15-8.アキの部屋の中にあるものを調べてみよう!
本日2話目の投稿です。ここから読んじゃった方は1話前から読みましょうね~!
眩しい光に包まれてしばらくすると、光が収まってきた。
···そこには、ボクが住んでいたアパートだったんだ。
···また帰ってくる事ができちゃったね。まぁ、ここは前回と同様、ボクの記憶の中の世界であって、本当に帰った訳じゃないんだけどね。
そうやって感傷に浸ってると、子どもたちがキョロキョロと周りを見渡していたんだ。
「ここがパパがいた世界なんだ···」
「···なんだか、高い建物や見たことのないものばかりだね」
「へぇ~!スマホのアニメとかでもあったけど、アキパパがいた世界を実際に見ると違うわね~!」
「アキパパ?ぼくたちって今どこにいるの?」
「ここはボクが一人暮らししていた家だよ」
「へぇ~!パパってここに住んでたんだね!うちよりもちょっと大きな2階建てだね!」
「あ~···、この建物全部にパパが住んでたんじゃないぞ。ドア1つ分の部屋1つだけだよ」
「···え?パパってこんな狭い部屋に住んでたんだ」
「···今のパパの部屋よりもちょっと大きいぐらい?」
「ははは、そうだね。今のほうが立派で大きいね。でも、この部屋もなかなか住み心地よかったんだよ」
「ねえ、パパ!中に入れる!?中を見てみたい!」
「いいよ。···夢の中のせいか、思っただけでカギが出てきたなぁ~。じゃあ、狭いから全員入るとギリギリだと思うけど、どうぞ!」
まぁ、ワンルームだからね。9人入るのはかなり厳しいと思うよ?
そして、2階にある懐かしのボクの部屋のカギを開けて中に入ったんだ。
「···狭いね」
「ナツ!言っちゃだめだよ。ここがパパの家だったんだね」
「そうだよ。まぁ、一人暮らしだと下手に大きな部屋だったら掃除とか大変だからね。家賃も高いしね。家財道具も結構あるけど、収納を工夫したら意外と広く使えるもんだよ」
そう、空間を活用して狭いスペースでも高く積み上げるとかなり収納できるんだよ。ボクは転勤族だったからメタルラックを好んで使ってたんだよ。状況に応じて高さを変えたりできるからね。
「アキパパ!この部屋の中心にあるテーブルにふとんがかぶってるんだけど、これって何かしら?」
「リナ、それは『こたつ』っていう暖房器具だよ。電気を流すと暖かくなるんだ。寒い冬場だといったん入っちゃうと気持ちよくて出れなくなっちゃうよ」
「へぇ~!おもしろいわね!···これを再現しようと思ったら弱い火魔法を使うといいかしら?···でも、やけどしそうね。むむむ?」
「せっかくだからスマホで写真を撮っておくといいよ。もしかしたらデータは持って帰れるかもしれないからね」
「そうね!そうするわ」
リナはこたつが気に入ったようだね!確かに温泉にこたつにみかんがあったら最高だろうなぁ~!···帰ったら工務店のおっちゃんに相談しよう。
「アキパパ。この飾ってる人形?かな?アキパパとパパが変身したのに似ているのもあるね。これって何?」
「ケン、それはフィギュアやプラモデルっていうものなんだ。アニメやゲームのキャラクターの模型だね。ほら、これなんかは関節部分が動くからいろんなポーズがとれるんだよ」
「へぇ~!かっこいいポーズとかもキメれるね!面白そうだよ~!」
ケンは男の子だなぁ~!プラモに興味を持ったようだね。うちには組み立ててないプラモがないのが残念だね。あったらニッパーとナイフ使って作ってもらうんだけどね。
「アキさん!これって何ですか!?」
「おっ!これね。これはパソコンっていう情報端末だよ。いろんな事ができるし、設計したり、紙に印刷したり、世界中の情報を瞬時にやりとりしたり···。スマホの機能をさらに強化したものだね」
「アキさんの『すまほ』もすごいけど、これもすごいんですね!動かしても大丈夫ですか?」
「いいよ。じゃあ、デスクトップ本体の電源ボタンを押して···。ほら、これで使えるよ。パスワードを入れて···。まずは何がしたい?」
「世界中の情報を見てみたいです!」
「いいよ。じゃあ、ブラウザを開いて···。これが今のニュースだね。このマウスって選択できる端末の左側のボタンを押すとその内容が表示されるよ。戻るときは親指のところにあるボタンを押したらいいよ」
「はーい!ちょっと触ってみますね!」
サキちゃんはやっぱりパスさんのお子さんだね!情報に特化した皇国の皇帝の方針だから、どうしてもパソコンには興味持っちゃうよね~。
その間にハルはうちの狭い浴槽を眺めていた。
「···狭いね。アキと一緒に入れないよ」
「そりゃ一人暮らし用だから仕方ないよ。今のうちが豪華すぎるんだから···」
二人一緒に入る想定じゃないんだもん。ここでは我慢してね。帰ったら一緒に入れるんだから!
