6-3.魔導の塔 その1
今日から3連休ですね!連休中は1日2話投稿します。
お出かけや買い物、引きこもったりといろいろお過ごしの事でしょう。
···確か国公立大学の前期入試って今でしたっけ?受験生の皆さんは頑張って下さいね!
本作は1話あたり3000字弱で比較的短いので、休憩中にちょっとした気分転換できますよ(笑)
グロー歴505年1月17日 晴れ
リーク砂漠にあった謎の塔の結界に捕らわれてしまったボクたち。
現状では脱出手段がないため、仕方なく目の前の塔を攻略することになった。
そうそう、ほかの脱出方法としてボクの転移を試したけどもスマホに『謎の力で使用できません。他の場所に移るか、使用が可能になったら通知します』と表示されて不可能だった。
ただ、オートマッピング機能は使えたから、いざという時はここまで瞬時に戻ってこれるし、攻略再開も転移でいけそうだ。
また、リオが翼を使って空を飛んでみようとしたけど、1mぐらいで止まってしまった。リオが空を飛ぶのは翼の揚力と固有魔法を組み合わせてるようなので、魔法が妨害を受けているようだ。
塔の中の魔獣はどうも守備専門みたいだね。昨日、ボクたちが塔に近づいても一切反応しなかった。おそらく入った瞬間に敵認定されて襲い掛かってくるだろうね。
それにしても、この塔はなんだろうね?こんな人が来ないような場所に建ってるだけでも怪しさ満点なんだけどね。それも今日からの攻略である程度わかるかな?
「じゃあ、塔の中に入ろうか?リオも準備はいい?」
「おう!アキ、魔力管理はきっちりとやっておけー。外に転移できる魔力は絶対に確保するんだぞー。道中の敵はできるだけ回避して、ダメな時は基本的にオレが対処するからなー」
「うん!リオも無茶しないで、少しはボクを頼ってね」
「おっとー?アキからそんな言葉が出るとは思わなかったぞー?まぁ、転移は任せっきりだから頼っているのは間違いないからなー」
「そういうこと。じゃあ、行こう!」
塔の1階に入った。
そこは塔全体を使ったものすごく広い大広間だった。魔獣は見当たらないけど、大広間中心部に2つ光っている床の間があり、他には階段など上がる手段はなかった。
光ってる床の一つは明るく光っていて、もう一つはぼんやりと光っている。
まずはオートマッピング機能が使えるか確認をして、正常に機能していたから塔内部での転移が可能だという事がわかった。攻略するにあたって重要な確認事項だね。
さて、光る床は転移トラップかもしれないので、ボクはリオと手をつないでまずはぼんやりと光っている床の上に乗ってみたけども何も起きなかった。
次に明るく光る床に乗ってみると、別の場所に飛ばされた。地図アプリには『4/13』と表示されたので、どうやら13階建てのようだ。
外から見たらもっと高そうに見えたんだけどね。もしかしたら空間が魔法で捻じ曲げられてるのかもしれない。
さて、ここから内部攻略だ。魔獣レーダーにはたくさんの魔獣が待ち構えているようだ。
お宝には興味はない。目指すのは脱出のみだからね。慎重に進んでいくよ。
···魔獣がいた。しかも見たことのない魔獣だった。レーダーにも反応しない魔獣なんて初めてだよ?この塔って、どうやら基本的に一本道みたいなんだよね。だから魔獣を避けて攻略ってことができないことが判明してしまった。
さてこの魔獣、どうも姿がよくわからない。というのも、頭からすっぽりとローブに包まれているんだ。武器は持っていないから魔法系かな?
ちょっとした広間の中央に座っていた。しかもボクたちが歩いてきた方向に向いていたから向こうもボクたちに気づいている。
「アキ、ここはオレに任せろ。おそらく魔法戦になるぞ。広間に入らず通路で見ててくれ」
「リオ、無茶しないでね。相手がどういう攻撃してくるかわからないからね」
「おう!じゃ行ってくるわ!」
「気を付けて!」
そう言ってリオは広間に入っていった。向こうも立ち上がってリオを見ていた。
リオはいつでも魔法が放てるように魔力を高めていく。すると、先制攻撃は魔獣から行った!氷のつぶてがリオを襲うけど、リオは一歩も動かなかった。
どうやらリオは竜気で耐えきれると判断したようだ。つぶてが当たってもリオにはキズひとつつかなかった。
魔獣は驚いたようで、もう一度同じ魔法で攻めようとしていたが、繰り出そうとする一瞬のスキを突いてリオは一気に間合いを詰めて魔獣にボディブローを決めて、吹っ飛ばした!
