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【完結済・第6章まで加筆修正完了】アキの異世界旅行記 ~旅先でなぜか変なフラグ立ってトラブルに巻き込まれて···ホント困ってます~  作者: ぷちきゅう
第2章 アンペル学園短期留学編

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2-7.魔力剣について考えてみよう

   グロー歴504年9月10日 雨 

 

 リオの治療実験で実際に魂の器に入ることができてしまったという結果が出た翌日、ボクはまず学園へ行き、武術の講義を受けた。

 

 

 今日は実技だ。まずは自分に合った武器を選ぶか持参した武器を用いて、それぞれの武器にはどういった長所や短所があるのか?を教えてもらうんだけど、ボクの場合はちょっと特殊でアピアさんからツッコミが入った。

 

 

「え~っと、アキくん?その棒切れみたいなものが武器なのかな?」

 

「はい。ちょっとした知り合い(・・・・・・・・・・)からいただきまして、魔力を込めたら···、こんな風に光る剣が出てくるんですよ。

 

 たまに使っているんですけど、いまいち使い方がわからないんですよね」

 

「それはそうでしょうね。私も初めて見たわ、こんな武器。そうね~、一般的な剣と同じとして考えて教えたほうがいいかなぁ?」

 

「それで大丈夫だと思いますよ。よろしくお願いしますね」

 

 

 そりゃそうだ。この武器、リンさんによれば神器らしいから誰も見たことないよね。

 

 取説もないもんだからいまいち扱いがよくわからないんだよね。わかっているのは魔力を込めたら光る剣が出てくるってだけ。

 

 他にも機能があったりするのかな?それは置いといて、まずは基礎として剣について学ぶことにした。

 

 

「では基本的なことだけど、剣というのは刃物なのよね。刃がなくても鉄の塊だから鈍器にもなるの。

 

 刃の長さによって大剣からナイフまであるけれど、大まかにいえば大きくなるほど威力は大きいけど素早くできないし、小さいほど威力は小さいけど素早くできるの。

 

 ということは、自分がどういう長所があって短所があるかわかってないと武器選びができないのよね!力があれば大剣を扱えるし、小柄で素早いならナイフが相性いいの。そして逆にすれば相性は最悪。

 

 ここまでは分かったかしら?」

 

「はい!わかりやすかったです」

 

「じゃあ、次ね。攻撃手段としての剣だけど、相手にあてないと意味がないって事は言うまでもないわね?じゃあ、どうやってあてるのか?って話。

 

 まずは『間合い』ね!自分の攻撃範囲をまずは把握するのよ。相手に届く距離は、動いてない場合は自分の腕の長さと剣の長さを足したものになるわ。ただ、実際は動いてるから足運びや相手の移動速度の相対的な位置関係も含まれてくるわ。

 

 だから相手がどう動いて、自分がどう動けばあたるか?なんだけど、これはもはや経験としか言えない部分がほとんどね。

 

 魔獣なら攻撃方法は少ないけど、人となれば達人だと相手に自分の動きを錯覚させたりする技があったりするから、対応は至難の業ね」

 

 

 なるほど~。確かに武器を持っている以上、当てなきゃ意味がない。けれどもどうやってあてるか?ってのは考えたことなかったなぁ~。

 

 なんでもそうだけど、まずは知ること!これが最初だ。ただ、知ってるのとやれるは全くの別次元の話だ。

 

 そして、ただ単に知っているのと『どういった意味があるのか、という本質を理解して』知っているのとではこれもまた別次元の話だ。

 

 そこまで到達したうえでやれたら、それこそが達人であり、プロなんだよね。武術なら(ことわり)かな?なかなかそこまで行ける人は極わずかだけど。

 

 

 さて、ここまでの技術論を聞いたうえで、果たしてボクのこの魔力剣はどのような特性を持ってるのだろうか?

 

 まずはそこから突き詰めていって、どこまでできて何ができないか?避けるべきか?これを実技の中で考えてみよう。

 

 

「じゃあ、まずはアキくんの武器の特性から調べてみようか!まず、その剣って重さはどれくらいなの?」

 

「ただの棒切れと変わらないですよ」

 

「ふむふむ、じゃあ、長さはどれくらいかな?」

 

「こんな感じですかね?」

 

 

 実際に魔力剣を出してみる。長さは大体1mぐらいかな?軽いから扱いやすいのがありがたいよ。その後、アピアさんの問いに対して返答する形でこの剣の特性を調べていった。

 

 その結果、以下の事がわかったよ。

 

 ・長さは通常約1mで、アキのイメージ次第で長さは自由自在だが、長さは魔力消費量に比例する

  (13kmもいけそうかな~?あっという間に魔力枯渇しちゃいそうだけどね)

 

 ・切れ味はアキのイメージで自由自在だが、切れ味と魔力消費量は比例する

  (全く切れない光を当てるだけにしたり、切れない鈍器としたり、金属製の盾すらスパっと切れたりもできたよ)

 

 ・魔力剣を展開したら常時光っている

  (今まで夜間の歩行時に使ってたからうすうす気づいていたんだけど、暗闇からの奇襲はまずムリダナ!)

 

 

「う~ん…、これは非常にクセの強い武器ねぇ~。アキくんの理想するイメージ通りで使えるんだけど、この剣はどの剣術にも合わないわね」

 

「えっ?そうなんですか?」

 

「ええ。例えばよく切れる状態で敵と(つば)迫り合いになったとしましょうか?ただの剣なら力比べで押したり引いたりできるけど、この剣だと相手の剣そのものをバターのように切っちゃうから、剣を防御に使えないし、逆に切れた剣の先っぽがアキくんに飛んできちゃうわね」

 

「あっ!そういうことかぁ」

 

「それに、アキくんのイメージ通りの武器って事は『イメージできなかったらそもそも武器として使用できない』って事。

 

 しかもこの剣って私だと使えなかったのよね。ということはアキくん以外使える人がいないって事。乱戦に持ち込まれた場合に相手に自分の武器を使わせることができない利点もあるけど、味方も扱うことができないって欠点もあるわね」

 

「なるほど~。となると、相手を攻撃する用の武器ではなくて自分を護るための武器と考えた方がよさそうですね」

 

「その考えで間違いなさそうね。そういう意味では旅の護身用としては最適かな?ポケットに入るコンパクトさや軽量、そして状況に応じて特性を変化できる柔軟性。どれも通常の武器とは一線を画しているわね。

 

 となると、これはもうアキくん自身が自分の流派を一から作っていく感じになるわね!これからその剣を実際に使ってみんなと試合していきましょうか?もちろん、切れ味なしでお願いするわよ?」

 

「はい!実践あるのみ!ですね!よろしくお願いします」

 

 

 そのあとはひたすら実戦だった。とりあえずは鈍器モード、長さは通常の1mでみんなとひたすらやりあった。···素人のボクはボコボコにされたけどね。

 

 そして講義が終わった時には魔力量が残り3割まで減っていた。リオには悪いけど、今日の治療は辞退させてもらおう。

 今日は魔力剣のお話でした。

 形状ですが、実は剣以外にも様々な形にもできちゃうんですよ。それなりに魔力は消費しちゃうんですけどね。それが登場するのはもう少し後になります。


 さて次回予告ですが、ついに石材屋さんから資材が納品されてアキのガーデニング(リオの魂の器の治療)が始まります。

 素人がやって本当に大丈夫なのか?その結果が明らかになりますよ!

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