18-6.壮行会と最終出撃!
本日2話目の投稿です。朝に1話投稿してますので、先にそちらを読んでくださいね~!
「それでは、我々の勝利を祈願して、かんぱーい!」
ボクの掛け声で壮行会は始まった。って言っても、みんな一緒に話をしながら夕食を食べるんだけどね。
まぁ、予想通りリナはコルくんにべったりだった。コルくんも喜んでるし、アツアツだなぁ〜。
ナツはヨウくんに絡まれていた。···どうもナツが言ったウソを信じて騙されちゃったようだね。
さて、ボクはどうしようかな?とりあえず適当に回ってみるとするか!
まずはカーネさんかな?
「カーネさん。今回は大変な役割をお願いしてしまいましたね」
「いや、気にするなよ?前回は大変な目にあったと聞いてるのでね。向こうもすべての手を出したわけではないだろうが、ある程度の情報があるので、まだ相手しやすいと思うぞ」
「そう言っていただけるとありがたいです。ボクたちも可能な限りすぐに後を追いますからね」
「そう気張らなくてもいいぞ?むしろゆっくりと来てもらった方がいいかもしれん。多数を相手にするのが得意そうなのでな。であれば、少数で相手した方が有利かもしれないぞ?」
「あぁ〜、そうかもしれないですね。わかりました。何かあればすぐに連絡下さいね!」
次はオルさんとネータさんかな?
「オルさん、ネータさん。今回もよろしくお願いしますね」
「おう!任せとけって!アキも頑張りすぎるなよ?」
「今回は長期戦になるからね〜。みんなはどちらかと言えば短期決戦しかできないから、かなり厳しいわよ〜」
「そうなんですよね。魔力はなんとかなりそうだけど、体力のほうが厳しいでしょうからね」
「今までとは勝手が違うだろうからな。子どもたちは戸惑いそうだから、アキとリオで的確にアドバイスしてやってくれな!」
「はい。そうさせていただきますね!」
最後はアイリさんだね。
「アイリさん。今回は手強い相手をしていただくことになりましたけど、よろしくお願いしますね」
「ええ。お任せくださいな。アキさんたちの方が大変だと思いますからね。大氷原上だと広域殲滅が有効ですが、その先はダンジョンでしょうから、子どもたちの得意戦術は通用しませんわ。
長丁場になりそうですから、子どもたちが突っ込みすぎないよう気をつけてあげて下さいね」
「アイリさんから見て今回はどうです?」
「話を聞く限りリアという幹部は私が対処するほうが良さそうですわね。アドという幹部は兄さんがいいでしょう。どちらも以前のムーオとほぼ同等と考えておいたほうが良さそうですわ。かなりの苦戦を強いられるでしょうね」
「そうですか···。できる限り万全の体制で臨めるようにしますね」
「私たちは慣れていますが、慣れてないのはアキさんですわ。逆にこちらの事は気にせずに、ムリだと思ったらすぐに頼って下さいね」
こうして和やかに···、一部荒れてたけど壮行会が終わって、みんなそれぞれの客間でゆっくりくつろいで明日に備えたんだ。おやすみなさーい!
グロー歴515年11月9日 曇
ついに決戦の日となった。ここから高速飛行で約3時間でシャーベットランドに到着できるんだ。途中休憩はなしだよ。
「それでは、行くぞ!」
「「「「おう!」」」」
みんな背に乗って離陸した。
もう11月だから北へ行くと雪化粧していた。寒そうだと思うでしょ?ボクたちはエアコン魔法があって共有しているからちょっと厚着程度で済ませている。
カーネさんたちも新世代組も、どうやら風魔法で防寒対策してるみたいだ。ヨウくんもこれは使えるようだね。そりゃそうか。ブートの里ってず〜っと雪が積もってるからね。
そうして進むこと3時間。ついに目の前にはシャーベットランドが見えてきた。
見えてきたんだけど···、なんじゃあこりゃ!?
とんでもない数の魔獣と、周囲の空気が黒魔力に覆われて薄暗くなってるんだよ!
龍脈がかなり地表に近くまで来てるから、魔獣を呼び出す魔道具がフル稼働してるんだろうなぁ〜。これは先日の王都襲撃よりも数が多いよ···。これは着陸ができないなぁ〜。
さて、どうしようかな?と思っていたら、ケンからとんでもない提案があった!
