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【完結済・第6章まで加筆修正完了】アキの異世界旅行記 ~旅先でなぜか変なフラグ立ってトラブルに巻き込まれて···ホント困ってます~  作者: ぷちきゅう
第4章 温泉湯治とダンジョン観光

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4-8.シーケンスダンジョン(前編)

 本日の2話目です。

 今日はここからなんだ!という読者の方は、朝に1話投稿してますので、そちらから読んでくださいね~。

  グロー歴504年12月34日 晴れ

 

 ひとまず大きな問題が解決したので、今日は観光地に出かけることにした。

 

 その名も『シーケンスダンジョン』。

 

 ···ダンジョンが観光地ってそもそもどういう事?って疑問が大いにあるけどね。

 

 観光案内所の人が行ってみてのお楽しみって事だから、とりあえず危険はないんだろうけどね。イメージしていたダンジョンとは大違いだよ。

 

 本当にこの世界、ファンタジー感が微妙すぎる···。

 

 

 温泉街から歩いて30分ほど、火山の中腹にそのダンジョンはあった。

 

 ···意外と賑わっているよ?どういうのなんだろうね。

 

 チケット売り場の前で列の整理をしている係員さんに聞いてみようか?

 

 

「こんにちは~!シーケンスダンジョンにようこそ!」

 

「あのー、ここってどういうとこなんですか?」

 

「あれ!?もしかして知らずに来ちゃいました?じゃあ、ちょっとだけ教えちゃいますね~。ここは名前の通りダンジョンなんですけど、魔獣は『ほぼ』出てこないんですよ~。

 ただ、至る所に『生きたワナ』が仕掛けられてまして、それを避けたり敢えてかかったりしてスリル満点の冒険を楽しもう!ってとこなんですよ~!」

 

「はぁ、そんな都合のいいダンジョンがあったんですね」

 

「そうなんですよ~!あと、ワナと言っても基本的には(・・・・・)命にかかわるようなものはないので、気軽にワナ踏み抜いちゃって楽しんで下さいね~!」

 

 

 おぉぅ。ワナを『気軽に』踏み抜けって···、それワナちゃうやん!

 

 だから観光地なんだ···。冒険目的でダンジョンに入るんじゃなしに冒険を体験するアトラクションになってるんだ。

 

 

「リオ、ダンジョンって潜ったことある?」

 

「まぁー『昔』はあったなー。ただ、オレは何もしなかったなー」

 

「そうなんだ?ちょっと意外だね」

 

「いやー、他のメンツがえげつなかっただけだぞー。

 カーネはワナ関係なしに迫ってくる敵を笑いながら殲滅していき、アイリは魔法で自分の位置をマッピングしてたなー。

 他二人は獣人で感覚が鋭敏すぎてワナの位置をすべて把握してたし、アイリなんかは面白がってワザとワナにかかって自分の魔法で相殺する遊びやってたなー。

 ···たまにオレに流れ矢とかが飛んできてビックリしたのをみんな笑ってたなー」

 

「そ、そうなんだ···。それは確かにえげつなかったね」

 

「あー!なんだか無性に腹が立ってきたぞー!あのパーティーで一番マトモなのはオレだけだったんだぞー!!なんで!いつもオレばっか損してたんだよー!!」

 

「ま、まあまあ。もう過ぎたことだし、ここは観光地なんだから今日は楽しもうね~」

 

 

 ···どうやらトラウマを掘り起こしてしまったようだね。悪いことしちゃったかな?

 

 まあ、気を取り直して入ってみようか!

 

 

 ダンジョンに入る前に説明があったよ。

 

 

「はい!これからダンジョンに入っていただきますが、こちらのダンジョンは全4階層で、最奥には宝箱がございます!

 お宝をゲットして戻ってきていただきますと、景品がございますので頑張って踏破を目指して下さい!

 なお、制限時間はございませんが午後7時の閉園時間になっても戻られない場合でも捜索には行きませんので、そこだけは自己責任でお願いしますね~

 それじゃあ、カップル(・・・・)一組様!いってらっしゃいませ~」

 

 

 ···なんだろう?この中途半端な管理は?

 

 ダンジョンだから自己責任で入るのはいいんだけどね、入園料とるのに捜索に来てくれないなんて、ちょっと勝手すぎるような気がするんだけど?

 

 まぁ、ボクたちにはあんまり関係ないか。最悪転移あるし。あと、またカップル扱いされた。もういいけどね、訂正する必要なさそうだし。

 

 とりあえず入ってみよう。ダンジョンなんて初体験だから楽しみでもあるんだよね。

 

 

 ~1階層目~

 

 内部はよくある石で囲まれた迷宮だった。これまたご都合主義なのか、そこそこ明るい。

 

 どうも火山から発生する魔力を迷宮の素材が吸収して発光しているそうだ。理屈はLEDや蛍光灯に近いかな?

