2-2.カイジの町を散策
本日も2話投稿しますよ!
こちらは今日1回目の投稿です。
グロー歴504年9月8日 晴れ
翌朝、日の出とともに起きた。なんのトラブルに巻き込まれることもなく朝を迎えられるって気持ちいいなぁ~。
って、今までがトラブル続きなんだけどね。今回は領主邸に泊まらせてもらってるし、カーネさんとアイリさんというリオの元パーティーメンバーがいるから大丈夫でしょ!?って、これもフラグにならないよね?最近思考がマイナス方向に行きがちなんだけど···。
「リオ、おはよう」
「ん~?もう朝かー?ちょっと早くないかー?」
「もう、時間は限られてるんだよ?今日は町の中を探索するんだし早く起きて支度しなよ?」
「ん~、わかったよー。ちょっと待ってろー」
寝ぼけ眼で飛んでいくリオ。···あっ、扉に頭ぶつけた。まだ寝ぼけてるなぁ~。でもこれで起きたでしょ?
さて、朝食の時間だ。カーネさんとアイリさんと一緒にいただいた。カーネさんは今日も魔獣退治にでかけるみたいだね。
この2人、実はれっきとした領主なのだ。警備・軍事などをカーネさんが、内政・外交をアイリさんが担当しているそうだ。確かに向いてるよね?
朝食を終えて、ボクとリオは町中を散策することにした。カイジの町はアーマチュア街に比べれば狭くてコンパクトにまとまっている。
主な産業はなく、学術都市として有名なのだそうだ。
ちなみに大魔王復活の原因を作った研究所はこの町じゃないんだって。あちらは秘密組織だったらしいので、場所は公開されておらず、リオですら場所は知らないそうだ。···これって真実なのかな?知らない方がいいかもしれない。
やはり学術都市なだけあって、専門書を扱う本屋がかなりあった。
あとは値段の安い定食屋!どちらも大学近辺にたくさんあるよね?卒業した大学にも、激安な学食に対抗意識燃やして、それに近い金額でおいしい料理を出す定食屋さんがあったなぁ~。今もあるのかな?もう行けないけど。
とりあえず、今回は武術メインで学園にお世話になるから、専門書は大丈夫かな?ボクには創作魔法があるから、必要に迫られたら創っちゃえばいいしね。
あっ!そうか!武術の専門書!そんなのがあれば購入するのもアリだね!とにかく、入園してから必要なものがあればここらあたりのお店で探せばいいか!
あとは冒険者ギルドにも寄っておこう。道中の飯代もかかって残高は10000ジールを下回ってしまったので、もし時間に余裕があってできそうな仕事があったら、出発前に稼げるだけ稼いでおきたいね!
というわけで冒険者ギルドにやってきたんだけど···、あんまり人がいない。日中だからかな?依頼掲示板を見てみると、街中での軽作業ばかりあって、よくある討伐クエストは一切なかった。
う~ん、この町ではあんまり仕事がないのかな?ちょっと聞いてみるか!
「すいませーん!昨日この町にやってきたんですけど、あんまり依頼がないですよね?」
「あら、こんにちは、お嬢さん!そうですねー。この町では領主様が魔獣討伐をすべてやっていただけてしまうので、討伐系はまず出ないですねぇ~」
「あー、なるほど。そういう事でしたか」
「それと、一般の依頼も町が小さいのと、住人はほぼ学生なので寮住まいなんですよね。寮の管理はすべて学園が行うのが前提ですので、こちらにまわってくることが少ないんですよ」
「この町ならではの仕組みのせいなんですね」
「あなたも学園に入るの?申し訳ないけど冒険者ギルドで稼ぎながら学ぶのはムリだという事で、お仕事は学園内の掲示板で探してね~」
「はい!ありがとうございました!」
なるほどなるほど~。たいていのことは学園内で片付けちゃうんだね。となると、学園内で授業がない時間に学園内限定のお手伝いで稼ぐってのが効率的っぽいね!いい情報を得られたぞー!
