15-1.ホームステイの準備
本日朝の投稿で第14章が完結したので、昼にネタバレ集、夕方に設定資料集を投稿しています。
そして!このお話から第15章全20話をお届けしますよ~!
「おっはよー!今日からサキをよろしく頼むわね!」
「おはよー!今日からお世話になります!」
「おはよう、パスさん、サキちゃん。それにヒズさんもお手間かけさせてもらってます」
「おはようございます、アキ様。今日からじゃじゃ馬···、コホン、失礼。サキ様のホームステイの件でお世話になります」
「いえ、どこまでできるかわかりませんが、精一杯やらせていただきますね」
「じゃあ、ヒズ!手続きしてちょうだい!」
「かしこまりました。···こちらで皆さまの出国手続きが完了いたしましたよ」
「ありがとうございます、ヒズさん。じゃあ!みんな、準備はいい?」
「「「「おーー!」」」」
「じゃあ、リオ!いっくよ~!」
「おうよ!せーの!!」
「「インテグレーション!!」」
変身は久々だね!まぁ、しない方がいいに決まってるけどね。
「おーー!?これが究極の創作魔法なんだ〜!かわいいね~!」
サキちゃんは大喜びだよ。着ぐるみだから子ども向けって言えばそうなんだけどね。
「じゃあ、転移するよ~!みんな、手をつないで!」
ちょっと!?サキちゃんがボクに抱きついてきちゃったよ!?まぁいいか!
「じゃあ、パスさん!ヒズさん!ありがとうございました!それじゃあ、失礼しますね!」
そして転移すると、アクロの門の手前にある茂みに着いた。ここは転移するスポットに登録してる地点だ。ここから2分で門に着くから便利なんだよ。
こっちは雨は降ってなかったね。
そしてボクはみんな転移できた事を確認した時!な、なんと!パスさんまでついてきてしまっていたんだ!
ボクは変身を解いて聞いた!
「な、なんでパスさんまで来ちゃったんです!?」
「私だってたまには温泉入ってゆっくりとくつろぎたいわよ。まぁ、さすがに年明けまでゆっくりはしないけどね~。今回は南方へお仕事に行く予定があったから便乗しちゃったわ」
「ケイさんはどうするの?置いてきちゃったけど?」
「ケイも実は昨日からこっちに向けて『仕事』よ。エイテ帝国ヘの街道の状況の確認ね。ここで落ち合って一緒にお仕事に行くのよ」
「···ちゃんとヒズさんに言ってるんでしょうね?」
「···も、もちろんよ!?さすがにそこまで勝手はできないわよ!?」
「···はぁ~。うちに着いたら速達便で手紙書いてよ?パスさんはうちに泊まってもらって、サキちゃんはリオのところで寝てもらうよ」
「サキはいいよ~!毎朝リオおじさんを起こしてあげるね~!」
「それはやめろー!ちゃんと起きるから大丈夫だぞー!目覚まし時計も買ったからなー!」
···結局痛みでしか起きれないんだね。まぁ、これをきっかけに起きれるようになったらいいけどね。
しかし、長期で皇帝が不在っていいのかなぁ~?サキちゃんを送り返した時にはヒズさんに何か差し入れ持って行こう。
そんなわけで10人と1匹がゾロゾロと門に向かった。ボクたちは町民専用門に向かうと、パスさんたちまで一緒に来ちゃったよ!?
「もっちろん!私は一応ここを拠点とする調査冒険者よ?だから町民登録してるに決まってるじゃない!」
「パスさんはいいとして、サキちゃんまで登録してるの!?」
「あったりまえでしょ?親が登録してるんだから娘も登録してるわよ。ちゃんと税金も払ってるしね!皇国の税金からだけど」
「本当になんでもありだなぁ〜。まぁ、とりあえずうちに行きましょうか」
「久しぶりだけどあんまり変わってなくて安心だわ~。荷物置いたら冒険者ギルドに顔出ししとこうっと!」
約9年ぶりにアクロに戻ったパスさんは懐かしんでいたね。通り過ぎる人たちの中にはパスさんに再会できて嬉し涙を流す人までいたよ。信頼されてたんだなぁ~。
そしてボクの家に到着したんだ。
「うんうん!きれいに使ってくれてるわね。じゃあ、サキ。荷物置いたらこっちの家に来なさいね~」
「は〜い!」
こうしてサキちゃんのせいかホームステイが始まったんだ。
「お〜!部屋の中もなかなかいい感じじゃないの。プレゼントしたかいがあったわね~」
「大切に使わせてもらってるよ。温泉準備しとこうか?」
「そうね〜!ここの温泉に入るのも久しぶりだしね」
「じゃあ、準備しとくね。ついでに部屋も片付けるけど、ベッドはどうする?ないから買ってくるけど?」
「そうね!お願いしちゃおうかな?しばらくは寝袋で対応するわ」
