも回復魔法でなんとかなってしまった。回復魔法万能説アリだね~。これも薬のイメージのおかげかな?
ただ、皆さんの前で回復魔法を使うのも悪いから、途中で席を外してこっそりと使ったよ。
そして、食後からリオが整調者としての活動と大魔王ムーオとの死闘、そしてボクとの出会いやこれまでの旅路について説明をしたんだ。
ただ、予想通りというか、皆さんの気になったところは変身だったよ。
「へぇー。整調者に匹敵するほどの新しい力かー。面白そうじゃないかよー!今からちょっとやりあおうじゃないかー!」
「えっ!?ギアさん、今からですか!?狩りでお疲れなんじゃないですか?」
「疲れてはいるが、こんな面白い話を聞くとそんな事はどーでもいいぞー!ちょっと裏でやろーぜー!」
「···リオ?どうする?」
「こうなったらやらないと寝かせてくれないぞー。軽くだけやるかー」
「リオがそう言うならちょっとだけ手合わせしましょうか」
「よし!!じゃあ裏へ行くぞー。大魔王に匹敵する力、オレも全力で相手してやるぞー」
ということでギアさんと一戦やることになったよ。もちろん、ギアさんは竜モードだ。
どれだけ強いかは知らないんだけど、手加減したら怒られそうだよなぁ~。うん、こっちも全力でケガさせないようにしよう!
「じゃあ、リオ。準備はいい?」
「おう!いつでもいいぞー。せーの」
「「インテグレーション!!」」
まぶしい光で辺りを照らしたあと、そこには着ぐるみを着たボクが立っているのを見て皆さん一様に驚いていた。
「···ほう、凄まじいまでの魔力に満ちているな。確かに大魔王に匹敵する力であろうな」
「確かになー、父ちゃん。でも、魔力だけじゃなくて力はどうかなー?」
「ギア兄さんの言うとおりだね。魔法だけじゃダメだからね。力もないと手数が減ってしまうし」
「お~、強さは感じるけど格好がイマイチな気がするぞー?」
「ティガ?見た目で判断してはいけないといういい見本ですよ?母さんにはわかりますよ?あれはアキさんとリオくんの友情の証!お互いを信じあっているからこその姿なのよ!二人の絆は誰にも負けないっていう熱い情熱が感じられるわね。ああ私たちも昔はそうだったわね!?お父さん!一緒に熱い青春を謳歌しながら···ペラペラ」
「あー、また始まっちゃったかー。父さんとのノロケ話がー」
「ギア兄さん、母さんは放っておいて早く始めないと10分の時間制限付きなんだよね?」
「おー!そうだった。じゃあ、いくぞー、リオ!!」
『かかってこーい!今のオレはこれまでとは一味違うぞー!!』
「リオ、それギアさんには聞こえないよ···。ギアさん!リオはやる気満々です!」
「では、こちらからいくぞー!!」
ギアさんは体格に見合わない速度で突っ込んできた!思っていたよりも速いよ!?
ボクは避けようと考えたけど、リオが止めに入った!まともに正面からぶつかりたい!ってリクエストだ。もちろん、リオのいう通りにしてあげると···
ドーーーーン!!!
受け止める構えを事前にしていたボクにギアさんが体当たりをしたけども、難なく受け止めてしまっていた!ちょっとだけ押されて下がっちゃったけど許容範囲内だ!
「なんだとー!?このオレの巨体を小さな体で受け止めたぁー!?」
「え~~!ギア兄の全力タックルを止めちゃうの~~!?マジかよ!?」
「これは···、たまげたな。ギア兄さんの全力タックルは無敵の一撃だぞ!止めた魔獣やドラゴンはいないというのに···」
「素晴らしいな。時間制限付きとはいえ、ここまでの強さとは···。さすがに大魔王を退けただけのことはあるな」
「リオくんすごーい!あんなに力が弱くて魔法しか取り柄がなくって引きこもりがちだったリオくんがこんなに強くなって帰ってきてお母さんは嬉しいわ!なんて言うの?想定外に成長した我が子を見てこんなに感動するなんて思いもしなかったわ!でもお父さんには一歩及ばないのじゃないかしら?お父さんはいつも無敵だから時間制限付きのリオくんではちょっと分が悪いわよね~。そうよね···ペラペラ」
皆さん驚いてるけど、ボクたちの力はこんなもんじゃないよ!今度はこっちから攻めてやるぞ!
ボクは魔力剣を切れ味なしの鈍器モードにして、通常の1mの長さで展開してギアさんにスピードで翻弄しようと、先日の塔で使った某ゲームの流派の剣技を繰り出して一閃した!
「イテテ!速すぎて追えないぞー!?どこに行ったー!?」
「ギア兄!上だ!上からくるぞ~~!」
「なぁ!?なんだってー!?」
そう!ボクは剣技を繰り出した後に上空へ飛び、両手をギアさんに向けてまま魔力をちょっとだけ集中させる!ただ、ギアさんにケガさせちゃいけないからホドホドにして『見せかけ』の大技を繰り出す!魔力が集中した両手には竜の口のように見えるような感じで魔力が顕現していた!
『「いっけぇーーー!ドラゴンキャノン!!」』
「ち、ちょっとー!?シャレになってないぞーー!!」
まんま竜と人では文化が違いすぎました。
人間の町で住んでるドラゴン族はちゃんと人間の生活に適応した人たちなんですが、かなりハードルが高いのも事実です。いろんな理由で集落を離れてるんですけどね。
そして、力こそ全て!がモットーの白銀竜なので、力の話をすればストリートファイトが始まってしまいます。
滞在中、アキくんはこの洗礼を受けて続けてしまうんですね~。
さて次回予告ですが、ギアくんと対決を見たハンティング家の皆さんは居ても立っても居られず、全員でアキくんたちに試合を申し込んでしまいます!
とんでもない無茶振りにどう対処するのか!?
今日の夜の投稿をお楽しみに〜!




