15-3.ナナとサキちゃん、究極の寝起きドッキリを仕掛ける!
本日は10連勤明けで明日から4連休なので、ドライブしており、名神高速の草津PA(滋賀県)から投稿してます。明日は草津温泉(群馬県)から投稿するぞ~!
グロー歴514年9月12日 晴れ
リオの朝は非常に遅い。
それは単にぐうたらなわけではないんだ。リオがお寝坊さんなだけなんだよ。
そのためにみんなはリオより早く起きるんだけど、朝食はだいたい昨日の残りを確保しているんだ。
ただし、前日の夕食が失敗作だった場合は悲惨だ。食事の確保すらままならないんだ。その時は朝抜きになっちゃうし、さらに困窮した場合はうちに逃げてくるんだよ。
そんな毎日に変化が起きたんだ。そう、サキちゃんがホームステイでリオの家に泊まってるからだ。
「リオおじさーん!朝だぞ〜!」
「ぐおー···、ぐおー···、すぴー···、すぴー···。ん~~···、むにゃむにゃ···」
どうも今日は先日買った目覚まし時計をかけ忘れてたみたいだ。当然ナナはすでに起きてゆっくり朝風呂に行っている。リオはいつも通り寝相が悪くて、今日はベッドの下に潜り込んで寝ていたんだ。
···今日は寝室で寝ていたね!さて、サキちゃんはどうするか?というと?
「目覚まし時計かけ忘れてるな〜!そんなうっかりさんにはおしおきだ〜!」
両足を掴んで引きずりながら寝室を出て···、浴室にやって来た!まだナナが入ってるのに···。
バーーーン!!と浴室の扉を開けたサキちゃん!もちろん服は脱いで、リオもちゃんと脱がせた状態にしてあるよ。これでもリオはまだ起きないのか···。
「きゃっ!?···って、サキちゃん!?ビックリしたわ〜。で?朝風呂かしら?」
「おはよー!ナナお姉さん!アキさんが気持ちいいって言ってたから入りに来たよ~!寝坊助リオおじさんも連れてきた!」
「リオも!?···(ニヤリ!)いいわね~!リオにも気持ちいい朝風呂を体験してもらいましょ!」
「うん!リオおじさんの体を持ってもらえる?」
「いいわよ〜!今日は頭から湯船に入れずに足から入れて、リオには気持ちよく入ってもらいましょうね~!」
そうしてリオは丁寧に湯船に入れられた。リオが起きるまでの間にナナとサキちゃんは体を洗いっこして楽しんでいたんだ〜。
10分後···
「んぁ~~?暑いぞ~~?···え?···あれー?···ここはー?温泉ー?···なんでー?」
「「(せーの!)キャーーー!?えっちーー!!」」
ナナとサキちゃんはわざと大声を出したんだ!その声を聞いて意識がハッキリしたリオは···
「ヘっ!?···わーーーー!?ごめんよー!?どうして!?どうしてこんな事にぃーー!?」
寝起きドッキリを仕掛けられたとはまったく思ってなかったリオは、寝ボケて温泉に入ってしまったと勘違いしてしまい、慌てて出ようとして、すっ転んでしまった!
リオは全裸のまま、慌てて部屋へ戻って行くところで、今度はなんとリナに廊下で出くわしてしまった!
「へっ!?きゃーー!パパ!?ちょっと!?なんで全裸ーー!?いやーーー!!」
「リ、リナー!?ち、違うんだーー!!あ、ありのまま今起こったこ、ぶへぇっ!?」
リナは瞬時に身体強化をかけた!
リナの拳がリアルに光って唸る!『醜態をさらけ出した父親を殴れ!』と、とどろき叫ぶ!!
渾身の『世界を制するかもしれないぐらいの、乙女の強烈な右ストレートぱーんち!』が、リオの竜気を貫通して左ほほにクリティカルヒーット!
きれいな放物線を描きながらリオはトイレの扉にぶち当たって···、突き破ってしまった!
しかも、運悪くトイレにはケンがいたんだよ···。
「うわぁ!?···って、パパ!?なにしてんのさ!?しかも素っ裸!?」
「イタタタ···、えっ!?ケンーー!?ご、ごめんよー!?」
状況がわかってないケンはオロオロとして、リオは慌てて逃げようとするけど、前には激おこぷんぷん丸状態のリナが立ち塞がり、脱衣所からはナナとサキちゃんが出てきた!
