表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
【完結済・第6章まで加筆修正完了】アキの異世界旅行記 ~旅先でなぜか変なフラグ立ってトラブルに巻き込まれて···ホント困ってます~  作者: ぷちきゅう
第4章 温泉湯治とダンジョン観光

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

65/341

4-5.2つの選択肢

 おはようございます。

 連休の中日、本日も2話お届けしますよ!

 ボクたちはパスさんと話し終えて冒険者ギルドを出た。

 

 謝礼金は20万ジールだった。おそらくはギルドの謝礼金以外にもパスさんからの謝礼も込みのようだね。

 

 今日はもう観光したい気分ではなくなった。とりあえず近くの喫茶店に入って心を落ち着けつつ、考えをまとめよう。

 

 ついでにここで早いけど昼食にして、今日は宿に帰ろう。

 

 

 ···本当にビックリした。

 

 パスさんが魔獣殲滅のすべて見ていた事。自身が皇国の密偵だとバラした事。

 

 そして最後はボクたちへのアドバイス、というか『警告(・・)』だろうね。

 

 まったく考えていなかったんだよ。ボクたちの力を利用しようとする組織や国に狙われる可能性なんて。

 

 でも、パスさんの言うとおりだ。いや、むしろ『密偵』という任務を行うパスさんだからこそ説得力があった。

 

 元の世界で読んだ小説や見たアニメだと、これに対応する手段は次の2つのどちらかだ。

 

 

 ・徹底的に力を隠し続け、悟られないようにする

 

 ・力を大々的に誇示して、利用しようとする思い自体を潰えさせてしまう

 

 

 ···どちらも長所短所がある。そして、ボクたちはどちらを選択するのがいいのだろう?

  

 

 まず、力を隠すのはほぼ全てに近いぐらいの作品で採用している手段だ。

 

 確かに普通の旅人として振舞って旅を続ける間はこれで問題はほぼ回避可能だ。

 

 ただし、この前のようにアクタさんの商隊が襲われているなど、やむを得ない場合に力を使用したらすぐにバレる。

 

 アクタさんには口止めしておいて、おそらくそれは守ってもらえると思うんだけど、ほかはそうじゃない人だっているはずだ。

 

 絶対にヌケが出るに決まっている。

 

 ボクたちはヒーローじゃないんだ。助ける事は義務じゃない。でも、だからと言って命の危機に瀕している状況で、助けられる力があるのに見過ごすなんてことはできないよ。

 

 

 そしてもう1つの手段を採用している作品はごくわずかだ。

 

 アニメと小説ともに1本しかボクは知らない。

 

 強大な力を持つ存在に対して、勝てる見込みがなかったらそもそも襲おうとか利用しようなんて気は起きない。

 

 でも、その手段をとってしまうと、ボクたちは『真の意味で孤立する(・・・・・・・・・)』可能性が極めて高い。

 

 近づく人はボクたちの力を利用しようとすり寄ってくるか、絶対服従のつもりで寄ってくるかだ。

 

 それ以外の人は間違いなく怯えて近寄ろうともしない。

 

 仲良くなれるのは、力を誇示する前のボクたちを知っている人に限定されてしまう。

 

 つまり、この手段は力を誇示する前にいかに味方となる人を増やすか?がポイントなんだ。


 おそらくリオは今こっちの状態だ。姿が整調者(ピースメーカー)の時とは違うので、気づかれてないだけだ。


 その事にリオ自身も気づいているから、ツーデン劇団の時にすぐに回答できたんだよ。

 

 

 もろもろ考えた結果、現状だと後者の手段は愚策だ。選択した時点でほぼ『詰み』だ。

 

 やはり、力を可能な限り隠し通しながら旅をするのがよさそうだ。

 

 旅をしていれば1か所に留まることはないから、多数の人にボクたちの力が知られることは避けられる。

 

 仮にバレたとしても、あの宿場町で聞いたウワサのように『かわいい着ぐるみが魔獣を殲滅した』なんて話、あまりにも信憑性がなさすぎて信じてもらえない可能性が高い。

 

 ウワサだから真実じゃない!とシラを切れば避けられる可能性は高いから、今のところはこちらを選択する方がいいとは思うんだ。

 

 

 ···うん、考えはまとまった。

 

 リオには申し訳ないことをしたなぁ。

 

 喫茶店に入ってから、注文以外ボクは黙り込んじゃってずっと考えていたんだ。

 

 リオはそんなボクを見守りながら、一人でお菓子やジュースを飲んでいた。

 

 ···本当に気を遣ってくれてるんだなぁ~。ありがとうね、リオ。

 

 

 さて、喫茶店での昼食を終えて宿に戻る前に観光案内所に立ち寄った。

 

 観光地となっている『シーケンスダンジョン』はここから火山に向かって徒歩30分ぐらいのところにあるそうだ。

 

 どんな場所かは行ってのお楽しみと言われたよ。···なんだか不安なんだけど?

