6-12.リオが『嫁』を連れて帰ってきたぞ~!
本日は第6章最終話のため、この時間に投稿してます。
昨日投稿時間違うのをお伝えし忘れてましたね!申し訳ありませんでした。
本日夜あたりでネタバレ集と設定資料集を投稿します。
2時間後、リオの故郷であるレジストに到着したんだ。
遠目から見ると家の大きさが3倍ぐらいある!家といっても壁はそんなになくて柱と屋根だけだね。
集落ということで、みんな竜の姿でいるようだね。竜気で雨風と暑さ寒さを凌げるから壁が必要ないのかもしれないね。
「リオ、ここがレジストなんだね?」
「おう!そうだぞー。見ての通り、家なんて柱と屋根だけだし、観光地とは程遠すぎるけどなー。がっかりしただろー?宿はないし、店もないしなー」
「いや、これはこれで面白いよ。みんな竜の姿してるから、これが最適なんだろうね。さて、リオの実家ってどこになるの?」
「この一番奥だぞー。もしかしたらこの時間だと狩りに出てていないかもなー」
「そうなんだ?まぁ、それなら待たせてもらったらいいしね。じゃあ、行こう!」
というわけで、集落の入口の門の前に来た。審査はないようだけど、門番の『竜』がいたね。
「ん?子ども?お前たち、ここはレジストというドラゴン族の集落だが、何用だ?迷ったのなら途中まで送ってやるぞ?」
「よー!アルバ、オレだよー、リオだ!久しぶりだなー」
「···なに?リオだと?冗談を言うな!リオはそんな小さな人型ではないぞ?···いや、少しばかり面影があるが、そういうなら竜の姿を見せてみろ」
「相変わらず頭の固いヤツだなー。まぁ、だから門番やれてるんだろうけどなー。···これでどーだ!!」
「···確かにリオだが、小さすぎないか?私より少し小さい程度だったはずだぞ?どういうことだ?」
「大魔王と相打ちになった時に魔力を過剰消耗した影響だー。これでも大きくなったほうなんだぞー!」
「うーむ、にわかに信じがたいがまぁいいだろう。仮に偽物だったとしても集落の連中もかなりの強さだからいつでも捕まえられるしな」
「···完全に不審者扱いかー。まぁいいか。親父や兄貴たちに会えば集落のみんなもわかってくれるだろうしなー」
「···ところで、お前の横にいる人は誰だ?まさかとは思うがお前の嫁か?」
ブフーーッ!!!
ボクとリオは吹き出した!ち、ちょっと待って!?え!?···嫁?嫁だって!?ついにカップル飛び越えちゃって新婚さん扱い!?なんでそーなるの!?これはマズイ!!
「い、いえ!ボクは男ですよ!!リオには助けてもらって一緒に旅してるんです!」
「むむ?そうなのか?とても男には見えんぞ?そんなに力も強くなさそうなのに男とは···。仲良く歩いていたからてっきり嫁を紹介に連れて帰ってきたと思ってしまったぞ?」
「アキの言うとおりだぞー。ワケあって一緒に旅してるだけだからなー。それに人なんだからドラゴン族のように力が強いわけじゃないんだぞー」
「ふむ、これは失礼したな。リオの知り合いよ、ここはドラゴン族が本来の姿で生活しているから人であるお主は少し暮らしづらいと思うが、そういうものだと思ってもらえるとありがたい」
「わかっていただけて助かります。申し遅れました、ボクはアキと言います」
「我は門を守りしアルバと言う。···おそらく集落のものはお主を我と同じように勘違いするものが多いだろうが、説明すればわかってもらえると思うぞ。少し手間なのはご了承いただこう」
「ありがとうございます、アルバさん」
「よーし!じゃあ中に入るぞー、アキ!」
ということで久々のひと悶着あって集落に入ったんだ。やっぱり昨日の宿場町が紳士的な対応だったようだね。
···なんだろう?少しだけ···、本当に少しだけだよ!?安心したんだよ···。トラブルに慣れてきたって事?···いや、それはそれで困るんだけどなぁ~。
集落の中に入ってからは出会う竜から声をかけられまくった。
まぁ、ドラゴン族の集落に人間がいる事自体が珍しいんだろうけどね。
リオとすぐに気づいた竜はわずかだった。それでもみんなリオが帰ってきた事を喜んでくれたよ。
そりゃ、大魔王とやり合ったんだ。それで生還しただけでもスゴイ事だからね!
