16-14.浮遊大陸の謎
本日は急遽夜勤が昨日いきなり決まったので、出社前に投稿しますよ~!
「た、助かった···、のですか?」
「はい。ミルちゃんの特殊能力のおかげですよ」
「そ、そうですか···。まさかミルにこんな能力があったなんて···」
「とりあえずここを出ましょうか?ボクたちは回復魔法が使えますから、集落の皆さんが生きていれば助けられると思いますので」
「あ、ああ!そうですね。すぐに戻りましょう!」
もう安心なのでボクたちは変身を解いた。いろいろ聞きたい事とかもあるんだけど、今はそんな余裕はないね。危機的状況は回避できたけど、ケガ人がたくさんいるようだしね。
そうしてボクたちは金竜の集落に戻ってきた。···すでに手遅れの人もいるけど、助かりそうな人は多かった。
ナナとハルとパスさんで重傷者を選別するトリアージを行ってもらい、非常にまずい状態の人に対しては変身状態のフユとナツが合体回復魔法で癒していた。そこそこな重傷者に対してはリナとケンがある程度までの回復で抑えて数をこなすことにした。
しかし、数があまりにも多すぎたので、フユとナツの魔力はすぐに尽きてしまった。そこで全員分の蓄魔の腕輪の魔力をすべて使い切ることにしたんだ。もちろん、共有しているボクの魔力も全部使ってもらった。しかし、それでもまったく足りなかったんだ。そしたら、ミルちゃんから提案があったんだ。
「あの~、アキさん?あの時の魔石が大量~に、あるんですけど使います?」
「ミルちゃん!?その手があったね!みんな!魔力については問題なくなったよ!ガンガンいこうぜ!」
「「「「おーー!!」」」」
それから4時間後、なんとか助けられる人は全員助けることができたよ~!
「皆さん、ありがとうございました。集落は壊滅してしまいましたが、ある程度生き残ることができました。これから再建をめざしていきたいと思います。···そういえば名乗ってませんでしたね。私はアブルと言います。ミルの父です」
「改めて、ボクはアキと言います。あとは妻のハルとうちの子のフユとナツです。あっちはリオ。そしてリオの妻のナナと子どものリナとケンです。そしてあちらは地上にあるボルタニア大陸にあるピムエム皇国という国の皇帝陛下であるパスさんです」
「今回はあなたたちが来なかったら浮遊大陸は壊滅でした。大したもてなしはできませんが、差し支えなければお話を伺ってもよろしいですか?」
「もちろんですよ」
今晩はここで泊まらせてもらうことにした。あんまり長いするとボルタニア大陸を離れちゃうからね!
ボクはミルちゃんとどのように出会ったのか?や、ここまで来るために高速飛行を編み出したことを説明したんだ。
「そうでしたか···。ミルが大変お世話になったようで感謝いたします」
「いえ、ミルちゃんがうちに落ちてこなかったら、今頃この浮遊大陸は墜とされて地上は壊滅してましたよ」
「それも運命だったのでしょうね。もしくは神によって救いの手を伸ばされたのかもしれませんね」
「···あんまり神様はボク個人としては信用できないんですけどね」
「えっ?そうなんですか?」
···これ以上はまずそうだね。また何かやられるフラグが立ちそうだったので、話題を変えることにした。
「そういえば、この浮遊大陸ってどうして存在するんですか?ガーディアンという役割を担われてるということは、なにか重要なものがあるとかでしょうか?」
「そうですね···。この事はあまり他言無用でお願いしたいところではあるんですが···」
「大丈夫です。あっちにいるリオは元整調者ですし、ボクらは今回襲撃したリアとか大魔王ムーオの情報を集めてるんです。この情報は元整調者たちしか共有してませんので安心して下さい」
「な、なんと!?リオさんはあの『白銀竜のリオ』本人でしたか···。それでしたらいいでしょう。お話いたしますね」
この浮遊大陸は簡単に言えば『ノアの箱舟』だった。幾度にわたり魔獣などで地上が荒廃したため、神が正しき者を選別してこの浮遊大陸に避難を昔はさせていたようだった。
そのため、この浮遊大陸ではかつては技術が地上よりもかなり進んでいるようだったが、現在では地上がある程度平穏になって技術の発展速度が上がったために追い越されてしまい、古代技術が残っているようだ。神様がリオに言った『人々を見下している』って情報は干渉してほしくないというフェイク情報だったようだね。
そんな状況だったから500年前の異世界からの侵攻の時に『空中庭園』という決戦兵器を神様は急造して実戦投入したようだった。
ボクたちが見たあのクリスタル状の魔石はこの浮遊大陸を浮かせて飛ばしている動力源でもあり、制御装置だったようだ。
今回はリアがそれの破壊をもくろんで爆弾をしかけたようだった。しかけた爆弾は5個。うち2つはどうも予定外に早く爆発したようで、ミルちゃんが先に解体した2つと同時に爆発してバリアを破壊し、最後に解体した爆弾で魔石を破壊して制御不能にして墜落させるつもりだったようだね。本当になんとか回避できてよかったよ~!