 

 

 そして早めに宿に戻ってきた。女将さんは早く帰ってきたことにビックリしてたけど、予定を変更したと伝えておいた。

 

 

「ふぅ~、なんとか考えがまとまったよ。リオ、ありがとうね。じっくり考える時間をくれて」

 

「まぁー、あんな話を聞いた後だったからなー。オレ自身もいろいろ考えさせられたぞー」

 

「そうなんだ?じゃあまずはボクの意見を聞いてくれるかな?」

 

「おう!まぁ、聞くまでもなくアキの言うとおりにしたらいいと思うけどなー」

 

「そう言わないで聞いてね?まず、ボクたちは普段通りに過ごして、リオの拠点を出た時のように力を使わないように行動する方がいいと思うんだ。

 武器とか魔法とか結構手段は増えてはいるけど、極力戦闘を回避して、どうしようもない時に限って戦うって事にした方がいい。

 変身はもちろん今まで通り最終手段だよ」

 

「その通りだなー。下手に魔獣をなぎ倒しながらだと変なウワサがどうしても立ってしまうからなー。まぁ、魔獣レーダーがあるからその方法は問題ないぞー」

 

「ありがとう。···でも、力って使うのが難しいね。自分の思い通りにはなっても、ほかの人がそれをどう利用するか?なんてこれっぽっちも思ってなかったし」

 

「力って、ドラゴン族だとほかの種族から見ても群を抜いているから、どう扱うか?は小さい時に徹底的に仕込まれるんだよなー。今回のことはまさにその通りだったぞー」

 

「そうなんだ?じゃあ、リオは大丈夫そうだね?」

 

「いやー、逆にオレは元整調者(ピースメーカー)ってバレた瞬間にアウトだからなー。徹底的に『同名の別人(・・・・・)』を貫かないといけないからなー」

 

「そうだね。『元』でもほかの人よりも強い力持ってるからそうなるんだね」

 

「まー、こればっかは仕方ないことだぞー」

 

 

 う~ん、こういった相談はリオだけしかできないのも問題かな?誰かほかの人にアドバイスは···。

 

 そうだ!電話アプリがあったよ!カーネさんとアイリさんに相談してみよう!いいアドバイスをくれるかな?

 どの世界でも人の欲というものは恐ろしい時があります。

 特に『力』に関しては権力者が欲するのは避けられません。

 どの作品でも、本作と同じように『力を隠す』方向に進むのは定石でしょう。

 知られなければ欲されること自体ないわけなんですしね。

 しかし、今の情報化社会ではないにせよ、何らかの理由で力を行使した場合は必ずどこかから情報が漏れてしまうため、結局は追いかけられる事態になってしまいかねないのです。


 じゃあ、逆は?という事なんですが、こちらは非常に危険なんですよね~。

 本作中でアキくんが述べたように、作者が知る限りこの手法を取ったのはたった2作品、しかも成功したのは1作品だけです。

 この作品を読んだ時は鳥肌立ちましたよ···。どの作品かはネタバレ集で公開します。

 もちろん、最初からチート級の強さだったってのは除外ですよ。途中から強大な力を得てしまい、どのように対策するか?って事ですからね。


 今回は作者なりに今まで読んだ作品から感じた感想を、アキくんに話してもらいました。

 いや~、自分の考えをこうしてお話にして表明するってのも面白いですね!

 ある意味実験させていただいてます。アキくん、リオくん、ご協力ありがとう!


 さて次回予告ですが、悩んだ時は信頼できる人に相談だ!ということでカーネさんとアイリさんに連絡するんですが、もうちょっとお悩み相談できる方法ってないかな?とアキくんが思ったら、なんと新しいアプリが勝手にインストールされてました!

 さて、新しいアプリとはいったい何なのか!?

 本日の21時過ぎに投稿しますので、お楽しみに~。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