「アキ!これって何かしら?よくわからないわね···」
「それは掃除機だね。リオが魔法でいつもやってるでしょ?あれはコレを参考にしたんだよ」
「あ~、そういう事ね!完全に理解したわ。これも電気?で動くの?」
「うちにあるものは全部そうだよ。この世界では魔法が存在しないからね。ここじゃないところで電気を発電して、送電線でうちまで送って、壁にあるコンセントってところに常時供給されてるから、そこにこのプラグを差し込むと使えるんだよ。···こんな風にね!」
ウィイーーーン!!
「へぇ~!便利ね!魔法を使わなくてもこんなに簡単に動くなんてすごいわ!」
ナナは掃除機に興味津々だったね。リオはこれを参考に掃除機魔法を完成させたからね。
「ねえねえ、パパ!これって何?」
「おっ!これは電子レンジだね。電気の力で『水分を含んだもの』を温める機械なんだ」
「へぇ~!火を使わずに温めることができるなんて不思議だね!」
「まぁ、理屈は説明できるんだけど、これって使い方を誤ると危ないからね。そういうものがあるって事だけ知ってるといいよ」
「うん!電気っていろんな使い方ができるんだね!」
「そうだね。この世界の魔法といっても過言ではないかな?···いや、前にリオにも言ったけど、この科学も魔法の一分野だと思うよ」
そうだね。そう考えるとあんまりエーレタニアの魔法とも変わらないけどね。
こうしてみんながいろんなものに興味をしてしている中、事件は起こった!!
「···あれ?なんだろう?この『ひみつの部屋』ってのは?」
「あっ!?サキちゃん!!それを触っちゃダメだーー!!」
「えっ?触るって、こう?」
サキちゃん!?なんでボクのピクチャフォルダに入ってる隠しフォルダを見つけちゃったの!?前回のリオもそうだったけど、どうしてすぐに見つかっちゃうんだ!?そんなにわかりやすいのか!?
そして、止める間もなく、今度は中が見られてしまった···。あ、これはマジでアカン。終わったわ。ハルや子どもたちに見られちゃった···。
まじまじとえっちい画像を見られて、ナナがハルを焚き付けた!
「···あ~、アキってこういうのが好みだったのね~。ハル~?どう思う?」
「···どう思うってどういう事?···女性の裸ばっかりで何が問題?」
「···ハルがこういう反応するの忘れてたわ。アキが浮気するかもしれないって事よ~」
「そんなことしないよ!?ボクにはハルしかいないよ!!」
「···私もアキはそんな事しないって断言できるよ。···裸なら私がまいに」
「ちょっとーー!?ハルさん!!それ以上は言っちゃいけないよ!!」
「聞いたあたしが間違ってたわね!このお話は健全なんだから、今のはなしよ!サキちゃんもその画面を閉じようね~。(···ハルとアキっていつもそうしてるのかぁ~)」
「ごめんなさい!男の人ってこういうのが好きってママから聞いてたけど、アキさんもそうだったんですね。安心しました」
「ちょっとサキちゃん!?パスさんから何聞いてるの!?」
「ママは『男の弱点』って言って、相手を揺さぶるのにはちょうどいい!って言ってました」
···パスさん?娘に何を教育してるんです?
もう~!元の世界に戻ったというのにトラブルが発生するなんて思ってもいなかったよ~!
リオくんに続いてサキちゃんまでアキくんの『ひみつの部屋』にたどり着いてしまいました(笑)!
PC内のデータ整理は重要ですし、どこに何があるのかを分かりやすくしておくのは大事なんですけど、こういったものまでわかりやすくアクセスできてしまうのは問題ですね~。やはりサキちゃんはパスさんのお子さんですね。こういった情報探索は得意です(笑)!
アキくんの性癖が全員にバレてしまいましたが、すでにエーレタニアに10年以上生活してますし、さらにお子さんまでいるので、今のアキくんの性癖は変わっているとは思いますよ?ハルちゃんとはいい夫婦生活を過ごしてますからね(笑)!さらっとハルちゃんがバラしかけましたが···。
さて次回予告ですが、狭いワンルームに9人はさすがに窮屈ですし、おなかも空いてきたので近くにあるファミレスで昼食にすることにしました。ファミレスのドリンクバーで大はしゃぎする子どもたち!満腹になるまで食べた後、予想外のハプニングがアキくんを襲います!いったい何があったのでしょうか?
明日も朝と夜に1話ずつ投稿しますので、お楽しみに~!




