17-18.暴れん坊4人組、それぞれデートをする!ナツ編
今日と明日は朝と夜に1話ずつ投稿しますよ~!
···パパは何を勘違いしてるんだろう?あのバカと1日付き合ってこいって言った。
ま、仕方ないしさっさと片づけて帰ろう。余った時間は散歩してればいいか。
そう思ってナツは新世代組がいる部屋に行った。
「おや?ナツちゃんじゃないか?どうしたんだい?」
「···エイルさん。ヨウいます?」
「バカ···?あぁ~、ヨウの事かな?ちょっと待っててね。お~い、ヨウ!ナツちゃんが誘いに来たぞ~!」
「はぁっ!?なんで来たんだよ!?今度はいやがらせか!?」
「···やっぱり帰る」
「ナツちゃん?どうしてヨウを誘ったんだい?」
「···パパが1日付き合ってこいって言ったから」
「あぁ~、そういう事か。うん。いいんじゃないかな?ヨウ?これも訓練だよ。ナツちゃんと1日付き合っておいで」
「エイルまで何言ってんだ!?なんで付き合わなきゃなんねーんだ!?」
「付き合うって何を考えたんだい?まぁ、デートでもいいし、なんだったら修行って思ったらいいよ。いい経験になるから行っておいで」
「ちっ!わかったよ。付き合えばいいんだろ!?」
「···帰りたい」
仕方なくこのバカと一緒に城を出た。去年の建国祭の時はお兄ちゃんと一緒だったから楽しかったけど、今日は全く楽しくない。
適当に歩いていると···、
「おい?どこに連れて行く気なんだよ?」
「···特にどこも」
「はあっ!?無計画に歩かされてるのかよ!?」
「···いちいちうるさい」
「やってられるか!俺は帰るからな!」
その時だった。
「キャー!泥棒ーー!!」
その声を聞いたとたんにあのバカの姿が消えた。目で追ったら犯人を捕まえていたよ。
「クソッ!ガキィ!放せ!なんてバカ力してやがる!?」
「悪いことしたのに放すわけねーだろ?観念しな」
「ああっ!キミ、ありがとね!助かったよ!」
「ほら、カバン。気をつけろよ、おばさん」
不愛想な顔でそう言ってこっちに戻ってきた。···意外といいとこあるじゃん。
「···なんだよ?俺の顔に何かついてるのか?」
「···意外といいヤツだった」
「失礼なヤツだな!?人助けぐらいするぞ!?」
まぁ、いいか。そろそろ歩き疲れてきたから休もう。そういえばこの前パパに連れてきてもらった喫茶店が近いね。ちょっと寄るか。
「···この近くにおいしい喫茶店がある。···そこで休むよ」
「···は?いきなりだな···。まぁ、いいぜ」
喫茶店に入って、前にパパと来た時にナツが頼んだ長い名前の飲み物を、今回も頼もう。どうもヨウはこの手の店は初めてだったようで、何を頼んだらいいのかまったくわかってなかったよ。
「···早く決めて」
「ちょっと待てよ!?これ、どうしたらいいんだ!?初めてでわからないんだけど!?」
「···どれか飲み物を選んで注文する。···お店を出る時にお金を支払う。···店によっては先払いの店もある。···これでいい?」
「···どの飲み物がおいしいんだよ?」
「···どれもおいしかったよ?適当に頼めば?」
「そうするか···。って、注文ってどうやるんだ?」
「···ホントに一般常識ないんだね?」
「師匠が教えてくれなかったんだよ!仕方ないだろ!?」
「···すいません。···注文いいですか?」
「は~い!どれになさいますか~?」
「···ナツはこのギャラクシーアンドリアマジェスティックツーカーイタッペチーノカフラマンフラッシュアラローナショットマリエスタードエークスヘラードロイヤルクラウンのMサイズをミルク多めで」
「はい!ギャラクシーアンドリアマジェスティックツーカーイタッペチーノカフラマンフラッシュアラローナショットマリエスタードエークスヘラードロイヤルクラウンのMサイズをミルク多めでございますね!?お連れ様はいかがされますか~?」
「···えっ!?俺!?え~っと···、こ!この!こーひーみるく?ってのを···」
「コーヒーミルクですね!?サイズはどうされます?」
「えっ!?サイズ!?···じゃあ、さっきの注文のサイズで」
「Mサイズですね~!かしこまりました~。しばらくお待ちくださいね~!」
店員さんはカウンターへ入っていった。···ん?ヨウがナツをじ~っと見てる?