「へへっ!アキに見せてもらったマンガの技を使わせてもらったぞ。なかなか有効な方法だったな!」
···温泉で読んでたマンガの技をあっさり再現しちゃったよ。あれを見ただけで再現しちゃうなんて、やっぱりリオはすごいや!
さて、当の魔獣は立ち上がろうとするが、ダメージが大きかったようだ。かなりフラついているけど···、なんだか様子がおかしい。
「リオ!様子がおかしいよ!トドメをさして!」
ボクの言葉を聞いてリオがすぐに魔獣へ詰め寄ろうとしたその時!かぶっていたマントが破れて正体を現した!
···変身した?明らかにさっきより体の大きさが違う!そんな魔獣っているの?ダメージも回復しちゃってるようだよ。
現れた魔獣はまさにドラゴンだった!かなり小ぶりだけど、リオのような翼がないドラゴンだった。そのドラゴンを見たリオがビックリして、立ち尽くしていた。
「な、なんで···。なんでお前がここにいるんだ!お前は···、お前はあの時にオレが倒したはずだろ!!」
「············」
「質問に答えろ!!どうしてお前がここにいるんだ!!」
「············」
「···そうか。答える気はないんだな。いいだろう、あの時と同じように倒してやる!!」
リオはあのドラゴンを知ってる?しかも1回倒したって?どういうことだ?生きてたかゾンビとして復活したかってこと?
でも、さっきは明らかに人型だった。···もしかして、リオと同じドラゴン族の人!?
そんな考えをしているうちに、リオはドラゴンに近づきつつ、本気のロックキャノンを放った!けど、ドラゴンは全く防御する様子もなくそのままの状態で耐えてしまった。
リオは勢いのままドラゴンに強烈なキックをかましてやったけど、硬すぎるのかビクともしなかった。
いったん間合いをとるためにバックすると、すぐにドラゴンから氷系の魔法が飛んできた!さっきとはけた違いの威力のようで、リオは避けたけどドラゴンはその先に向けてノータイムで2発目の氷魔法を撃ち込んできた!
「うわあ!!」
「リオーー!!」
「くっ!あの時よりも強くなってる?どういうことだ?ヤツは···、ここまで魔法は使えなかったはずだぞ」
「リオ!大丈夫!?」
「心配ないぞ!この程度なら問題ないからな!」
そう強がるリオ。でも、このままじゃまずいよ!塔に入って第1戦目でここまで苦戦しちゃうと後が続かない。
どうする?ここまで強敵だらけの魔獣が相手じゃこっちの分が悪すぎるよ!なんとしてでもこの先に行ってここから脱出しなきゃいけないんだ。
···変身するか?10分の時間制限付きだけど、その間にできる限り先へ進んで転移で外にいったん退避してリトライする方がいいかもしれない。
そう思い、リオに呼びかけた!
「リオ!変身してさっさと片づけて一気に先へ進もう!!」
どうも転移を使用する複雑な塔のようですね。
しかも、昔リオくんが倒した敵まで現れました。
ネタバレ集に元ネタを公開しますが、この塔は某RPGの塔を参考にしています。
めっちゃ強敵ばかりでいつ全滅するかヒヤヒヤしながら、少しずつ攻略していったんですよ。
それをアキくんとリオくんに体験してもらっています。
さて次回予告ですが、変身を決意したアキくん。一本道な塔ではエンカウント回避ができないと考えて、某ゲームの配管工が星を取った後のように一気に強行突破を試みます。
本日は友人に会う予定がありまして、『投稿することころを見てみたい!』と言われたら投稿しますので、次の投稿は午後~夜のあたりと思います。




