エピローグ そして発展が始まった!
「これで、オレの力はすべて使い果たした。もう他の世界からの干渉はないだろうね。永久じゃないけど、それでもしばらくは平和な日々が続く···、といいんだけどなぁ~」
「まぁ、異世界からの襲撃でみんな種族を超えて一致団結してましたからね。それがなくなったら、また争いをしちゃうんでしょうね」
「だろうね〜。まぁ、それも世界の発展に必要なのかもしれないけど、元日本人としては辛いものだよ」
「ボクも同じですよ。まぁ、それはボクたちじゃなくて、子どもたちの世代がしっかりやってくれるでしょうね」
「そうだね。さて、最後の務めを果たしたし、そろそろオレの生活に戻るよ。そうそう!神の力はなくなったけど、神器とかはそのまま使えるから安心してね!もちろん、アキくんの能力もね!」
「ありがとうございました。また会いに来て下さいね!」
「そうだね!またラーメンごちそうするよ!」
「いいですね!楽しみにしてますね!」
こうして、ムーオたちを元の世界に送還し、ボクたちの戦いは終わったんだ。全員生きて帰れたのはありがたかったね!···何かエレさんに言い忘れてたことがあったような気がするけど?
さあ!アクロに帰ろう!今日はうちで祝勝会をやるよ!総勢19人って、ちょっと多すぎるけど、なんとかリビングに入り切るかな?ってぐらいだけどね!バーベキューと鍋をやるよ〜!
変身して、全員を一旦アクロの家に連れて行き、その後にカイジの町で待機してたルイくんを迎えに行ってからうちに連れてきたんだ。
キッチンでは子どもたちが食材を切り分けてる間に、他の人はうちとリオの家の温泉で疲れを癒やしてもらっていた。男性陣がリオの家、女性陣はうちだ。
ルイくんを連れてきて、ボクも仕込みを手伝ったよ。すると、コルくんも手伝ってくれた。一番疲れてるのにね。
そしてちょっと寒いけど、外でバーベキューをしつつ、家の中では鍋が煮えていた。
司会はボクがやることになっちゃったよ!
「皆さん!無事にムーオを元の世界ヘ送り返せました!今日は大したもてなしじゃないですが、この勝利を祝いましょう!かんぱーい!!」
「「「「かんぱーい!!」」」」
まさに勝利の美酒だったね!今日はボクの世界のお酒も大放出しちゃったよ!みんなウイスキーがお気に入りになっちゃって、カーネさんはボクに作り方を聞いてきたんだけど···。知らないんです。ごめんなさい!
「そういえば、皆さんはこれからどうされるんです?」
「私は王国軍に帰りますよ。まぁ、しばらくしたら退役してのんびりしてから今後を考えようかと思いますよ」
「エイルはそうするのだな?オレは、ちょっとアキの学園で学んでみようか?と考えていてな!アキ、少しだけ世話になるぞ!」
「いいですよ、イピムさん」
「あたしは妖精の村に帰るよ。そろそろ町長の座を奪わないと、まーたイタズラが酷くなるからね!」
「もうコリゴリですから。次は歓迎してくださいよ?」
「ああ!そうしとくれ!」
「僕は約束通り、リナと結婚したら世界中を周るよ!いいよね!?リナ!」
「もちろんよ!もうずっと離さないわよ~!」
「···俺は、どうしようかまだ決まってないんだよな」
「···じゃあ、ナツを手伝って」
「何する気なんだよ?」
「···美味しい料理を出す飲食店をやってみる。王都で」
「は?そんな事を考えてたのか?」
「···うん。しばらくは冒険者やって稼いで楽しんだら。···それまでお留守番」
「ひでえ!···ま、俺もやることないし、いいぞ。準備だけしといてやるよ」
みんなの進路は決まってるようだね。ヨウくんはちょっと酷い内容だけど、ナツと一緒になるという選択をしたようだね。
そして、時は流れて···。
グロー歴525年7月1日 晴れ
あれから10年が経った。
子どもたちは全員結婚して子どもが産まれた。ボクは20代でおじいちゃんになってしまったんだよ。
まずは近況だね!ボクはアンペル学園で講師を続けつつ、今はさらにピムエム皇国の技術顧問もやっていて、魔道具の開発や元の世界の科学についても指導しているんだ。
おかげで、技術の発展は飛躍的だった。ちょっと一般市民がついてきてないような気もするけどね。
実はリオもアンペル学園で魔法の講師をすることになったんだよ。教え方が上手だから人気が高いんだ。
ただ、事務的な作業はボクを頼ってくるから、仕事量が大幅に増えてしまったよ···。あぁ~、デスクトップPCが欲しいよ~!スマホじゃ限界なんだよ~!