 

 そしてここでも地図アプリが機能したけども、すでに歩いた箇所以外は表示されなかった。まさにゲームのオートマッッピング機能のまんまだ。

 

 ···神様?こんなところまでゲームと同じにしなくてもいいんじゃないの?

 

 でも、なんだかゲームを実体験しているような気にはなってくるんだよね。まぁ、この世界自体がオープンワールドのゲームの世界と同じじゃん!?って言われるとその通りなんだけど。

 

 

「リオ、ダンジョンで注意しておくべき事ってある?」

 

「まぁー、ここは観光地だからそこまで気を使う事もないんだけどなー。敢えて言えばワナにかからない事と、前後から襲い掛かる敵に気を付けるって事ぐらいかなー?」

 

「なるほどねー。元の世界のゲームと同じような事を気を付けていればいいのかな?」

 

「そのゲームがどんなのかはわからないけども、おおむね同じだと思うぞー」

 

「了解!じゃあ、どんどん進んでいこう!ここは二手に分かれてるけど、どっちに行く?ボクは右だと思うけど?」

 

「えー?左じゃないかー?右からは変な気配を感じるような気がするけどなー」

 

「アトラクションなのにそう感じるんだ?じゃあ、左にしようか」

 

 

 そして左に進むボクたち。少し進んでいくと、リオが足元にあった何か(・・)を踏んづけた。

 

 ガコッ!って音がしたんだけど···、もしかしてワナにかかった?

 

 

「リオ?今踏んだのって、もしかしてワナ?」

 

「さ、さあー···?何にも起きないから気のせいじゃないかー···?」

 

 

 ···これって思いっきりフラグじゃね?そう思って周囲の状況の変化に注意する。

 

 すると、ゴゴゴゴ···!って、後方からこっちに近づいてくる音がするんだよね。···まさか!?

 

 はい!お約束のワナでした!!ダンジョンの通路いっぱいの巨大な岩が勢いよく転がってきたよ!?

 

 

「うわー!リオ!!逃げるんだよぉー!!」

 

「アキ!身体強化5倍だ!全力で走り抜けるぞー!」

 

 

 ボクたちは全速力でダンジョンを駆け抜けた!平地だからあの大岩も少しずつ速度が落ちていくはずなのに、つかず離れずついてきていたんだ!

 

 もしかして魔法か何かで追尾されてる!?

 

 そして全速力で走っているから周囲のほかのワナに気が回らず、別のワナにひっかかってしまった!

 

 ロープが足元のいやらしい高さで仕掛けられており、ボクとリオは全く気付かず引っかかって転び、そして転んだ先には···!?

 

 泥水のプールがあって、盛大に飛び込んでしまった!

 

 そして追いつかれた大岩にぺしゃんこに!···されなかった。

 

 この大岩、めっちゃ軽かったのだ···。当然ケガはなし。大岩はボクたちを踏んづけたら消滅した。

 

 ···そういうことか。映画の4D以上にリアル感半端ないんだけどケガしないように細工されてるんだわ。

 

 だからワナに引っかかるスリルを楽しめってことなんだ。

 

 これって、ここで経験してから本物のダンジョンに行ったらヤバくね?危機感的に···。

 

 

「リオ···、大丈夫?」

 

「···いやー、本物のダンジョンに入ったことがあってもあせったぞー。ビックリしたなぁー」

 

「そうなんだね。でもここってまだ1階層なんだよね?この先にもたくさんあるらしいよ?」

 

「慎重に歩いてたんだけどなー。思いっきり引っかかってしまって申し訳ないぞー···」

 

「気にしないで!ボクもあせったけど、ワナってこういうことなんだとよくわかったよ。いい勉強になったと思っておくよ」

 

「ありがとなー。ただ、いきなり服が泥んこになっちゃったなー。この先無事に戻れるかなー?」

 

「最悪転移使うし、気にしないでいいよ!ちょっと卑怯だけどね」

 

「こんなしょうもないことに転移使っちゃダメだぞー!とりあえず服乾かしたら先に進むぞー」

 

「うん!今度は慎重に進もうね」

 

 

 ···ところが、ここからさらにワナが酷くなっていってエライ目に会うとはこの時のボクたちは気づいていなかった。

 現時点ですべてのワナを踏み抜いたアキくんたちですが、この後も多くのワナにかかってドンドンやる気をなくしていきます。

 何でもそうですが、ある程度の準備と心構えが必要なんですよね。アキくんたちのように全く準備せずに入っちゃうと痛い目に遭うのは現実でも一緒ですね。


 さて次回予告ですが、ワナに引っかかって涙目になったアキくんたちはダンジョン攻略ができるのか!?

 次回は明日夜なんですが、仕事の都合で22時過ぎの投稿になりそうです···

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