···ただね。やっぱりボクはみんなから『嫁』扱いだったよ。
ここじゃ、ボクは彼女でもカップルでもなく、進化して『嫁』になってしまった。おめでたくない!今すぐBボタンを連打したい!!
そんな悲痛な願いは叶わなかったよ···。現実は残酷です(泣)。
精神的疲労度MAXの状態でリオの屋敷っぽい家に着いた。
···多分、ここがボクにとって精神的なボス戦になるだろうなぁ~。
屋敷っぽいってさっき言ったけど、門とか柵とかはなくて、デカい屋根と柱だけの、簡素な作りだった。
それより大きいのが、横にあった倉庫っぽい建物だった。狩った魔獣の素材置き場なのかな?
入口っぽいところであまりのデカさに驚いていたら、中から1体の竜が出てきた。
「あらあら、どちら様?···って、リオくんなの!?何だか小さいけどもリオくんなのよね!?」
「おう!ただいまー。かあちゃん」
「よかったわ~!無事に帰ってきてくれて!整調者に指名された時はどうなるかと思ったけども、こうして帰ってきてくれて安心したわぁ〜」
「心配かけたぞー。小さくなっちゃったけどもオレは元気だからなー」
感動の親子対面だよ!どの世界でも子を思う親の気持ちって一緒だね!
そんな感動的な場面なのに、ここからがボクにとって地獄の始まりだったんだ。
「ところでこちらのお嬢さんはどちら様なの?···ってリオくん!?あなたいつの間に結婚したの!?私たちになんの連絡なく結婚ってどういう事なの?相手の親御さんにあいさつもなしだなんて失礼な家だと思われるじゃないのよ!?大変だわ!!今すぐお父さんを呼び戻してすぐにあいさつに向かうわよ!!ああでもギアくんも兄弟代表として一緒に行ったほうがいいわね!将来のハンティング家の当主になるんだから!でもよそ行きの人型の服なんて持ってないからどうしましょう!?街に行って仕立ててもらうのに時間かかるし、お金なんて物物交換してたから素材を先に売却して現金用意しないと!ああ忙しくなるわ!!すぐに計画立てて漏れのないようにしないといけないわ!それにお父さんとギアくんが抜けた分狩れなくなるから代理もお願いしに行かないといけないわね!ああそれと···!ペラペラ···」
···パワフルなお母さんだなぁ~。
まだこっちが何も言ってないのに勝手に話が進んじゃってるよ。しかもすでに結婚したことに勝手にされてるわ。
ここまで脳内で妄想がすごいのは初めてだよ。
···これってひっくり返せる?ボクが男だって知ったらなおさら暴走しそうだよね?でも、これは訂正はしないとシャレにならんわ。
第6章 完
『···まさか大魔王と対決するなんて夢にも思わなかったね。···そして、リオの故郷でまさかの嫁扱いはビックリだったなぁ。この後も大荒れだったんだよなぁ、ははは···』
ついにリオくんの嫁扱いされてしまったアキくん。
白銀竜の皆さんはかなりぶっ飛んでます!
特にリオくんのお母さんは興奮したりパニックになるとこうなります。
ネタバレ集にも書いておきますが、某CMのノリで書いてたら思いのほか筆が進む進む(笑)!
楽しく書けましたが、全部読まなくても問題ないです!
このお話で第6章は完結ですので、今日の夜あたりでネタバレ集と設定資料集を投稿し、明日からは第7章に入ります。お楽しみに!




