17-3.旧世代と新世代の歓談 前編
本日2話目の投稿です。朝に1話投稿してますので、先にそちらを読まないとヨウくんが必死になってるのがわからないですよ~。
ヨウくんをナツが徹底的に痛めつけ···、じゃなくて鍛えていると、
「皆さん!夕食の用意が整いましたわ。食堂にお越しくださいな」
「···今日はここまでだね。···たぶんだけど、その生意気な考え方をしなかったらあっという間によくなると思う」
「はあっ!はあっ!な、なんだと〜!」
「···そう、それ。···それを抑えるだけで良くなりそう。···さあ、食事に行く」
「くっ!仕方ないな」
おっ!?ちょっとデレた?他人を見てると何となく分かるね。応援したくなってきちゃったかな〜?
夕食会場は立食形式のバイキングだったので、みんな気軽に食事を取って談笑していたよ。
もちろん!リナはコルくんからまったく離れなかったよ。
「コル!あんた、神に何を言われたのよ?」
「高速飛行ってリオさんが現役時代にもなかった魔法を使えるし、魔法も得意なようだからやってくれないか?って言われたんだ。報酬はリオさんと同じで魔力量だよ。あと、リナも持っている魔力剣もね。リナの魔法の消費魔力量が少ないから、長く戦えるのがありがたいよ」
「そう。なら、回復魔法をあとで教えてあげる。一気に回復するんじゃなくて、戦闘中に徐々に回復するアイリさんの魔法よ。助かる確率が上がるわ!あと、わたしとケンが編み出した新魔法も教えておくわ。広域殲滅は仲間を助けるわよ〜!」
「ありがとう!リナとリオさんは僕の魔法の師匠だよ!」
一方のヨウくんはなんとハルに話を聞いていたんだよ。やっぱりナツにやられたのが悔しいんだろうね。ナツじゃなくてハルに話を聞いているのはアリだろうね〜。
「ハルさん!オレに足りないものは何でしょうか!?どうすればナツを倒せますか!?」
「···落ち着きかな?」
「お、落ち着き?」
「···そう。いつも熱くなりすぎ。···だから気配が察知されやすいし、何を考えて次にどういう行動するかがミエミエ。···斥候はね、常に冷静じゃないといけない。全員がカッカしている最中でも氷のように冷えた目で状況を確認するの。···それができれば一流だね」
「常に冷静に···」
「···口で言うのは簡単。···でも、実践するのは至難の業。···ナツはあれでもまだ感情に流されやすいからまだまだなんだよ」
「あ、あれでまだまだなんですか?」
「···そう。···どう?ハードル高いと思ったでしょ?···でも、師匠はあなたを里から追い出したって事はその境地に至れると考えたんだろうね。
···慌ててはダメ。···これ以上は助言しても意味ないから、実践で身につけてね」
「···はい。ご指導、ありがとうございました!」
その後はオルさんとネータさんにもヨウくんは聞いていたよ。向上心があることはいい事だけどね!
「オルさん!ネータさん!斥候のコツを教えてくれませんか!?」
「コツ?まぁ~、まずはそんな肩肘張らないことだな~!」
「そうね~。気楽にやったらいいわよ~?」
「···えっ!?そ、そうなんですか?」
「意外と大事だぞ~?緊張しっぱなしってのはもって3分が限界だし、本気でそれやったら後が続かないからな~。ほどほどの緊張感で周囲の状況の変化を確認して、不自然なところがあれば立ち止まる事だな~」
「立ち止まっても相手はすぐに攻撃したりワナがすぐに作動して命にかかわるようなことはほとんどないわね~。仮に攻撃を受けたとしても2撃目までには時間はあるから、それまでに状況を把握して次の対策を立てるのが大事かしらね~」
「オレらなんて、警戒しててワナを見つけて回避しようとしても、いっつもリオがうっかり作動させてたからなぁ~!マジメにやっても意味なかったなぁ~!」
「そうね~!大した事ないワナでも大げさに言ってリオを煽ってやって引っかかったところを爆笑してたわね~!」
「は、はぁ···。勉強になります」
···やっぱりオルさんとネータさんはリオで遊んでたんだなぁ~。そんな参考にならない話をヨウくんは真剣に聞いていたよ。
フユとナツは虎獣人のイピムさんと仲良く話をしていたよ。
「ほう!キミたちと母親があの『伝説の神狼族』なのか。どうりで強いわけだな!」
「えっ?戦ってないのにわかるんですか?」
「ああ。気配である程度はな。どうだ?明日にでも1戦やってみないか?」
「いいですよ!胸を借りますね!」
「ハハハ!威勢がいいな!楽しみだぞ!嬢ちゃんもヨウを圧倒したそうだな!オレと1戦やってみるか?」
