6-8.作戦会議
本日2話目の投稿です。
早朝に1話投稿してますので、今日はここから読むんだ!という方!早まってはいけない!1話前から読むんだよ!
グロー歴505年1月21日 曇
リオがやっと起きたので、カーネさんとアイリさんと一緒に夕食を摂った。···いや、起きたというよりかは溺れさせてムリヤリ起こされたんだけどね。
そして、その後にボクたちに何があったのかを話したんだ。
「やはりムーオは生きておったか。可能性はあるかもしれないと思っていたが、これで確定してしまったな」
「しかも空中庭園の時も今回も偽物だったなんて···。思っていた以上にやっかいな話ですわね」
「本体がどこにいるかも姿も不明、さらに発見してもダミーの可能性があるか。となると、こちらから先制は不可能だな。ムーオの出方を伺うしかあるまい」
「完全に後手に回ってしまってますわ。現状ではかなり不利な立場に立たされてますわね」
「ただ、我々はすでに整調者の任務は終了しているから、立ち向かうだけの力がない。次代の整調者を補佐する程度しかできないな」
「アキさんは神から気にせず旅を続けるよう言われたんですのよね?でしたら、当面は旅をしていただいて、おかしな状況があれば私たちに伝えてもらうというのでいいのではないかしら?」
「そうですね。旅が目的ですし、電話アプリとかで瞬時に連絡できるので向いてますね。それにボクたちも戦えるとは言っても10分の時間制限付きですから、戦力にはなれないでしょうね」
「···それにしても、よくあなたたちだけでムーオを退けられましたわね。かなり不利な状況でしたのに」
「運が良かったとしか言えませんよ。とっさに思いついた技と魔法のおかげでしたし、結局神様に救出されてなかったら相討ちで共倒れしてましたからね」
「そうだとしても、時間制限付きとはいえ、単騎で大魔王とやり合えるのは整調者以外には存在しないぞ!いくらリオが元整調者だったとしてもだぞ!!」
「ありがとうございます、カーネさん。だけどボクは武術とか魔法の達人じゃない、ただの普通の人ですから、変身してパワーでゴリ押しするくらいしかできないですけどね」
「それだけできれば普通ではないですわよ?まぁ、神器を持って神に強力ではないにしてもギフトが与えられているだけで特別ですわね」
「それはそうなんですけどね。でも、やっぱりリオのおかげですね。リオがここまでサポートしてくれたからボクはこうやって生きていられたんです。そこは間違いないですよ」
「ち、ちょっと!アキ、そこでなんでオレを褒めるようなことを言うんだよー?恥ずかしいぞー!」
「だって事実なんだもん。ボクだけじゃ何にもできなかったよ」
「まー、そうかもなー。ただ、オレだけで乗り切れたか?って言うと、それは間違いだぞー!アキとオレで力を合わせたから乗り切れたんだからなー!アキが役に立ってないってものの言い方はもうしちゃダメだぞー!」
「···リオ、ありがとう!そうだね。ボクたちの力を合わせた結果だね!」
「おう!これからも協力して旅を続けるぞー」
「うん!」
「はっはっは!リオよ!いい仲間ができて良かったな!我々のパーティーの時よりも生き生きしてるじゃあないか!」
「それはお前たちがオレをいっつもいっつもからかってたからだろー!!」
「はっはっは!人にはそれぞれコミュニケーションの取り方が違うのだぞ?あの時はあの形がベストだったのだぞ?」
「そうですわよ?楽しいひと時を過ごせたじゃありませんか?過去はいい思い出になるものですわよ」
「ものは言いようだなー。好き勝手される身にもなってみろよ!」
···まーたケンカ始めたよ。やっぱり仲がいいよね?ただ、関係が良好かというと···?ちょっと怪しいけど、ボクとの関係とはまた違った良さがあるんじゃないかな?
