16-13.浮遊大陸破壊爆弾を解体せよ!
「···んっ、んん~。わ···、私は···?」
「お父さんっ!」
「···ミル?···ミルなのか!?」
「うんっ!やっと帰ってこれたよぉ〜!」
「地上に落ちたと聞いて絶望していたが、無事で本当に良かった!どうやって帰ってきたんだ?」
「あの!お話のところ失礼ですが、時間がないようです。ボクはアキと言います。リアが爆弾を仕掛けたと言ってましたが、どこにあるかわかりますか!?」
「あ、ああ!そうだった。後で聞けばよかったな。客人、アキさんだったね?人間がどうやって来たのかわからないが、手伝ってもらえるならありがたい!
その爆弾とやらはよくわからないのだが、やつらはここを襲撃した際にこの近くにある洞窟に入ろうとしていたのだ。それを察知した我々が阻止しようとしたのだが···、あのリアと呼んでいた女にやられてしまったのだ。緊急の知らせを知った我々とほかの種族が全兵力で向かおうとした時にはやつは洞窟から出てきて、怪しげな魔道具によって魔獣が大量に発生して···、この有様だ」
「そうでしたか···。では、その洞窟に仕掛けた可能性があるという事ですね?」
「おそらくは。かなり危険だが、やってくれるのですね?」
「はい。このままでは地上もタダでは済みませんからね!」
「わかった。では案内しよう!」
今回は全員で向かうことにした。万が一の場合は全員まとめて転移で逃げるためだ。···本当は集落の人たちの手当てをしたいんだけど、そんな時間はないし、それに···。
近くにある洞窟とやらは通常の飛行で5分ぐらいで到着した。集落の近くにあったようだね。入口には激しい戦闘の跡が残っていたよ。
洞窟に入ろうとした次の瞬間!
ドォーーーン!!···ドォーーーン!!
大きな揺れと共に爆発音がした!まずい!爆弾が爆発したんだ!
洞窟からはなぜか煙とかは出てこなかった。おそらく浮遊大陸の外側が壊れたんだろう。
さっき2回爆発音がした。ということは、他にも仕掛けられてそうだね!これ以上は本当に墜ちてしまうよ!?
こんな大質量が地上に墜ちたらこの星の生物が死滅してしまうよ!コロニ〇落としやリ〇ブラ落としじゃないんだからね!
「みんな!今回は本当に危険すぎる。···ボクは行くけど、みんなはどうする?」
「アキー!ここまで来て『もう帰る』って選択肢は選べないぞー!ここに来てる以上、全員覚悟は決まってるぞー!」
「そうだよ、パパ!早く片付けちゃおう!」
「···よし!リオ。ここからは変身して向かおう!みんなも万が一に備えて変身しておいて!」
「「「「はい!」」」」
「じゃあ、リオ、いっくよー!せーの!」
「「インテグレーション!!」」
「おれたちもやるぞー!せーの!」
「「「「エヴォリューション!!」」」」
「な!?何事だ!?」
「えっ!?ケン!?」
ミルちゃんのお父さんとミルちゃんがビックリしてたね。でも、それに返す時間はないぞ!さぁ、一気に進むよ!
まずは防御結界の強度を最高にしたボクが先頭、そのすぐ後ろにミルちゃんのお父さん、子どもたち、ハル、ナナ、パスさん、ミルちゃんの順で突入していく!
恐らくは最奥に仕掛けてるんだろうね。ミルちゃんのお父さんの案内で急ぎながら向かっていった。
道中は先ほどの爆発による衝撃で崩れていた箇所があったけど、ボクの土魔法で吹き飛ばした!仮に後ろの通路が崩壊していても、帰りは転移で地上に戻るから問題ないよ!
そして洞窟に入ってから10分。先ほど爆発したと思われる場所に着いた。そこには巨大な青く光る大きなクリスタル状の魔石っぽい石が4つ鎮座していた。
どうやら強固なバリアが張られているようだ。先ほどの爆発で周囲はめちゃくちゃになってるけど、クリスタルについては無傷だったよ。
そして、バリアの周辺にあった台の上には怪しげな魔道具が3つ置かれていた!どちらも赤く光っていたからこれが爆弾だね!