「じゃあ、後で工務店さんに発注しとくね。サキちゃんの分も発注しとくよ」
「お願いね~」
今回は1週間で帰ってきちゃったから家の中はそんなに汚れてなかったよ。軽く浴槽を水洗いしてから源泉を注ぎ込んだ。
溜まるまでは時間がかかるから、その間に物置となっていた部屋の荷物を全て無限収納カバンにしまう。これで部屋の中は空っぽになったね。
次に工務店に行ってベッドの発注をしよう!出かけようとすると、サキちゃんがやってきた。
「あっ!?どこか出かけるの〜?サキも行く〜!」
「工務店に行くんだ。サキちゃんのベッドを作ってもらわないとね~」
「だったら私も行く〜!」
「いいよ。一緒に行こうか!」
という事でボクはパスさんとサキちゃんを連れて工務店にやって来たんだ。
「すいませーん!いらっしゃいますか~?」
「いるよ〜!ちょっと待ってくれ!」
しばらくすると大工のおっちゃんが出てきたよ。
「待たせたな!って!パスさん!?久しぶりじゃあないか!帰ってきたんだな!?」
「ご無沙汰してたわね~。ちょっと別の国での仕事が長引いちゃってね~。しかもその国で結婚しちゃったから戻って来れなかったのよ~」
「そうだったのか!って事は隣の子が?」
「そうよ!娘よ~。別の国での体験をしてもらおうと思ってアキくんのとこにホームステイするのよ」
「へぇ~、そういう事か。嬢ちゃん!ここはいいところだぞ。ママがずっと拠点としていてくれたところだからな!」
「うん!サキも楽しみ〜!」
「そうかそうか!で、何かうちで発注するものがあるのかい?」
「そうなのよ!しばらくは滞在するけど、ベッドがないのよ。2つお願いできないかしら?」
「お安い御用だ!ふとんはあるんだったら簡易な組立式のもので良ければすぐに用意できるぞ?」
「それでいいわ。お願いできる?」
「おう!ありがとな!」
組立式を2セットパスさんが購入したよ。しかもかなり割引いてもらってたね。すでに在庫があるなんて、温泉宿が多いからだろうなぁ~。多分エクストラベッド用だと思うけど。
この後は食料品を買い込んで家に帰り、ベッドを組み立てた。工具いらずにできちゃったよ。全部はめ込み式だったから楽ちんだったね!
そして昼食の時間になったので、手早くできるパスタ料理をリオ一家込みで食べたんだ。
「おいし~い!アキさんって料理も上手なんだね!」
「お口にあって良かったよ。お城では結構豪華な料理ばかり食べてただろうからね」
「そんな事ないわよ?うちは接待以外は庶民の料理よ」
「へぇ~、そうなんだね?」
「食費も税金だしね〜。ケイも元冒険者だから宮廷料理って食べ慣れてないからね。今後はサキも一般社会で暮らすんだからなおさらよ」
「···税金で遊んでる人がまともな事を言ってるよ」
「アキくん?私だって倹約するところはするわよ!···思いっきり使う時は使うけど」
「はいはい。じゃあ、そろそろ温泉の準備が完了してるから入っておいで」
「は〜い!サキ、行くわよ〜!」
「うん!リナお姉ちゃんとナツお姉ちゃんも入ろう!フユお兄ちゃんとケンお兄ちゃんも入る?」
「···えっ!?お、おれはいいよ!」
「ぼくも遠慮しとくよ。ゆっくり楽しんでおいで」
「じゃあ、わたしは一緒に入るわ。ナツもいい?」
「···うん。いいよ」
パスさんとサキちゃんと一緒にリナとナツが入りに行ったね。さすがにフユとケンは遠慮したね。うんうん!ちゃんとわきまえて偉いぞ。
「じゃあ、アキくんも一緒に入る?見た目女の子だし、私たちはいいわよ?」
「入るわけないでしょ!!」
なんとパスさんまでついてきてしまいました!
パスさんにとっては王国の情報を収集する目的でそこそこ長期間滞在してましたので、町のみんなとは顔見知りなんですよね~。
そしてサキちゃんは予想通りリオくんの家で寝泊まりすることになりました!これから毎日リオくんは過激な起こされ方をする事が確定してしまいました···。
ちなみに、史上最大規模の起こされ方をこのあとおみまいされてしまいますので、ご期待下さい(笑)!
さて次回予告ですが、ちょっとした歓迎会を開き、アキくんは久しぶりに大量にお酒を飲むのですが、それを見たサキちゃんはお酒に興味を持ってしまいます。
子どもたちも興味を持ってしまい、飲酒の年齢制限のないエーレタニアなのでちょっとだけ試しに飲んでもらうことにしました。すると様子がどんどんおかしくなっていきます!
あんまり褒められるような内容ではありませんが、お楽しみに~!




