1-15.もしかして···、リオの彼女!?
本日は第1章第15話・ネタバレ集・設定資料集・第2章第1話の豪華4本仕立て!
こちらは本日の1回目の投稿です。
カーネさんが乗っている馬車に乗せてもらい、一路領主邸へ向かう。
時間は午後7時を過ぎて、もうあたりは真っ暗だ。町中の観光は明日以降だね。20分ぐらいで正門に到着した。
正門には一人の女の子が立っていた。この子がアイリさん?中学2年生ぐらいの背丈で、金髪碧眼のまさにキレイな美少女だね。
「おお!今帰ったぞ!先ぶれで知らせた通り、リオも連れてきたぞ!」
「兄さん、お帰りなさい!そしてリオ!無事でよかったですわ~!」
そう言ってアイリさんもリオに駆け寄ってきて···、抱きしめようとしたらまたしても首を絞めていた!
···うん、確かにこの2人は兄妹だね。よく似てるから納得したよ。
一方のリオはまた首を絞められて今日2回目の臨死体験をした。本当に大丈夫?今度は顔が青いまんまだけど。
「ハァッ!ハァッ!今日2回も死ぬかと思ったぞー。おい!アイリ!!兄妹そろってオレの首を絞めるなんて酷い挨拶だなー!?」
「あら、ごめんなさいね。リオが小さくなったから加減が難しくて。でも多少死んだとしても、私がすぐに蘇生してあげるから安心ですわ!」
「首絞められて安心なんかできるかー!もうー!相変わらずだなぁー、この兄妹は!!」
···なんだか、劇で見たニーナの感じとは全く違うんだけど。確か、あの劇ってこの2人監修の脚本だったよね?うわ~、相当美化したんだなぁ。この兄妹、なんかぶっ飛んでない?
そしてアイリさんはこっちにも興味を持った。
「あら?あなたはどちら様?リオの知り合いの方?もしかして···、リオの彼女!?」
ブフーーー!!
ボクとリオは同時に吹き出した!か、彼女って!女の子に見られるのならともかく!どうしてそんな考えに至れるの!?
「い、いえ!彼女じゃないですよ!?ボクはアキって言います!リオには助けてもらって今は一緒に旅をしています。こう見えても男です!!」
「まぁ、どうしてそんなわかりやすいウソをつかれるのかしら?あなたが女の子なのは間違いないでしょう?
リオと一緒なんだから、彼女としての関係の他に何があるというんですの?それに私よりかわいいのに男の子だなんて、この世に存在しませんわ!」
···うわ~、どうしよう?めっちゃドン引きなんですけど?カーネさんよりも説得が難しい気がするんだけど。ほとほと困り果ててるとリオが助け舟を出してきてくれた。
「まぁ、確かにアキは女の子にしか見えないんだけど、れっきとした男だぞー?だから彼女じゃないぞー。知り合った経緯についてはこの後話してやるからなー?」
「リオがそう言うのなら···、まぁいいでしょう。後で入念に調べさせていただきますわ」
···とりあえず信じてもらえたようでよかったんだけど、調べるって?いったいどうする気なんだろう?劇ではニーナが清楚な感じで演じていたけど、本物はドSで、武器は大ハンマーだよ。コワイコワイ···。
領主邸に入る前からどったんばったん大騒ぎして、ようやく建物の中に入ることができた。時間的にまずは一緒に夕食をいただくことになった。その後に近況報告だ。
ボクたちの話はもう知ってるだろうから省略するね。カーネさんたちだけど、リオと大魔王が戦っている最中から空中庭園が崩壊し始めていたので、急いで合流して脱出しようとしていたそうだ。そして大崩壊が始まる直前に合流できて脱出したらしいよ。
その際にアイリさんのバリア魔法で全員なんとか助かったみたいだね。
なお、落下中に特大の雷が大魔王に直撃した場面を遠目からは確認したが、生死については確認できなかったみたいだ。ここは劇中では演じられてはいない。
その後、レオナード女王に状況を報告して周囲の魔獣たちもおとなしくなって森などに逃げていったことから、事実上大魔王は討伐されたということになったらしい。
そして報奨金を全員分いただいてからリオの分を含めて5等分して、リオの分についてはカーネさんが預かることになったらしい。
他2人の獣人はこの王国の人じゃないらしいから、会う可能性は少ないだろうとの判断だそうだ。
そして地元に戻ったカーネ兄妹はリオを探すべく、レオナード女王と協力して情報収集に努めるとともに、ツーデン劇団による演劇を利用して民衆に大魔王が討伐されたことを知らしめることになったそうだ。やっぱり政治的な思いが入っていたね。
ついでに劇団員にリオの『正確な』情報を流して探してもらおうとしたそうだ。だからリオ役の人がリオを見てあんなことを言ったんだね。
これでお互いの情報共有は完了だ。ただ、アイリさんはボクの出自に関して興味を持っていた。
「なるほど、外の理の者でしたか。神に作られた体、だからこの世に存在しないようなかわいい男の娘がいるのですわね」
「あの~、その表現は勘弁してほしいんですけど。こっちは好きでこの体になっているわけではないんです」
「まぁ、なんてもったいない考え方なのかしら?女ものの服を着れば立派な女性、かっこいい男ものの服を着せれば···、ギリギリかっこいい男の子!両得じゃないですか!?」
あぁ~、この人もイサさんと同類だわ。2人会わせたら絶対まずいわ。混ぜるな厳禁!それとは別にアイリさんはボクが元いた世界にも興味を持った。
「外の理の世界、いったいどんな世界なんでしょうね?直接聞けるなんて、こんな機会はめったにありませんわ!創作魔法の参考にさせていただきたいので、話してくださいまし!」
「おう!それならアキが持ってるスマホっていう魔道具から紹介したらどうだー?」
「まぁ?なんですの?そのスマホとやらは?」
まぁ、スマホから入ったほうがわかりやすいかな?ちょっと誤解がありまくりになるだろうけど、アニメをあとで見てもらおうかな?
ボクはスマホを取り出した。2人が顔を近づける···。って!近い!近い!まずは起動画面だね。いきなり光ってビックリしてるよ。
そして地図アプリや音楽アプリ、天気予報などを見せてあげる。さらには電話を実際に使ってみた。この2人も連絡帳に登録されたよ、通話して驚いていたね。まぁ、アプリや電話って元いた世界とは挙動が異なるんだけどね。
そしてアニメを見てもらう···。って!だから近いって!画面小さいんだから、そんなに近づいたら他の人が見えないって!
とりあえず某魔砲少女アニメを見てもらった。特にアイリさんは真剣に見ていて、創作魔法の参考に大いに役立ったと言っていた。···大丈夫か?
最後にボクの創作魔法を見てもらった。まぁ、そんなに数ないんだけどね。
スマホと連携する魔法は結構使ってるけど、攻撃魔法とかは戦闘を極力回避しているから、魔獣に当てたことが練習の時以外ないんだよね。そうしたらアイリさんからこんな提案があった。
「アキさん?あなた、学園に短期留学してみませんか?」
第1章 完
『懐かしいなぁ···。旅の初めは本当に大変だった···。元の世界と勝手の違う体、そして環境···。女の子に間違われ···、ははは。でも、ここまでの体験は後の旅に大いに役立ったよ···。
カイジの町での短期留学、そこで学べた事は本当にありがたかったね···』
ありがとうございました!これにて第1章は完結しました!
このあと昼休憩時にネタバレ集と設定資料集を投稿します。
帰宅後、『第2章 アンペル学園短期留学編』全13話のうち第1話を投稿予定です。




