16-8.アキ、人として初の単独飛行に挑戦する!
本日2話目の投稿です。朝にも1話投稿してますので、先にそちらを読んでくださいね~!
グロー歴515年1月2日 晴れ
今日の飛行訓練は人型モードで高速歩行が可能なのか?を調べることにした。
竜モードでは問題はほぼなくなったからね。今日もお弁当持って街の外に出たんだ。
今回もリオが最初に飛んでくれるようだね。もふもふな翼を大きく広げて飛び上がり、竜モードと同様に加速し始めると···!すぐに失速して墜落してしまった。今回もナナとケンがすぐに救援に向かったので地面に激突はしなかったよ。
う〜ん···。リオの体重に対して揚力が足りないようだね。翼が小さすぎるのかな?
「リオ?翼って、もうこれ以上大きくできないの?」
「あー、できなくはないんだけどなー。自由に変えれる範囲を超えると痛いし、サイズをオーバーした分を維持する魔力の消費量が大幅に上がるからなー」
「現実的ではなさそうって事?」
「そうだなー。高速飛行する時は竜モードで、離着陸は人型ってのがいいかもなー」
「なるほどね。じゃあ、今度はボクが飛んでみようかな?」
「···えっ?アキが飛ぶだってー!?」
「うん。だいたい課題点がリオたちのおかげで判明したからね。さっきの人型のリオでそういう問題があるんだったら、魔法でカバーしようと思うんだよ」
「思いっきり力技だなー!よーし!何かあってもオレが助けるぞー!任せておけー!」
「パパ!おれたちもやってみたいよ!」
「気持ちはわかるけど、まずはパパが実験するよ。うまいこといきそうならフユとナツにもやってもらうからね!」
「···パパ、気を付けて」
「ありがとう、ナツ。じゃあ、始めようか!」
元の世界で飛行機は400回近く乗ってるし、原理も知っている。ジェットエンジンだって、変身した後だったけど実際に使用したことがあるんだ。
まずは足元からジェットエンジンをゆっくり噴かし始めた。体が浮き始めた!
次は翼だ。ドラゴン族と同じように肩甲骨付近から魔法の翼が出るようにイメージする!これも元の世界ではメジャーだったからイメージは容易だね!
大きさはリオの人型の倍にしておいた。ないものを魔法で顕現するのはかなり消費魔力量が多い!
そしてある程度上昇したら、半分程度の出力でジェットエンジンを噴かせてみた!ドンドン加速していくぞ!後ろからリオが追いかけて来てくれた。
うん!とりあえず成功だ!方向舵に相当する分も魔法で再現しているけど、そこまで大きくないから旋回がちょっとゆるいね。まぁ、ボクは戦闘しないから大丈夫だと思うけどね。
よし!これでいったん戻ろう。大きく旋回して出発地点に戻り、速度を落としてゆっくりとホバリングしながら着地した。
「パパ!大成功じゃない!?」
「···ちょっと離発着の時にナツがホコリまみれにされちゃったけど、良かった」
「ごめんね、ナツ。舗装してないからボクたちが離発着すると周囲が大変そうだね。気をつける事にするよ」
「パパ、魔力消費量ってどうだった!?」
「かなり翼の維持で魔力を消耗するなぁ~。ボクで2時間弱が限界かなぁ~?」
「って事は、おれとナツだったら1時間ぐらいかなぁ~?」
「そうだね。ただ、あんまり無理したらダメだぞ。若しくは途中で魔力切れになりそうだったらパパの魔力を使うんだよ」
「「うん!」」
フユとナツも飛行訓練を始めた。ボクやリオがやってるのを見てシミュレーションしていたのか、あっさりと成功しちゃったね。まだまだ出力が不安定だけど、飛ぶことができるようになったのは今後のことを考えると大きいね!
お弁当をみんなで食べて午後からは自由に飛んでもらうことにした。そうすると、予想通りリナはコルくんを、ケンはミルちゃんとデート飛行しに出かけてしまったよ。
コランさんはハルから武器の扱いについて聞いていた。これまで我流で力任せだったそうなのだ。ハルはコランさんの大剣の太刀筋を見ていろいろアドバイスをしていた。
最近はコルくんの魔法が上達して出番が徐々に少なくなりつつあるらしい。
コルくんが安心して親離れできるように強くなっておきたいようだね!
