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【完結済・第6章まで加筆修正完了】アキの異世界旅行記 ~旅先でなぜか変なフラグ立ってトラブルに巻き込まれて···ホント困ってます~  作者: ぷちきゅう
第2章 アンペル学園短期留学編

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2-8.趣味はガーデニングです

 学園に通っている間はリオの治療は行えなかった。

 

 講義で1日中魔力剣を実際に扱っているから、帰る時には枯渇に近い状態だったんだよ。

 

 リオに謝ったけど、

 

 

「おう!気にすんなよー。こっちも急いで治療を行わないといけないんじゃないからなー」

 

 

 って言ってくれた。休みの日はみっちりと治療に付き合ってあげるからね。

 

 治療を行えない間はアイリさんと治療方法について打ち合わせだ。そもそも現実世界からリオの魂の器まで修繕資材と道具を搬入しないといけない。

 

 そしてボクが物理的(・・・)に修繕しないといけないんだよね。そもそも時間って10分ぐらいが限界だからこまめにやるとしても日数がかかりすぎるんだよなぁ~。

 

 プレハブ工法を思いついて提案したものの、それだとリオの魂自身総替えになるから別人になっちゃうんだって。まぁ、パーツ全交換だから当然か。

 

 とりあえず現状思いつく案を色々出したけど、実際にやってみないとわからない!って事で、次回は資機材搬入と、どこまでできるか?という現地調査になった。

 

 スマホのカメラ機能が役立ちそうだよ!

 

 

  グロー歴504年9月15日 曇

 

 さて、学園の休日の午前に治療第2回目を行うことになった。前回の治療で痛くもなかったリオは、今日はおとなしく拘束具をつけられて手術台の上に寝ている。

 

 手術台の横にはガーデニング用の資機材一式が揃っていた。···なんだろう?この違和感は?

 

 

「では、始めますわよ?アキさんも準備はよろしくて?」

 

「はい!始めましょう!」

 

 

 そして治療は始まった。今度はすんなりとリオの魂の器に入り込めた。今回は資機材搬入もあったので、ボクは片手をガーデニング資機材に、もう片手をリオの頭にあてていた。

 

 

 ···よし!入り込めたぞ。ボクの横にはガーデニング用の資機材もちゃんと来ていた。

 

 時間がない!まずは現地調査だ。スマホのカメラ機能を使用していろんな角度から写真を撮影し、最後にビデオモードにしてぐるっと1周撮影する。大きさは直径3mくらいかな?

 

 これだけで3分は過ぎた。次は池の底面のひび割れの補修だ。水が残っていない部分から先に事前に準備しておいた石膏を流し込んでならしていく。

 

 次来た時には乾いて固まってるだろうから、次回は水を補修後の部分に流し込むよう簡易な堰を作って、その次の回には乾いている補修個所に石膏を流し込む。

 

 これの繰り返しだ。今日は慣れてなかったからほとんど作業はできなかったけど、やり方はつかんだ。あとは現実世界で実践して慣れていけば、少ない回数で補修は終わりそうだね。

 

 よし!今日からは趣味にガーデニングを追加するぞー!

 

 

   グロー歴504年9月22日 晴れ 

 

 そして次の学園の休日、リオの3回目の治療だ。

 

 意外なことに、石膏塗りは上達した。ひび割れた隙間に流し込んでならすだけだと、身体強化を使って素早さを上げたら意外と短時間でできた。

 

 今日は前回の補修個所に水が流れるよう簡易な堰を作り、水の溜まっている個所はゴムベラっぽい道具で追い出してやる。余った時間に池の縁のひび割れを補修して終了した。

 

 

 4回目はひび割れした残りの池の底面を一気に補修していく。これで池の底面の補修は完了だ。

 

 5回目は設置していた堰を取っ払って池の補修は完了した。これで魔力保有量は元に戻ったんじゃないかな?

 

 現実世界に戻ってリオに聞いたら、魔力の回復量はまだだけど、魔力を使ってなかったからだいぶ溜まってきてそこそこの魔法は使えるようになってたよ!

