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【完結済・第8章まで加筆修正完了】アキの異世界旅行記 ~旅先でなぜか変なフラグ立ってトラブルに巻き込まれて···ホント困ってます~  作者: ぷちきゅう
第17章 王都繚乱

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17-14.『旅行保険』

 グロー歴515年3月14日 雨

 

 ···ん。···ん~~。···あれ?···ボク、どうしたんだっけ?

 

 1人で考え事しようと思っていたら···、ドアがノックされて···、ドアを開けたら···、刺されちゃったんだったっけ?

 

 えっ!?そうだよ!刺されたんだよ!誰に刺されたかは覚えてないけど···。

 

 でも、おかしいぞ?刺されたのに何でこんなに意識がはっきりしてるの!?

 

 ···あぁ~、そういう事かぁ~。ボク、死んじゃったんだわ~。これで2回目だよ。元の世界も合わせて。

 

 そうかぁ〜、死んじゃったかぁ~。でも、それにしてはベッドで寝たまんまなんだよね。

 

 普通、魂とかが肉体を離れちゃって『自分の遺体を見る』って事になりそうなんだけどね。

 

 どうなってんだ?お迎え待ちか?この世界だと先に逝った知り合いなんていないから誰も来ないけど。

 

 みんなには悪いことしちゃったなぁ〜。もう今さらどうにもならんけど、ハル、フユ、ナツ、他のみんなを悲しませちゃったなぁ~。

 

 そういえば周りが真っ暗なんだよ。って目をつぶってるからだ!

 

 とりあえず目はつぶったままだったら状況がわからんし、開けてみるか!

 

 そう思って目を開けると···!ハルがいた。

 

 ···あれ?なんでハルが天国にいるの?もしかしてハルって双子だった?でも、チパさんはハルだけ預かったって言ってたけど?どういうことだ?

 

 そう疑問に思ってると、目の前のハルが泣きながら抱きついてきた!!

 

 おおっと!?死んでるのにえらいリアルな感触だな!まぁ、結婚してからは本当に天国にいるようだったしなぁ~!この世界が天国だと本気で思えちゃったもんね。

 

 ···あれ?リオ?それにフユにナツもいるぞ?

 

 ···ちょっと待って。ここって本当に天国じゃないの?もしかして···、生きかえった!?

 

 

 

「あっ!?アキ!!アキぃ~~!!」

 

「おっ!?目を覚ましたかー!?」

 

「「パパァー!!」」

 

「···えっ?天国じゃ、ない?」

 

「もうだいじょぶ!もう、離れないよ!」

 

「パパぁ〜!パパぁ〜!」

 

「グスッ、グスッ、パ、パパ〜!」

 

「あれ?ボク、どうなってるの?」

 

「アキ、腹を刺されたんだぞー。ムーオに」

 

「えっ!?ムーオに、刺されたぁ〜!?」

 

「そうだよ、パパ!合体回復魔法も効かなくてどうしようと思ったら、なんかパパが光りだして治ったんだよ!」

 

「そう、なんだね···。どうしてこうなったんだろう?···あれ?スマホに通知が?」

 

 

『アキくんへ。

 旅行者(トラベラー)の隠し能力である『旅行保険』でキミは復活できた。

 回避しきれない生命の危機に陥った際にのみ発動する。

 初回はお試しで無料(・・・・・・)とさせてもらっていて、2回目以降の発動は毎月保険料(・・・)を支払ってほしい。家族割もあるし、年額一括払いだと割引もあるが、使用すると保険料が上がってしまうので注意してほしい。損はしないので、加入をぜひ検討してほしい。

 見積書と申込方法はこちらをタップ!』

 

 

 ···いや、助かったのはいいんだけどね?

 

 まさに『地獄の沙汰も金次第』かよ!?最近金ばかりせびるようになってないか!?神様!?

 

 まぁ、いいか。まだまだ生きたいから良かったよ。···あとで保険料の見積書を見とこう。間違いなく契約するけど。

 

 とりあえず、おなか空いちゃったよ~!

 

 

 そして食事を終えてから、ボクは会議室へ行った。そこにはカーネさんたちとエイルさんたち新世代組が集まっていたんだ。

 

 みんなからお見舞いの言葉をもらったよ。でも、もうどこも悪いところないんだけどね。

 

 それでも心配かけちゃったからなぁ~。気持ちはありがたく頂戴したよ。

 

 しかし、あの神様め!とんでもないモノをボクに仕込んでたんだね!まぁ、気持ちはわからんでもないけど、仕込んでなかったらボクが死ぬ思いをしなくて済んだのに!!

 

 はぁ~···。文句言っても仕方ないか。

 

 

 さて、状況を整理しよう。

 

 どうも黒魔力の濃度が高くて大魔王の侵入を許しちゃったっぽいね。こればっかりはボクのせいでもあるなぁ~。

 

 そして『ワールド・エクリプス』ね。もう龍脈に挿し込んじゃったらいいだけになっちゃってるから発動は時間の問題だね。万が一発動しても、どうも一定時間以内なら止められるようだ。

 

 おそらく完了までの時間は総兵力で死守するだろうね。

 

 そこで話し合った結果、ボクたちがザコを潰して、リアとアドに関してはボクたちが余力あれば、もしくはカーネさんたちが相手をして、ムーオには新世代組と、ボクたちが戦えそうなら立ち向かう事になったよ。

 

 さて、大魔王を巡る戦いの終着点が見えてきたね。あとは魔獣の動きと龍脈の動き次第で最終決戦地がわかるよ!