「リオ!この爆弾ってどうしよう!?」
『中はどうなってるんだー!?解体の仕方なんてわからないぞー!』
「そう言えば、アイリさんがムーオは爆弾を作ってるかもしれないって言ってたね!聞いてみるよ!」
『あんまり時間はなさそうだぞー!』
ボクは急いでちーむッス!のアプリでアイリさんにつないだ!
「もしもし!?アイリさん!大至急教えてほしいことがあるんです!」
『どうしたんですの!?かなり切迫した状況のようですけど!?』
「先日言ってたムーオの爆弾と思われるものが目の前にあるんです!もういつ爆発してもおかしくない状況なんですが、どうやって止めたらいいですか!?」
『ええっ!?どうしてそんな事に!?いえ、そんな場合じゃありませんわね!見たところ魔石に内蔵された魔力を魔道具で一気に放出するもののようですわ!魔道具を壊そうとするとすぐに大爆発してしまいますわ!魔石の魔力を減らせれば止められると思いますが、そんな魔法はアキさんには使えないですわよね!?すぐに逃げなさい!!』
「···いえ!大丈夫そうです!ありがとうございました!ミルちゃん!この爆弾の魔力を根こそぎ吸い取れる!?」
「えっ!?わ、私ですか~!?あ、なるほど~!や、やってみます~!」
まさかこんなところでミルちゃんの特殊能力が役に立つとは思わなかったよ!吸収の効果はすぐに出た。赤く光ってた爆弾型魔道具はその光がどんどん失われていき、最後には黒くなっていた。
吸収した魔力はその場で魔石化していき、ミルちゃんの足元には大量の魔石が転がっていた。
すぐに次の爆弾に向かい、ミルちゃんは魔力を吸収していった。その様子をお父さんは驚いた様子で見ていた。
そして···!最後の1個に取り掛かろうとしたその時に爆弾はふたと思われる部分がパカっと開いた!まずい!!爆発する!?
とっさにボクは防御結界を爆弾にまとわりつかせた!これで多少の被害は抑えられる!そんな状況の中、ミルちゃんは防御結界に手を触れて吸収して解除してしまい、爆弾の魔力の吸収を始めた!
「ミルちゃん!?もう間に合わないよ!!」
「いえ!間に合います!さっきまでの2個で扱い方に慣れましたよ!それ~~!!」
ミルちゃんの金色の翼が大きく開かれてその直後、まぶしい光に周囲が包まれた!間に合わなかったか!?···しばらくして光が収まると、爆弾は爆発していなかった。
解体が完了したようだった。ミルちゃんの足元はひざの高さぐらいまで変換した魔石で埋まっていたよ。
「···ふぅ~~!ギリギリでしたね~。なんとかなりましたけど、魔石が邪魔で動けないんです。助けてくれますか?」
ちょっと天然ボケが入ってるけど、無事でよかった···。ボクが助けに入ろうとしたら、先にケンが駆け寄ってきていて、ミルちゃんを魔石の山から引っ張り上げていたよ。
「ミル!危ないことするなぁ~。ぼくは心配だったよ!」
「ケン、大丈夫だよ~。ほら、この通りだしね~」
あぁ~。ちょっと見せつけられちゃってるなぁ~。とりあえずは問題ないようだね。
ミルちゃんの特殊能力が早速役立ちました!この能力がなかったらエーレタニアはとんでもない被害が発生するところでしたね。緊迫した状況でしたが、あっさりと解決してしまいましたね~。
ネタバレ集でも明かしますが、上空のものを墜とすというのは某ロボットアニメの定番ネタですね!今回は回避に成功しました。
さて次回予告ですが、ミルちゃんのお父さんが浮遊大陸について説明をしてくれます。驚きの事実が判明しますよ~。
明日は急遽夜勤が今日決まりました。ですので明日は朝に投稿します。今月は本当にシフトチェンジが多いわぁ~。
それでは次回をお楽しみに~!