「今回の事件は元整調者たちで共有させていただきますね。今回はやつらにとって作戦失敗になったので狙われる心配はなくなったと思いますよ。魔獣を発生させる魔道具も1つはこちらで回収できましたし、こちらも解析が終われば破壊しますので」
「今回は皆さん、そしてミルに助けられました。あの子は何をやってもうまいこといかず、この集落では仲間外れにされてましたのでね···。親としても何とかしたかったのですが···。アキさんたちのおかげでミルの表情は明らかに以前より良くなってますよ」
「そうでしたか···。お役に立てて良かったですよ」
アブルさんはミルちゃんを見つめながら、ミルちゃんの置かれた状況を説明してくれたよ。『特に何もしてなかったなぁ~』って言ってたけど、それは『何もさせてもらえなかった』って事だったんだね。ある意味境遇はリオに似ているよ。そう思っていたらアブルさんから提案があったんだ。
「もしよろしければ、ミルをリオさんたちに預かっていただく事は可能ですか?」
「えっ!?そ、それはリオに聞いてみないとわからないですけど···」
「無理なお願いなのはわかってるのです。ただ、このまま集落にミルがいてもいいことはないのかもしれません。ミルを見ていると、ケンくんとは仲がよさそうに見えますし、アキさんの話だと転移でここまで来ることは可能とのことですし、ミルにとってはその方がいいような気がしているのです。こんなことをお願いするのは親として失格だとは思っています。考えていただけないでしょうか?」
「気持ちはわかりました。お~い、リオ!ちょっといい?」
「んあー?どしたー?」
「アブルさんがね、ミルちゃんをリオの家に預けたいって言ってるんだ。どうもミルちゃんは集落からよく思われてなかったらしいんだよ」
「あー、やっぱりそうだったかー。別にいいぞー」
「えっ!?もしかして気づいていた?」
「おう!オレがそうだったからなー。最初にあった時の目もそうだったし、話を聞いてたらすぐに気づいたぞー。ケンとも仲良さそうだし、本人が希望するならいいぞー!」
「ありがとうございます!ミル本人には私から話をしましょう。重ね重ねありがとうございます!」
「まー、里帰りしたくなったらアキの転移があるからなー。安心していいと思うぞー」
···う~ん。安心って言ってもさっきみたいに大魔王関連に関わったら安心できないと思うんだけどなぁ~。
ミルちゃんの特殊能力で発生した大量の高純度の魔石にはこんな使い方がありました!これで魔法は打ち放題になりました(笑)!体力の問題があるので無限に打ち続けることはできないですけどね。
浮遊大陸の謎とは、発達した古代技術を悪用されないためでしたが、実は今では地上の技術のほうが進んでしまっているために、ロストテクノロジーばかりが残ってる状態なんですね。それはそれで有用なんですけどね。
さて次回予告ですが、せっかく浮遊大陸に来たので、アキくんたちは遊覧飛行して見学をします。そして、帰ってきた時に神託が下され、新整調者が決定したとの知らされますが、とある人物がこの決定に激怒します!一体どういうことなんでしょうかね?
明日と明後日は土日なので朝と夜に投稿しますが、次回が第16章完結なので、朝に1話、昼にネタバレ集、夕方に設定資料集、夜に第17章第1話を投稿します!活動報告も併せて5回投稿なので、作者は大変ですがお楽しみいただければと思います。
それではお楽しみに~!