ハルとナナは、コンビで今も残っている凶悪な魔獣退治に奔走しているんだ。高速飛行ができるから、日帰りクエストの半径が3000kmってな範囲になってるけどね···。遠方から依頼がたくさん来て、ボクの収入よりケタが違ってるんだよ···。
フユはユキちゃんと結婚したけど、婿じゃなくてうちに入ってもらって、フユがリム流の顧問となって、ユキちゃんと一緒に道場生をしっかりと教え込んでいるんだ。
ボクのゲームの剣術も教えてるので、剣と槍を教えてるんだ。
おかげでさらに人気が高まってるようだね。たまに帰省すると疲れ切ってるよ!
ちなみにお子さんは男の子で1人。もちろん神狼族だったよ。共有は『体力の共有』で、大量の道場生全員と共有して無限に近い体力を有してる、わんぱく小僧だよ!
ナツとヨウくんは、いがみ合いながらも王都で飲食店を開いて、これも大盛況だったよ!
ボクたちも食べに行ったけど、おいしかったよ。
ただ、とんでもない行列が出来ていて、開店前に並ばないとすぐに品切れになっちゃうぐらいになったので、今は予約制かつ時間制限付きというスタイルだ。
ただ、これはオモテの顔で、実はお客さんから情報を収集して、夜に悪党をしばき倒してるんだよ。
···それって某都会のハンターじゃね?もしかしてボクのマンガに影響された?
ちなみにお子さんは神狼族の女の子で1人。この子の共有は『状態の共有』で、ナツかヨウくんがステルスモードになると、この子もステルス状態になれるんだ。
だから、幼いにも関わらず、親子で悪党をしばき倒してるようだよ。この子もとんでもないね···。
リナはコルくんと一緒に世界中を回ってるよ。主に街道を通って、魔獣に襲われてる商隊を発見したら、即殲滅!ってやってるようだね。
ちなみにお子さんはなんと7人で、子だくさんだ!やっぱり魔法系が得意な子が多いね。家はアクロなので、よくお子さんがリオの家に来てリオが遊ばれてるよ。
ケンはミルちゃんと結婚して、今は青竜の里で暮らしてるんだ。
あんまりいい印象ないんだけど、ケンが『性根を叩き直したらいいんじゃない?』って言って、乗り込んで大暴れしたんだって。
そして高速飛行をほぼ全員に仕込んで、超高速物流網を構築しちゃったんだよ···。
ボクの世界の物流を見ちゃった影響だろうなぁ~。
もちろん、ミルちゃんも一緒にいて、ケンにべったりのようだよ。
こっちは3人お子さんが産まれて、青竜の女の子と、金竜の男の子と女の子の双子だったよ。
もちろん、お子さんにも高速飛行を仕込んで、浮遊大陸に自力で行けるようになっちゃったんだよ。
行動半径が非常に広いので、迷子になった時はリオ一家全員出動して捜索したなぁ~。
ピムエム皇国では、もうすぐしたらサキちゃんが皇帝を継ぐ予定だ。
サキちゃんの方針は『交通網の構築』だった。
ケンたち青竜と提携して、世界規模の物流網を構築し、巨大物流倉庫を建造し、街道横に鉄道を敷設していき、ヒトとモノの行き交いがしやすくする事で、一気に国力を上げてボルタニア大陸の半分近い勢力にまで押し上げる野望があるんだよ。政策の進め方もパワフルだろうね~。すでに事前調査が始まってるし、ボクが技術顧問として皇国の技術開発部にたまに出張してるんだ。
これもボクの世界の技術と知識を流用したからなんだよね···。
世界は魔獣の脅威が徐々に少なくなり、発展スピードが急速になってきた。
これは、ボクが亡くなる頃にはすごいことになってるかもね!
ここで紹介したお話は番外編で詳細をご紹介する予定です。子どもたちで意外だったのはナツちゃんとヨウくんペアかな?ちなみに番外編で子どもたちのその後を書いてますが、ナツちゃん編がすでに24話も書いてしまい、ほかのペアよりも群を抜いてしまっています(笑)!なぜか一番ノリノリで書きやすいんですよ。
一番大変なのはリナちゃんとコルくんペアですね。7人もお子さんがいるので設定が大変だし、わちゃわちゃし過ぎて···。ちょっと仲良すぎじゃね?ってぐらいに子だくさんになって大変ですよ(笑)!
さあ、本作最後の次回予告です!
序章第3話冒頭の年老いたアキくんが登場します。ここまでのお話の日記を読み終わり、老衰により寿命を迎えます。
アキくんはエーレタニアにやってきて、世界の発展に大いに貢献しました。その最期、アキくんは自分の人生を振り返り、どのような感想を述べるのでしょうか?
明日で本作は完結します。そのため、最終話を朝に投稿し、昼にネタバレ集、夜に設定資料集を投稿します。設定資料集の投稿をもって、本作は『完結済』とさせていただきます。
それでは明日の投稿をお楽しみに~!