 

 

  グロー歴515年3月15日 晴れ

 

 街中で魔獣が発生し始めた。スタンピードから3日。まぁ、想定内だったね。

 

 今日はボクたちとカーネさんたちで魔獣討伐に出かけたんだ。新世代組は体力温存のために待機してもらっているんだ。

 

 というのも、デジアさんが龍脈の位置を探り当てようとしているんだよ。かなり近い位置にあるみたいだね。

 

 ただ、デジアさんの話によると、確かに龍脈の特異点はここら辺にあるそうなんだけど、ピークを過ぎちゃってるようだね。ちょうど11年前のリオたちの攻防戦がピークだったらしいね。

 

 でも、確保しても『神の力の核』は入手できないんだけどね?別の方法があったのかな?

 

 まぁ、いいか。今は魔獣討伐だ!

 

 うちはボクとリオ、ハルとナナ、フユとナツ、リナとケンの4組に分かれて討伐をするよ。

 

 常時ちーむッス!の会議モードにしてリアル実況形式でお互いの様子を確認しながらの行動だ。

 

 子どもたちだけで行動させるから対策しとかないとね!

 

 全員魔獣レーダーを見れるし、迷子捜索機能もあるからどこに誰がいるかもわかるので、非常に効率的に倒していけるだろうね。

 

 まぁ、魔獣討伐なんて地味だから、見どころさんだけ紹介しとくね。もちろん!フユとナツのコンビだよ。

 

 

「くっ!?こいつ!」

 

「グァアアア!!!」

 

「お嬢!ちょっとマズいですよ!?」

 

「仕方ないわね!一旦後退するわよ!」

 

「了解!ユキ様は!?」

 

殿(しんがり)は私がするわ!早く!」

 

 

 これで道場生は撤退できたわね。もうコイツを引き付けなくてもいいわ!私も撤退しようとしたら!

 

 ドカッ!!

 

 

「ぐうっ!?な、なに!?」

 

「グルァアアア!」

 

「しまった!もう1体いた!?」

 

 

 完全に挟まれてしまったわね···。こんな状況だから助けは···、ないか。

 

 ···悔しいわね!こんなところでやられるなんて!

 

 その時だった!

 

 ザシュッ!ザシュッ!!

 

 ···目の前の魔獣の首がなくなっていた。

 

 

「ふぅ~!間に合ったよ〜!」

 

「···もうちょっと遅くても良かったんじゃない?」

 

「ナツ!いじわる言っちゃダメだよ!」

 

 

 そう、フユがいた。妹のナツちゃんと一緒に。

 

 

「フ、フユ!?」

 

「ユキ、久しぶり!危なかったね」

 

「···また助けられちゃったわね!ありがとう!」

 

「どういたしまして!おれたちはここらへんの魔獣を殲滅しまくってるんだよ。良かったらおれたちが倒しておくよ?」

 

「···そう。じゃあ、お願いしちゃおうかな?」

 

「任せて!すぐに片付けちゃうよ。···こんな感じで、ね!」

 

 

 そう言いながらフユは斬撃を私の上へ飛ばした!私が後ろを振り返ると、そこには別の魔獣がいたのよ!

 

 さすがね!私が···、初めて惚れちゃった男の子だもの!この戦いが終わったら···、デ、デートしてみたいわね!!

 アキくんに秘められた最後の能力は『旅行保険』でした!現実の旅行保険よりもとんでもないチートですね(笑)!

 第2章第10話でリンさんが鑑定した際に『あたしの力でも見ることができない、神の力で強力に封印されているものがある』というのはコレでした。封印された理由もこの後で明らかになります。

 実はこの旅行保険は作者が所有するクレジットカードの付帯する旅行保険の適用ってどんなだったっけ?と思った時に思いついたネタでした!

 作者がこれ思いつかなかったらアキくんは死ななかったんですよ(笑)!思いついた時に作者はアキくんに能力の説明をした後、『じゃあ、次のお話で死んでもらいます』って言ったら脳内で無言でぐーぱんち食らいました···。まぁ、『死んで』って言って『はい喜んで!』ってならないですもんね。

 第2章で伏線っぽく書いてましたが、全くのノープランです!まぁ、お話が進んだ時にネタになるかな?程度で仕込んでましたが、想定外にいいネタと結びつけることができましたよ。やっぱり物語は生き物ですね~!

 ちなみに久しぶりにお話を書いてて読み返して鳥肌立ちました。まれにこういう事が起こるんですよ。


 さて次回予告ですが、アキくんのリハビリ目的でみんなでお城の外を散策します。そして戒厳令が解かれた王都に、あのツーデン劇団がタイミングよくやってきて大騒ぎになります!


 それではお楽しみに~!

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