15-18.なかった事にしちゃえばいいんでしょ?
今日も2話投稿しますよ~!
電気街で引ったくり犯を、身体強化したフユたちが取り押さえたんだけど、大騒ぎになったので転移でボクたちは逃げ出した!
···大慌てだったので、思ったより遠いところへ飛んでしまったよ。ここは人気のない公園だった。電気街より15km以上南にある港湾地区だ。
「はあっ!はあっ!あ、危なかったぁ〜」
「パパ?なんで逃げちゃったの?」
「それはね、警察に事情聴取されるとどこに住んでるのか?とか聞かれちゃうからなんだよ。エーレタニアのアクロって言ったってわかってもらえないしね」
「あー、そういう事かー。しかも大騒ぎっぽくなってたなー」
「···もしかして!?」
リオの発言を聞いて、ボクはスマホで某SNSを見た。やっぱり!!撮られててバズってた!
『これってホントに飛んでなくね!?』
『人間技じゃないぞ!?』
『ただのコスプレじゃないのか!?』
『CG合成か!?でも、やけにリアル過ぎるぞ!?』
『Oh!Amazing!Is this Japanese culture!?Excellent!』
『かわいいしカッコいい!はぅ~お持ち帰りィ〜』
···まずいなぁ~。完全に顔が映っちゃってる。すでにネットのニュース速報でも取り上げられちゃったかぁ~。これは身動き取れないぞ!?
「アキ?顔が真っ青だぞー?なにかマズい事になってるのかー?」
ボクが無言でスマホの画面を見せると···
「あっ!おれたちの活躍が撮られてる!?」
「···なんか変な感想ばっかり」
「これって、どういう事になるのかしら?」
「もしかして、町中歩いたらみんなぼくたちのことに気づいちゃうってこと?」
「···全国ニュースまでなっちゃったし、顔がバレちゃったから、ボクたちを見かけたら人が集まっちゃう。もう旅行は厳しいなぁ~···」
「え〜!?おれたちいい事したのに!?」
「いや、いい事したのは偉いぞ!すぐにみんな動いたのは正しいよ。···でも、この世界だと状況によっては面倒な事になっちゃうんだ。
これはこの世界の悪いところでもあるんだ···。それから守ってあげられなかったのはボクの責任だ。
···ごめんね」
「パパが謝ることじゃないよ?···それで、おれたちはどうしたらいいのかなぁ~?」
···ホントに子どもたちはもう一人前の大人のような考えを持ち始めたなぁ~。嬉しいやら寂しいやら···。フユに励まされてボクは考えた。
ただ、もう旅行は中止してエーレタニアに帰ったほうがいいかな?と思い、ジーンに聞いてみたんだ。
「ジーン?もうこの世界の旅行は中止してエーレタニアに戻ろうと思うんだけど、できるかな?」
すると、思いもしなかった回答が返ってきた!
「えっ?もう帰るのかい?もったいないよ~。さっきの騒ぎがなかったらいいんでしょ?」
「···えっ!?ど、どういう事!?」
「どうもこうも、さっきの騒ぎでみんなの事が知られちゃったのがマズイんでしょ?だったらなかった事にしちゃえばいいんでしょ?できるよ!」
「え〜〜!?そんな事ができるの!?」
「もちろん!ここは夢の中だからね。ハイッ!これで大丈夫だよ」
「助かったぁ~。ありがとう、ジーン」
「どういたしまして!さて、次はどこに行くの?」
「ここからだと貨物駅とかかな?人気はそんなにないけど、規模が大きいから見応えあるよ!」
ちょっと近いからついでに見ちゃうか!
歩いて10分で着いたよ。首都にあるから規模が大きいんだよ。
「うわぁ~!広いですね!」
「物流の割合としてはそんな大きくないんだけど、それでも全国に荷物を届けてるからね~」
「···エーレタニアでもこんな設備があったらいいですよね~?」
「う〜ん···。確かに一度にたくさん運べるけど、たくさん設備がいるし、お手入れもしないといけないから大変だよ?」
「そうですか···。でも!いいもの見れました!」
「それは良かったよ。近くには倉庫があるから、駅に行く前にちょっと寄ろうか!」
そうして巨大な倉庫街を見て、駅から電車に乗って、途中で飲食店で夕食にしてホテルに戻った。
道中や店内でもボクたちに誰も気づかなかったね。さらにニュースを見たけど、取り上げられなかったよ。
「ジーン?そういえばボクたちの姿を見て電気街の人以外誰も気づかないけど、どうして?」
「簡単に言えば認識阻害魔法がみんなにかかってるからだよ。普通の人間と同じに見えるんだよ。···なぜかあそこではみんな見破ってたね。余も不思議だよ~」
「···オタク魂なんだろうなぁ~。『認識阻害魔法なんてあるだろう!何かに化けてないか!?』って考えてる人が多いんだろうなぁ~」
まぁ、引き続き旅行ができるからいいか!さて、明日は北へ向かうぞ~!おいしいもの食べに行こう!
