17-1.作戦会議よ!
お待たせいたしました!ここから第17章全22話が始まります。
本日は朝から第16章の完結とネタバレ集、設定資料集も投稿してますので、ここから読んじゃった!という方は戻ってからお楽しみくださいね~。
グロー歴515年3月8日 晴れ
昨日、新世代の整調者が内定したという神託で、ボクたちの知り合いでもあるコルくんとヨウくんが内定していた。
その事を知ったリナはコルくんを心配して大激怒!!
なんとかボクがサポートすれば?って提案をあっさりと受け入れてくれた。
というわけで、ウェーバー大陸に行くのは延期になりました。もうなんか、ムーオ倒さないとおちおち旅なんかできなくなってきたよ···。
できれば会いたくなかったけどね。直接対決はできないけど、ある程度は受け持とう!
ちなみにナツはヨウくんを完膚なきまでに叩き潰す気らしいよ···。いじめっ子にはなってほしくないんだけど、出会った時の印象が最悪だったからなぁ~。ひどいようなら止めよう。
さて、今はピムエム皇国のいつもの高級ホテルにいるんだよ。この後に皇城で会議をしてから午後からは最新情報をカーネさんとアイリさんに報告して、今後の対策を練ろうという話になっている。
いつものようにホテルの裏口にヒズさんが手配した馬車が来ており、これまたいつも通り正面玄関ではなく搬入口に回されたよ。
今回は許可証を事前にもらってたから追いかけられないよ!
搬入口でヒズさんと合流して、ボクたちは会議室へ向かった。
「やあ、アキくん。今回はとんでもない事態だったそうだね」
「エビスさん。ご心配おかけしました」
「さて!浮遊大陸で手に入れた情報をまとめるわよ。皇国としても今から対策しようにも間に合わないかもしれないけど、何もしないよりはマシよ」
パスさんの言う通り、まずは情報の整理だね!
今回はリアが襲ってきた。魔獣を発生させる魔道具と爆弾は回収ができた。これは大収穫だったよ!解析すればある程度の対策は練れるからね!
でも、かなり複雑だったようで、皇国の最高の技術屋さんもお手上げだったよ。とりあえずアイリさんに解析をお願いする予定だ。
あとは大量の魔獣が押し寄せてくる可能性だ。こちらは武器防具を最優先で量産しており、皇国で配備が完了次第、各宿場町や希望すれば他国にも販売を予定してるそうだ。『皇国にこの武器で歯向かわない』という誓約付きらしいけど、どこまで効果があるのかなぁ〜?
ちなみに今回、パスさんから爆弾解体時に発生した大量の魔石の一部を欲しがっていたので、信用して渡しておいた。どうも、龍脈に繋げられる可能性が高いようだね。
···これって、ミルちゃんがムーオの手に落ちたら大変な事になるような気もするけどね。
そして、万が一スタンピードが発生した場合は即座に出動して、状況によってはカーネさんとアイリさんにも応援要請する予定だ。この件については事前にパスさんが要請していて、2人ともに承諾しているよ。
「こんなところかしらね〜?何もないのが1番なんだけど、そう楽観できるような状況でもないしね。また何か新情報があれば共有しましょうね!」
そして、会議室で昼食をいただき、午後はカイジの町の領主邸ヘ変身して転移した。今回はパスさんも同行したよ。もちろん、ヒズさんにはその場で出国手続きをしてもらった。
領主邸ではカーネさんとアイリさんが待っていた。さらにはオルさんとネータさんまでいたんだよ!どうして?
「おお、来たな!今回は大変だったなぁ~」
「まったく、ヒヤヒヤさせないでくださいまし。見ているこちらが緊張しましたのよ?」
「すいませんでした。まさかこんな事に巻き込まれるとは思わなかったので···。
ところで、オルさんとネータさんはどうしてここに?」
「たまたま近くまで来てた時にアイリから連絡があってな~。こっちも新情報が手に入ったし、ちょうどよかったから来たんだよ」
「それに新世代の整調者も内定したし、もしかしたら接触してくるかもね~。テリーさんみたいに」
「あぁ~、そういえばそうでしたね。じゃあ、さっそく始めましょうか!」
こうして作戦会議が始まったんだ。今回は子どもたちも参加してもらったよ。ルイくんにはわからないかもだけどね。
「まずはボクから。先日、浮遊大陸に行ってまして、そこでリアが魔獣たちを使って金竜の集落を蹂躙し、さらに爆弾を仕掛けて墜落を目論んでました。間一髪のところで阻止できましたよ。
その時に魔獣を発生させる魔道具と爆弾を入手する事に成功しました」
「危ないところでしたわ。あんなのが墜ちたらタダでは済みませんものね」
「ミルちゃんの魔力吸収の特殊能力がなかったら、今頃ボクたちは全滅でしたね···」
「大変素晴らしい能力だが、大っぴらにしてはマズイな。アキたちでフォローしてやってくれ」
「はい。カーネさんの言うとおりですね」
「じゃあ、次はオレたちだな!ネータと一緒に探っていたんだが、どうも近々スタンピードを起こす気だなぁ〜。魔獣が特定の箇所に集まってるんだよ。魔道具で湧いてるのかもしれないけどな。移動し始めたら厄介だぞ」
「集まってる箇所は複数あるんだけど~、1番大きいのが王都の北側の森なのよ~。あそこって実験もしてたし、私たちが現役の時もやりあった場所だし〜、何かと因縁があるわね〜」
「じゃあ、王都でスタンピードが発生すると見てるんですね?」
「可能性が高いなぁ~。前回もそうだけど、王都に奴らが望むナニカがあるのは間違いないと思うぞ」
「ちなみに皇国方面、インシュ山脈の西側も魔獣の情報が多くなってるわよ。こちらはうちの皇国軍で順次討伐してるけど、焼け石に水っぽいわね~」
「でも、何もしないよりかはマシだぞー」
「じゃあ、ボクたちは王都方面に向かったほうがいいかもしれませんね」
「ちょっといいです?先に動くのはマズいと思われますわ。陽動の可能性も否定できませんしね」
「あぁ~、同時多発的にやられちゃったらボクたちでも対処できないですね···」
「それに、こういう時のために各国は防衛に力を入れてましたわ。2〜3日は守り切れるでしょうね。その間に我々が向かえば大丈夫ですわ。この日のためにアキさんには大陸を回っていただきましたのでね」
「そうか!徒歩で回った箇所は転移の対象なので大丈夫ですね。遠くてもリオたちの高速飛行魔法で1時間あれば着けますよ!」
「先に動けねぇのがツライなぁ〜」
「オルの言う通りね~」
その時だった。メイドさんから整調者が来ていると伝えてきたんだ。
「やはりな。神が行くよう伝えていたのだろうな」
「手間が省けて楽できますわね」
カーネさんとアイリさんは予想してたみたいだ。一方のリナは、
「来たのね。コルに問いたださなくっちゃ!」
と息を巻き、ナツは
「···本当に叩きのめされるのか、楽しみ」
と不気味な笑顔だったよ···。
そうして、ついに新世代の整調者とご対面となったんだ。
どこでムーオが動き出すかわからない以上、こちらから手出しができないので、対策と言ってもある程度しかできません。その点、アキくんたちは転移や高速飛行といった機動力がすごいので遊撃にはピッタリなんですね。
さて次回予告ですが、領主邸に新世代組がやって来ました!さて、リナちゃんとナツちゃんはどう動くのでしょうか!?
明日も朝と夜に1話ずつ投稿しますので、お楽しみに~!