「···いいよ。···ちょっと消化不良だったしね」
デジアさんはアイリさんとケンくんとミルちゃんに話していたね。
「これが魔獣を呼ぶ魔道具に爆弾なんだね。確かに龍脈の残滓を感じるね。あたしの予想は大当たりだったって事だね」
「黒魔力に変換する魔道具ですか。魔力の属性変換の式が使われてますが、とんでもなくややこしいですわね。よくこんなものを作ったものですわ!」
「ミルの力が役立ちそうですね。万が一爆弾の解体であればそこまでぼくがミルを安全に連れていきますからね」
「ケンさん?あまり気負いすぎてはいけませんよ。今回は私たちも参戦しますから、協力していきましょうね」
「ありがとうございます。ぼくもまだまだですね」
「いや、子どもなのにしっかりとした考え方してるねぇ〜!こんな可愛い子、ちゃんと守ってあげるんだよ!」
「···もしかしてケンさん?ミルさんの事を好きなんですか?」
「えっ!?···あ〜、そうなんでしょうかね?なんというか、守ってあげたいんですよね」
「それが恋ですわね。リナさんと同じ状態なんですよ」
「あ〜、そうなんですか。姉ちゃんは熱烈だと思ってたけど、ぼくもそうなんだ···」
「お~?私もケンが好きですよ~。こんなに話してくれる人っていませんです」
「えっ!?そ、そうなんだ···。あ、あはは···」
「ふふふ!見ていて初々しいね~!そっち方面も頑張るんだよ!」
「ええ~!そっち方面ってなんですかぁ~!?」
「そっち方面?なんでしょうね~?気になります」
途中からケンの恋の話になっちゃってたね。そっち方面って···。まだまだ分からないよなぁ~。教えてないしね。···そろそろ教えないといけない時期か?これ以上は言及しないけど。
ボクとリオ、それにカーネさんはエイルさんとお話していたんだよ。
「元は王国で副隊長なんてやってましたが、まさか自分が整調者になるなんて思いもしませんでしたよ」
「ははは!誰しもそんなものだ。オレだって腕っぷしが強いだけの貴族だったからな!ただ、いい経験をさせてもらったと思ってるよ」
「そうですか。まだなりたてなので右も左もわかりませんが、皆さんの情報は大変ありがたく思いますよ。瞬時に連絡を取れる魔法があるなんて思いもしませんでしたし」
「まさかボクの魔法をこんな形で神様が利用するとは思いませんでしたけどね。でも、これで少数でもすぐに対応できますね」
「アキさんの魔法なんですね?···失礼ですが、ただの一般人ではないですよね?見たことも聞いたこともない系統の魔法をお使いになる一般人なんていないですし」
「神様から聞いてないですか?ボクは『外の理の者』なんですよ。元の世界で死んでしまい、神様がこの体を創ってくれてこの世界に生きてるんです。この魔法は元の世界の技術の一部なんですよ」
「そうだったのですか···。あまり外の理の者に対してはいい感情はないんですが、今は非常にありがたいですね。有効に活用させていただきますね」
「そうしていただけると嬉しいですね。ボクはこの世界に来れてよかったですよ。リオに助けてもらってから毎日が楽しいですし」
「あー、ま~た聞いてて恥ずかしくなるような話をしだしたぞー」
「いいじゃん!本当のことなんだから」
「ははは!アキさんはリオさんと仲がいいですね~」
「おう!合体魔法も使えるしなー!」
「···合体魔法?まるで有名な舞台の『白銀竜の着ぐるみ少女の冒険譚』みたいですね」
ブフーーー!!!
ボクとリオは吹き出してしまった!
「えっ!?まさか本物なんですか!?そう言えば劇での少女はアニーで、アキさん···」
···どうしよう!?まさかこんなところで被弾するとは思わなかったよ!
打倒、ナツちゃん!を掲げて必死になってるヨウくんでした。いろんな人からアドバイスをもらいましたが、果たしてナツちゃんを倒せるのか!?
イチャつくリナちゃんとコルくん、そしてまだあんまり恋の実感がないケンくんとミルちゃんは見てて初々しいですね~。
そして、『白銀竜の着ぐるみ少女の冒険譚』ですが、エイルさんはご存じでした!詳細は次回のお話で語られますが、超ヒット御礼中なのです(笑)!
さて次回予告ですが、歓談の後編をお届けします。アキくんはナツちゃんに勝てなくて悩んでるヨウくんにちょっとしたアドバイスを送りますよ~。
明日から26日までは平日なので1話ずつ投稿しますが、明日は夜勤なので朝に投稿します。23日以降は21時過ぎを予定しています。
それではお楽しみに~!