そうして夕方になり、みんな無事に戻ってきた。3日後にコルくんとコランさんは商隊の護衛で次の目的地に向けて出発するんだよ。
だから、明日はリナがコルくんの実力を試すんだって。リナは今まで以上にウキウキしていたね!
グロー歴515年1月3日 晴れ
今日もリオの家ではリナが気合い入れて朝食を作りつつ、なんとお弁当まで用意してしまった!
ボクが朝食を作り終えてみんなで食べてると、エプロン姿のリナがうちにやってきて『アキパパ!今日はお弁当も作ってみたの!』って言ってきたんだ。
一気に主婦力を上げてしまったリナだったよ。
ちょっと···、リオ、ナナ?子どもに全任せはダメだぞ!巣立った後はどうする気なの?いつまでもボクが面倒見るわけにはいかないんだからね!
いつものように街の外の専用訓練場に着き、早速コルくんの魔法を披露してもらった。
4ヶ月前とは明らかに別人ってぐらいに上達していたよ···。威力も申し分ないし、かなり魔法を放ったにも関わらず、以前のように息が上がってない。
「おー!スゴイじゃないかー!たった4ヶ月でここまで上達するとは思ってなかったぞー!」
「ありがとうございます。リオさんのおかげでムダなく魔法が放てるようになったので!」
「すごいわね!まだまだわたしには届かないけど、別人のようね。頑張ったわね~!」
リオとリナはコルくんをベタ褒めだったよ。それを聞いて嬉しがっていたコルくんだけど、ここでとんでもないことを言い出した!
「じゃあ、最後に僕の最強魔法を見せるよ」
「ええ!爆裂系の魔法よね。結界は強固だから遠慮なくやっちゃいなさい!」
「ううん、違うんだ。今の僕の最強魔法は別のなんだ」
「えっ?別なの?」
「うん。リナに見せたくて頑張ったよ。しっかりと見てて!」
「ええ!どんな魔法かしらね~?」
「きっとビックリするよ!···じゃあ、いくよ!!」
そして、コルくんは魔力を両手に集め始めた!とんでもない量の魔力が集まり、両手が光りだした!そして両手を組み、まるでブレスを吐くかのようになった!それを見たリオとリナがビックリする!!
「···えっ!?ま、まさか!?」
「いくよ!これが僕の最強魔法!ドラゴンキャノンー!!」
ズドーーーン!!!
···撃っちゃった。たった2回しかコルくんはドラゴンキャノンを見てないのに再現しちゃったよ···。
「コ、コル···。あ、あんた···」
「はあっ!はあっ!リ、リナ。僕、リナのおかげでここまで強くなれたよ。本当に、ありがとう!」
「スゴイじゃない!?まさかドラゴンキャノンを撃てるとは思わなかったわ!」
「さすがに撃ったらリナのように次の魔法を放つって事はできないけどね」
「それでもスゴイわよ!あと、今さっきのはただの魔力砲だったけど、属性をつけたり、わたしオリジナルで貫通型にしてみたり工夫ができるわ!次はこれに挑戦してみなさい!」
「ははは!リナにはかなわないなぁ~。わかったよ。次はそれに挑戦してみるよ!」
「ええ!次に会う時が楽しみね~」
「僕も!」
う〜ん···。恋するとこうなるんだね~。次に会ったらリナに匹敵するぐらいになってるかもしれないぞ?
魔法で物質顕現ができてしまうと、可能性は無限大になりますね!アキくんも足りない部分は魔法で補って、強引に飛行することが可能となりました!ただ、航続距離はあんまりないので、緊急用として使用するぐらいしかないでしょうね。知ってる場所であれば転移のほうが魔力消費量は少ないです。
そして先日リオくんの指導によって魔法の才能が開花したコルくんはとんでもない速度で魔法が上達し、ドラゴンキャノンまで撃てるぐらいまでになりました!今後の成長にも期待ですね~!
さて次回予告ですが、アキくんたちがのんびり家でくつろいでいると、いきなり来客が押しかけてきます!いったい誰なんでしょうね?
明日も朝と夜に1話ずつ投稿しますので、お楽しみに~!