「リオ、もうその辺にしといてね。話が進まなくなっちゃうよ?」
「アキまでオレが悪者扱いなのかー!?もー!グレてやるぞーー!!」
「そうじゃないよ!相手の話をまともに受けるんじゃなくて、気にせずに流してしまうのもアリだって事だよ」
「う~~、そう言われると確かにそうだぞー。わかったぞー、ここまでにしとく」
「···あのリオがこんなにおとなしくなってしまうなんて、アキさんはリオの事をよく知ってらっしゃいますわね?」
「そんなことないですよ!ボクにとっては最高の相棒ですからね!相棒の気持ちを慮るのも大事ですよ」
「素晴らしいですわね。これならこの先の旅でも大丈夫でしょうね。さて、せっかくここまで帰ってこれたのですから、少し休まれてから出発されてはいかがですか?」
「ありがとうございます!コレクタで調達ができなかったので、食料がほぼ空だったんですよ。ここでたくさん仕入れて準備でき次第出発しようと思います」
「そうなさった方がいいですわ。では、以前泊まった客室を用意しておりますので、そちらでゆっくり休んでくださいまし」
「そうさせていただきますね!」
という事で、ボクたちは今まで通り旅を続けて異変を察知したらすぐに情報共有することにした。
そう言えば、情報といえばパスさんだよ。パスさんにもお世話になっちゃったから、こっちからも情報提供してあげたいね!
確かに他国のスパイなんだけど、大魔王の情報は共有しておいた方がいいと思うんだよ。皇国でもし事件が起きても、情報があることで皇国の人が救われるんだったらいいんだしね。
···でも、連絡手段がないんだよね。電話で発信したことないから電話帳にも登録されてないし···。って、アレ?パスさんの名前がいつの間にか入ってるぞ?···どうして?
まぁいいや。ちょっと夜遅いけど、短時間で終わるからかけてみよう!
無駄に再現された発信音でコールした後、パスさんにつながった!
「もしもし?アキですけど、パスさんですよね?」
『きゃあ!えっ!?なになに!?頭の中にいきなり声がする~!?』
「あっ!驚かせてしまってごめんなさい!魔法で通信していますので大丈夫ですよ!ボクです、アキです!」
『えっ!?アキくん!?これってアキくんの魔法なの?こんな魔法聞いた事ないんだけど!?』
「そういえば言ってなかったですね。ボクは創作魔法が使えるんですよ。だからこんな魔法も使えるんですよ」
『へぇ~、便利な魔法ね~。これが私も使えたら仕事がはかどるわね!今度教えてね!ところで、今どこから話しているの?』
「ちょっと事情があって、カイジの町にいるんですよ」
『···は?まったく反対方向でしかもかなり離れているわよ!?何があったの?』
「ちょっと広めることのできない情報なんですけど、実は···」
ボクはパスさんにリーク砂漠であった出来事を話したんだ。びっくりするかと思ったら冷静に話を聞いてくれたよ。
『···なるほどね。それは広められないわ~。でも、ありがとね!本国には最重要機密って事で伝えさせてもらうわね!』
「そうして下さい。また何か情報が入ればお伝えしますね」
『これはとんでもない情報源だわ~。こちらもいろいろ情報が入ったら教えてあげるわね~』
「ありがとうございます。今後もよろしくお願いしますね」
『それはこちらのセリフよ!気を付けて旅を続けてね~!』
これでヨシ!パスさんの情報網も今後は少しだけ使わせてもらおう。
この世界でも元の世界と同じだ。『情報は武器』だ!
今後の方針と情報共有の回でした。
しかし、カーネさんとアイリさんがリオくんをいじるシーンは面白いですね~!
作者も楽しんでリオくんをいじるシーンは楽しんで書いてますからね。
そしてついにパスさんまで電話がつながることになりました。
現状では一方通行ですが、パスさんにとってもすごい情報源が1つ増えたので大喜びですね!
さて次回予告ですが、この電話アプリの欠点である『一方通行』。これを何とかできないかな?と考えたアキくんはとあるアプリの機能拡張を考えます。って、アプリが何なのかバレバレなんですけどね!
明日からは1話ずつ、21時過ぎの投稿を予定しています。お楽しみに!