サイドアタック状態になり、もはや逃げられなくなったリオ。まさに『前門の虎、後門の狼』状態になってしまったんだ。
まぁ、前も後ろもドラゴン族だからどっちも竜だね。···字面からして虎や狼より怖いけど。
うちだったら神狼族だから、どっちも狼だなぁ~。
観念したリオは全裸で正座して土下座しちゃったんだよ···。
「今日の寝ボケはひどすぎた!って自覚あるぞー!この通り、ごめんなー!」
「(ちょっとやりすぎちゃったかしら?でも、ネタバレしたら逆に怒られそうだわ~!)まぁ、いつもの事だけどさ?いい加減なんとかしようとしなさいよ?アンタも、サキちゃんの荒い起こされ方とか嫌でしょ?」
「お、おう···」
「じゃあ、さっさと着替えて朝食作ってちょうだいよ?」
「わ、わかったぞー。すぐに作るぞー!」
そうしてリオは服を着るために部屋に戻ったんだ。リオがいなくなった廊下で、ナナとサキちゃんはリナとケンにネタばらしをしたんだ。
「な〜んだ···、そんな事だったのね?まぁ、いいクスリになったんじゃないかしら?」
「でも、今までで1番過激な起こし方だったんじゃない?ぼくが入ってたトイレのドア壊しちゃったし···」
「あ〜···。二人とも、この事はリオには内緒よ。ドアの修理代もリオに払わせましょう!あっ!?リオのパジャマは脱衣所に残ったままだわ!?朝食作ってる間にクリーンかけてタンスにしまっておかなくちゃ!証拠隠滅しないと!」
「ママ···。鬼だわ~」
その日の朝食は今までで1番上手にできてたらしいよ?リオは本当に悪い事しちゃったー!って反省したからだろうけどね。
ただ、反省したらまともな食事が出るってナナは気づいたけど、さすがにかわいそうだから、これ以降はここまでひどいドッキリはやらないみたいだね。···それっていつまでもつかなぁ~?
そんなドタバタがあったってボクが知ったのは、午前10時ぐらいだったよ。ちょうどハルとパスさんと一緒にアクロの街の散策と買い物に行こうとしてた時だったんだよね。
「アキー?今から出かけるのかー?」
「そうだけど?···どうしたの?しょんぼりした顔してるけど、何かあったの?」
「実はなー···。寝ボケてナナとサキちゃんが入ってた朝風呂に入り込んじゃって、思いっきり怒られたんだぞー。慌てて出たら素っ裸だったところをリナに見られて思いっきり殴られて、その勢いでケンが入ってたトイレの扉を壊してしまったんだー」
「···おぉぅ。なんだか昔あったドッキリカメラみたいな大ハプニングだなぁ〜。ちょっと過激すぎるけど···。だったら、工務店さんとこに扉の修理を依頼しに一緒に行こうか?」
「おう···。さすがに今日はちょっとお寝坊を反省するぞー」
「いつもは反省してないのか···」
というわけで、リオも一緒に行くことになったんだけど、そこにさらにサキちゃんまで加わったんだ。
「サキも行くー!ママと一緒にお散歩〜!」
「ええ、いいわよ〜!サキ、お昼はおいしいもの食べようか?」
「食べたーい!」
「ははは。じゃあ、みんなで出かけようか!久しぶりにお昼は外食だね!」
子どもたちは鍛錬を始めようとしていたけど、今日は休止して、のんびり過ごす事にしたんだ。
このお話から第6話までは本作完結まで執筆後に書いた追加エピソードなんです。
本来は昨日の第2話の次は第7話だったんですが、あまりにもサキちゃんのホームステイエピソードが少なすぎたので加筆したんですよ。
今回のドタバタは特に何も考えずにキャラに任せて適当な日常の光景を書いてたらこんなピタ〇ラスイッチ的な事になってしまいました(笑)!作者本人も書いていて予想がつかなかったですよ。
さて次回予告ですが、10年ぶりにアクロに戻ったパスさんが町内を散策します。冒険者ギルドでは久しぶりに会う知り合いと大盛り上がりになり、パスさんがいない間にできた新名所に案内したりしますよ~!
お楽しみに~!