「···なに?」
「いや···、なんだ?さっきのやたら長い名前のやつは?」
「···先日パパと一緒に来た時にナツが頼んだ飲み物。···気に入ったからまた頼んだ」
「···まったく意味がわからん名前だな。まるで一般魔法の詠唱じゃないかよ?よく覚えていたな?ってか、結構しゃべるんだな?」
「···そう?···でも、注文は正しく伝えないとダメだから」
「そりゃそうだけどさ···。ちょっとびっくりしたぞ」
「···そんな事でいちいち驚かない。もっと冷静にならないと斥候には向かない」
「へいへい。向いてないよ、俺は」
「············」
「···なんだよ?」
「···ちょっと変わったね?素直になった」
「そうか?よくわからんが、お前がそういうならそうなんだろうな?」
「···ま、もうちょっと冷静になって感情を抑えれたらだいじょぶかな?」
「できるなら苦労はしねーよ。逆にお前とハルさんがすごすぎるだけだ」
「···ふふっ」
「···なんだよ?なにがおかしいんだ?」
「···相手の実力を認めた。それも強さのうち」
「そうなのか?まぁ、まだ勝てる気しないけどな。なんでお前らが整調者に選ばれなかったのかが不思議だぞ」
「···それは神様がパパを可能な限り関与させたくなかったからだとリオパパが言ってたよ。···結局深くまで関わっちゃったけど」
「そうか。まあ、そういう運命だったって事だな」
···なんだか話が弾んでしまった。···話す気なかったのに。そう思ってたら注文した飲み物が届いた。
「お待たせしました~!どうぞごゆっくり~!」
「ってか、なんだその飲み物!?七色に光ってるじゃねーか!?本当に飲み物なのかよ!?」
「···?···おいしいよ?···見た目に惑わされてたら斥候失格」
「そんな問題じゃねーだろ!大丈夫なのかよ!?」
「···飲食店で飲めない飲み物出すわけない。···うん、おいしい。···どう?···飲む?」
「···じゃ、ちょっとだけ。···えっ!?おいしいぞ!?なんで!?」
「···これでわかった?···見た目に惑わされると本質を見誤る。斥候には大事な部分」
「なるほどな···。勉強になったよ。···師匠はこうやって世界を勉強しろって事を言いたかったんだなぁ~」
「···やっと師匠の言葉の意味がわかった。···今日は成長の大きな一歩になった」
「はっ!まさかこんな事で気づくなんてな。···ありがとよ」
「···うん」
···思ってた以上に喫茶店で長居しちゃった。その後もいろいろと店に連れて行っていじりたおしてやった。
特に服屋さんでヨウにスカート履かせて周りに笑われたのは、いい気味だった。
「···うん。似合ってる」
「···おい?似合ってるならなんで他の人が笑ってるんだ?おかしいんじゃないか?」
「···うん、おかしいぐらい似合ってる。女の子の服が似合ってるのが」
「なっ!?お前!俺を騙したな!?」
「···騙される方が悪い。···スカートなんて女性しか履いてないのに、ナツが勧めたらすんなり履いたって事は、いつも周りを見てない証拠」
「くそったれ!最悪じゃねーか!」
「···でも、パパも履いてたよ?···ほら」
「へっ!?ホントだ···。ってか、リオさんまで!?なんで!?」
「···今度男性でも履けるスカートを開発するって。パパとリオパパがモデル」
「って事は、俺が履いても?」
「···うん。そのうち当たり前になる(かもしれない)」
「そ、そうか···。でも、このスカートはさすがにダメじゃね?ひざ上までしかないからスースーして気持ち悪いぞ?···これも勉強なのか?」
「···そう。···いずれ当たり前になる。···今のうちに慣れておく」
「わ、わかったよ。でも、これは履いて帰らないからな!」
ヨウは怒ってきたけど、パパが以前にチサさんからもらったスカートを履かされた写真を見せたら嫌々でも納得してたね。
···パパ。ありがと。
最初は険悪な雰囲気でしたが、徐々に話が盛り上がってまいりました!
ナツちゃんはヨウくんを『反応の面白い、いじりがいのあるおもちゃ』という扱いをしていますね(笑)。
一方のヨウくんは『こいつには勝てないんじゃね?』って若干あきらめてしまってます。
まぁ、そう思ったことで素直になりましたね。実はこのあと、思いのほかいい関係になってしまいます。そのあたりは番外編で用意しておりますので、ご期待ください。今回もそうですが、番外編でも結構ノリノリで書けちゃいましたよ。
喫茶店でナツちゃんが注文したメニューは某コーヒーショップの長い名前のメニューを参考に、適当に思いついた言葉とグーグルマップでヨーロッパ地方を見ていた時に気に入った地名を組み合わせています(笑)!七色に光る飲み物ってどんなんなんでしょうね?
さて次回予告ですが、次はリナちゃんとコルくんのラブラブカップルです!ただ、普通のデートをした後にコルくんは意外な場所へリナちゃんを連れていき···?
次回は本日夜に投稿します。お楽しみに~!