さてさて、続いてやってきたのは工房だ!研究が発達してるなら最新の魔道具なんかもあるかもしれないね。
ボクにはスマホなんてチート魔道具あるけど、それでも一般的な魔道具って気になるんだよね~。
あれだよ?電気屋行って買いもしないのに最新の製品を見ているだけで楽しいってやつと同じだよ。
アーマチュアの街ではあんまり魔道具はみかけなかったからね。
とりあえず、通りを右へ左へ行って外から店の中をチラッと見ていく。まぁ、一般的な家庭で使われるようなコンロとかが多いね。冷蔵庫っぽい魔道具もあったよ。値段は日本の数倍高かったけど。
リオは暇そうにボクの頭の上で昼寝してたよ。よく落ちないもんだなぁ~。
そうして見てるうちに一人の老婆が店の前にいてボクに声をかけてきたんだ。
「おや、そこの坊や。あんたー、非常にめずらしいものを持ってるんじゃあないかい?」
えっ!?どういう事?なんでボクがめずらしい魔道具持ってるって知ってるんだ!?もしかしてカマかけられてるのかな?
リオも昼寝から急に目覚めたようだ。
とりあえず無視して通り過ぎようとすると、
「これこれ!無視するんじゃあないよ。あんた、神から授けられた神器を持ってるだろう?それも複数。
無限収納カバンにポケットに忍ばせているマジックソード、そして見たことも聞いたこともない記録盤?っぽいものかね?
あたしにはすべてお見通しだよ。『外の理の者』さん」
見破られている!?端から見たらタダのカバンだし、ポケットに入っている魔力剣とスマホにも気づかれている!
しかもボクが別の世界から来たってことまでわかっている!リオは最大級の警戒をしだしたぞ!な、何者なんだ!?
「お、おばあさん。なんでそんな事知ってるんですか?あなたは一体?」
「ひっひっひ!そりゃあ知ってるさ!詳しく知りたいなら店に入ってきな。茶ぐらいは出してやるからね。
心配せんでもええぞ?こんな老婆、アンタなら一撃で倒してしまえるからね!」
そう言ってその老婆は店の中に入っていった。
ここのお店、看板見たらアンティーク魔道具屋らしい。ということは、ほかの神器を見たから知ってるとかかな?
「リオ、どう思う?」
「ただものではない気配がプンプンするぞー。なんでアキが外の理の者だとあっさり見破ったのが気になるなー。とりあえず危害は加えられないだろうから、入ってみるかー」
「そうだね。なんで全てお見通しなのか、ちょっと気になるからね。入ってみよう」
そう言ってお店に入った。すると、入ったとたんに景色が変わった!えっ!?どういう事!?さっきまで外から見た店の中じゃないぞ!?
「アキ!身体強化だ!ここはさっきの店じゃない!別の場所に転移させられてるぞ!!」
なんだって!?とにかくリオに言われた通り身体強化を4倍まで引き上げて状況を確認する。どこかの屋敷の一室にいるようだ。
さっきの老婆はどこだ?
そうすると、扉からお茶菓子を持ったメイドと先ほどの老婆が出てきた。本当にお茶会をするつもりらしいけど、油断できる状況じゃない!
「おや?転移したって気づいたようだね。気づいたのはそっちの白銀竜の元ピースメーカーさんかな?」
なんと!リオの正体まで知ってるなんて!どういう事なんだ?
「ひっひっひ!身体強化を解きな。さっきも言っただろう?あたしゃ、あんたたちと話がしたいだけさね。
ただ、内容が内容だけにあの『表の店』ではちょっとマズいんでね。悪いけど場所を変えさせてもらったよ。
安心しな。終わったら元の『表の店』に帰してやるからね、ひっひっひ!」
つまり、帰るためには老婆の力がないと不可能ってことだ。ここはおとなしく話を聞く必要がありそうだ。
とんでもない店を発掘しちゃったよ···。
なんだか怪しげな老婆が出てきましたね。
次のお話はキャラたちが勝手に話を進めて、全く考えもしなかった展開になってしまい、作者が初めて困惑した回です。
帰宅後に投稿しますので、お楽しみに~。