「アキパパ!ぼくが超音速飛行して衝撃波でふっ飛ばしてみるよ!このまままっすぐが目的地かな?」
「そうだけど魔力と体力は大丈夫?」
「うん!大丈夫!いいかな?」
「ちょっと待ってね。エイルさん、カーネさん!ケンが大規模な衝撃波で敵を吹き飛ばします!いいですか!?」
『いいですよ!』
『無理でなければいいぞ!先制攻撃をぶちかませ!』
「ケン!OKだよ!派手にやっちゃって!」
「ありがとう!じゃあ、いっくぞーー!!」
ボクは初めて見るんだけど、ケンはドラゴンキャノンを撃つ応用でジェットエンジン魔法に超圧縮した魔力を一気に込めた!
次の瞬間!ケンの姿が消え、とんでもない衝撃波がボクたちまで襲った!
「うわっ!?これがソニックブーム!?初めて見たけどすごい!」
ボクもビックリしたけど、ミルちゃん以外のみんなは呆然としていた。いや、話は聞いてたんだけどね?まさかここまでとは思ってなかったんだよ。街中で試すわけにはいかないからね。
眼下の魔獣たちも一直線に吹き飛ばされていたよ。なんかモーゼの十戒っぽく、ケンが飛んだ箇所だけ魔獣がいない状態になっちゃったね。
まぁ、これでいっか!このまま魔獣のいない場所を一気に飛行して通り抜けた。あとはラストダンジョンかな?
ラストダンジョンの前に到着した。ケンが吹き飛ばしてくれたおかげで魔獣はほとんどいなかったんだけど、ダンジョンから出てきてるんだよ。これはボクたちで相手しないといけないね!
着陸する時にはケンは戻ってきていた。すぐにミルちゃんの魔石で全員の魔力を回復しておいた。
···ここからが本番だ!
「みんな!ここからは全力で突破するよ!まずはボクのシールドバッシュで突破する!大規模魔法はここから先はダメだからね!じゃあ、リオ!よろしくね!」
「おう!気合い入れていくぞー!せーの!」
「「インテグレーション!!」」
ボクが先に変身して先陣を切るんだ!子どもたちでは継戦時間が短いから、最初はボクが切り拓くよ!この技もコレクタの女王アリを退治する時以来だなぁ〜。
まずはダンジョンの構造を把握するために地震波を放つ!サーチ用の魔法を右手にこめて、地面に叩き込むぞ!この魔法も久しぶりだね!
「ボクのこぶしが光ってうなる!敵を探し出せ!と輝き叫ぶぅ!ひっさーーつ!クエイクパーンチ!!」
ドズーーン!!って大きな音がした後に魔獣レーダーを3Dで展開して内部構造を把握する。
どうも1本道っぽいね。結構距離はあるけど、至る所に魔獣がひしめいてる場所、いわゆる『モンスターハウス』があるようだね。ここはボクたちで攻略で問題なさそうだ。
···なんだか最近のRPGのダンジョンっぽいなぁ~。グラフィックだけキレイなんだけど、ただそれだけで1本道なんだよなぁ~。ここはタダの岩だらけだけどね。
話がそれちゃったけど、これは場合によっては非常に危うい。1本道って事はバックアタックを受けたら逃げ道がないって事だ。現時点で後ろはケンが吹き飛ばしていて当分は襲ってこないけど、しばらくすると魔獣たちが集結しそうだ。
あんまりゆっくりとしてるとこちらが不利って事だね。
よし!大体わかったぞ!それじゃあ、行きますか!
『「いっけぇーーー!!」』
ボクは全力でバリアを展開して奥に突っ込んでいった!
ケンくんが考案した超音速飛行がここで役立ちました!ただ飛ぶのではなくて、ソニックブームで魔獣を吹き飛ばして道を強引に作り上げました。
そしてラストダンジョンは1本道。アキくんが言ってる通り、最近のRPGのダンジョンは凝ったギミックがあんまりなくて1本道が多いんですよね~。昔のロン〇ルキアへの洞窟なんて、今の人じゃ厳しすぎるでしょうけど(笑)。
さて次回予告ですが、アキくんを先頭にラストダンジョンへ強行突入していきます!数々のモンスターハウスがある中、外からも魔獣が入り始め、挟み撃ちにされかけてしまいます。その時にアキくんが下した決断とは!?
明日も朝と夜に1話ずつ投稿しますので、お楽しみに~!