 

 頑張って補修した甲斐があって良かったよ!

 

 残るは竜の彫像なんだけど···、彫刻ってやったことないからわかんないんだよね。石膏塗るだけじゃダメだよね?やっぱりカッコイイ彫像じゃないとね!さて、どうしようか?

 

 そこで思いついたのが、石膏で表面をうすく塗った後にボクの魔力でイメージして補修するっていう方法だ。

 

 実際に現実空間でリオをモデルにして粘土でやってみると、芸術家ってほどではないけどそこそこ上手だ!ってぐらいの仕上がりになった。

 

 ···ちょっとマスコットぬいぐるみっぽくなってるけど、誤差の範囲かな?リオも、まぁ納得してくれてるから大丈夫って事で!



  グロー歴504年10月5日 晴 

 

 そして、彫像を修繕する時がやってきた。緊張するけど、リオをモデルとした練習はうまいこと言ったんだ!と自分に言い聞かせて挑むことにした。

 

 石膏を塗り、隙間に入れ込んでから魔力を使って最後の仕上げを行っていく。残り時間が結構厳しい···。特に翼の部分が難しいんだよ。薄いからね。

 

 なんとか時間内に作業は完了した!···んだけど、少し荒っぽかったせいか、以前のカッコイイ竜の彫像は若干、若干(・・)だよ!かわいくなった(・・・・・・・)ような気がする。

 

 これでいいのだろうか?そう思っていたら彫像が急に光りだしてきた!まぶしくて目をしばらくつむり、収まって目を開けると、彫像の口からはそれなりに力強く水が流れ出していた。

 

 良かった···。これで治療は完了かな?そう思った次の瞬間にボクは現実世界に戻っていた。

 

 

 現実世界に戻ってみると、そこには小さなしっぽが生えていて、背中にはきれいで小さな純白な翼があり、短い銀髪に小さな角が生えているやんちゃそうな見慣れない少年がいた。

 

 

「おっ?アキ、起きたかー?」

 

「え~っと?どちら様?」

 

「何言ってんだよー!オレだよ!オレー!」

 

「そんな詐欺みたいな事言ってないでさ。って、その口調は···、リオ!?」

 

「おうよ!アキのおかげで人型になることができたぞー!って、まだ魔力が足りないのか子供の姿だけどなー」

 

「へぇー。リオの人型ってこんな姿なんだね。ほとんど人と変わらない姿なんだね」

 

「まあなー。どうだー?オレのかっこいい姿はー?」

 

「うん!リオの雰囲気そのままでかっこいいよ!」

 

「アキ、本当にありがとなー。アキのお陰でここまで治ったぞー」

 

「ううん。こちらこそ、リオに魔法を教えてもらった恩を返すことができてよかったよ。これからもよろしくね!」

 

「おう!これまで以上に楽しい旅にしようなー!」

 

 

 良かった、本当に良かったよ!大魔王を倒すという偉業を成し遂げたのに、魔法がほぼ使えないという、リオに重い障害が残っちゃうなんてつらいだけだったんだもん。

 

 これでできることが大幅に増えたような気がするね!ボクも魔力剣の取り扱い方法に慣れてきたし、ここから先の旅はもっと楽しくなりそうだよ!

 

 

 ···って、この時は思ったんだよね。さらにひどいトラブルに巻き込まれるなんて考えもしなかったんだよ。

 リオくんが復活しました!

 ···ですが、若干元通りではなかったようですね。どうやら少年の姿に若返ってしまったようです。

 理由は次回で判明しますので、ちょっとだけお待ちくださいね。


 さて次回予告ですが、2-3で出てきたリンさんにアキの世界について話をしに行くのですが、そこでとんでもない事実が発覚します!


 明日は土曜日なので、朝の出社前と帰宅後の2回投稿します。

 寒い日が続いてますので、こたつでごろごろにゃーちゃんしながらお楽しみ下さい!

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