翌日。
おっはよー!今日は若干曇ってるけど問題なさそうだね。
ホテルで簡素な朝食をいただいて、ボクたちは駅ヘ向かった。ここからは新幹線に乗ってもらうよ~!
新幹線はすでに予約済で、乗車券はモバイルアデリーで登録しておいた。
···なんで神様からもらったスマホにICカードの番号が割り振られてるのかわからないけど、登録に問題なくて改札も追加できたからいいか!
さて、乗る列車はまもなく到着だ。指定席だし、並ぶ必要ないから楽だね!
この列車で青函トンネルを抜けて北海道に上陸だ!最速の列車を予約しておいたのだよ。ボクも乗りたかったしね!
まぁ、飛行機のほうが早いんだけどね。子どもたちに新幹線を体験させたかったんだよ。
そして発車時刻になり、乗った新幹線は一路北へ向けて走り出した。
そうそう!乗り込む前に駅弁を買っておいたんだ!始発駅ではいろんな種類の駅弁があったので、みんな好きな弁当を買い込んでいたんだ。みんな一人あたり5つ買い込んでるけど···。
そしてお茶のペットボトルだ。お酒も飲みたかったんだけどね~。駅からレンタカー運転するからやめておいたよ。
どんどん都心を離れていき、窓からの風景に緑が多くなってきた。そろそろ最高速度320km/hが始まるぞ~!
「速~い!どんどん景色が流れていくぞ~!」
「···見た目だと飛行機より速いように見えるね」
「地上でこんな速度出したら怖いわね~。急に止まれないもんね~」
「ぼくも絶対に止まれないと思うよ···」
「そうだね~。飛行機だと地上から離れすぎてるから速く感じにくいけど、飛行機はこの列車の3倍は速いからね~」
そうしてお昼が近づき、みんな駅弁を堪能していると青函トンネルの手前まで来たんだ。
「ここからは海の下をトンネルで通過するんだよ~」
「···えっ!?アキ、海の下を通るの!?」
「そうだよ、ナナ。海の下を掘ってトンネルを作ったんだよ。これで海が荒れても安定した物流が可能になったんだよね~。まぁ、そんな時は地上も大荒れだけど」
「すげーなー!どれぐらい掘ったんだー?」
「確か···、海面下240mだったっけ?長さは約54kmあるんだよ」
「···よくそんなに掘ったね。大変だったんじゃない?」
「ハルの言う通り、事故が多かったんだよ。でも、おかげ様でこうして便利になったのはありがたいんだよ」
そんな話をしていると北海道に入った。もうすぐしたら降りるよ~。
みんな普通に日本語読んでますけど、魔法で言語変換されてます。でないとスマホのアニメやマンガを読めたり見たりできないですからね~!
某電気街は今や外国人観光名所にもなってます。海外行っても日本のアニメやゲームは高い評価を受けてますからね~。ネタバレ集にも書きますが、ニューヨークに行った時の本屋にあったコーナーの看板に『SHOTA』『YAOI』の文字を見た時は驚愕しました···。
ここは夢の中の世界なので、ジーンによって状況を書き換えてくれたおかげで旅行はもうちょっとだけ続行です。
青函トンネルは竜飛・吉岡の両海底駅ともに行きましたね~!新幹線になってからは通過するだけなので面白みがなくなったのが残念ですよ。快速『海峡』時代が懐かしいなぁ~。
さて次回予告ですが、北海道に上陸して観光します!あぁ~!書いていて本当に食べに行きたいけど、これから夏場はハイシーズンでお値段がががが···orz。
次回は本日夜のメシテロ時間あたりに投稿します。夕食時間帯においしい話をしやがって!というクレームは締切っておりますので、ご了承ください。




