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【完結済・第6章まで加筆修正完了】アキの異世界旅行記 ~旅先でなぜか変なフラグ立ってトラブルに巻き込まれて···ホント困ってます~  作者: ぷちきゅう
第13章 にぎやかな家族旅行 そして建国祭での格闘技大会

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13-28.(番外編)気になるあの子 ユキ編

 第13章本編は完結しましたが、番外編を今日と明日投稿します。

 私はユキ。王都リスタの近くにあるリム流槍術の総師範の一人娘なのよ。


 レオナード王国の首都リスタで格闘技大会が開かれるらしいわね。年齢無制限らしいし、ちょうど腕試しにはもってこいね!

 

 そう思って私は一人で家を出て、リスタに向かった。もう道場では父と母以外に私に勝てる者がいなかったからね。

 

 リスタでは初めて宿に泊まったけど、結構ボロボロの宿だったわ。···選ぶの失敗しちゃったかしら?

 

 まぁ、部屋で寝れるだけマシか。

 

 

 今日から格闘技大会ね!ちょっとベッドが固すぎて体が痛いわ···。失敗したなぁ~。

 

 さて、申込みをしたら締切ギリギリだった。だから明日の予選に回されちゃったわ。これは仕方ないわね。せっかくだし、試合を見ていきましょうか。

 

 ···ダメね。みんな素人がほとんどだわ。今日の相手じゃ、最初の方の剣士以外は手応えなさそうだわ。

 

 やっぱり年齢無制限だと大人ばかりね。子どもがいたら面白いんだけど···。

 

 そう思ってこの日は宿に戻ったの。

 

 

 次の日。会場に入り、控室に早めに入った。

 

 今日の選手はそこそこ出来そうだ。これだったらいい腕試しになりそうだわ。

 

 そう思ってると、もうすぐ試合開始というタイミングで3人の子どもが入ってきた。

 

 ···!?な、なに!?尋常じゃない強者の気配がするこの子どもたちは!?

 

 二人は獣人?もう一人は珍しいドラゴン族だ。しかも青竜?飛行が得意で戦闘向きじゃないらしいけど、明らかに強い!!

 

 こ、これは···!腕が鳴るわね!全力で戦える相手を見つけたわ!

 

 ···!?こっちを見た!?いけない!ジッと見ていたから睨みつけたと思われたかもしれないわね。

 

 すると、因縁をつける選手がいた。バカなヤツね。相手の力量もわからないんじゃ、この先勝てないし、ここであの子にやられるだろう。そう思っていたら、女性の剣士が止めに入ったわね。

 

 助かったわね?そんな事にすら気付けないんじゃ、予選敗退は間違いなさそうだわ。

 

 そして、予選が始まった。

 

 

 ···あの子たちはレベルが違いすぎた。

 

 女の子は開始1秒で全員の急所を突いて、文字通り瞬殺だった···。私でもギリギリ目で追える程度だった。

 

 次のドラゴン族の子もすごかった···。

 

 剣を胴に振り当てて相手を場外まで吹っ飛ばした!?さらには素手で相手の武器を掴み、そのまま相手同士をぶつけて倒し、最後は見たことのない剣技で全員を場外へ一撃で吹っ飛ばした!

 

 私、優勝は厳しそうね···。世の中、上には上がいると思い知らされたわ。

 

 私の試合は無難に終わらせたわ。さすがに多数相手はしんどかったけどね。

 

 最後の方にあの男の子の試合だ。この子は特にすごかったわ···。

 

 素手で格闘していたのよ!剣持ってるのに!

 

 決してナメているわけではなかった。みぞおちにパンチを食らわせて吹っ飛んだ相手は、あれだけの勢いで飛んだにも関わらず大けがしておらずに気絶してるだけだし、見たことのない投げ技や最後はこれも見たことのない剣技で倒してしまったわ···。

 

 この後の対戦相手としては強敵ね。どう相手するかを考えつつ帰ろうとすると、つけられてる気配がしたの。···うまく気配をごまかしてるから居場所を特定できないわね。なら、おびき出してやる!

 

 出てきたのは黒尽くめの2人。私相手に2人なんてナメられてるわね!思い知らせてやるわ!

 

 その時だ!足元が泥で沈みだして動けなくされた!?マズい!このままではやられる!?

 

 そう思ったその時だった!

 

 

「やめろぉーー!!」

 

 

 誰かと思ったらさっきのあの子!?いつの間に!?

 

 1人を見たことのない剣で倒していた。けど、もう1人は私を狙っていた!間に合わない!やられる!

 

 その時だった。あの子が一瞬でもう1人の背中を突いていた!

 

 た、助かったの?敵が倒れ、男の子の顔を見ると···。

 

 さっきと顔が違う!?いや、顔に紋様が···?しかも、瞳が金色に輝いている!?

 

 ど、どういう事!?その子に聞いたらもとに戻ったわ···。変身する種族?そんなの、聞いたことがないわよ!?

 

 別れ際に回復魔法をかけてもらったけど、今までとは比べ物にならないぐらい気持ちよくって、元気まで湧いてきたわ!?···どうなってるのかしら?

 

 私はその子に興味を持ってしまったわ···。この子は···、いや、フユくんは···、是非とも手合わせしたくなった相手だわ!

 

 話していると、なぜか楽しかったわね!初めて会ったっていうのに妙に気が合ってしまったわ。

 

 強い相手を探して格闘技大会に出場してみたけど、これは思わぬ出会いだったのかもね!

 

 

 次の日、控室に行くと、フユくんたちが先に入っていたわ。その時に双子の妹さんのナツちゃんと、ドラゴン族のケンくんを紹介された。

 

 ···やっぱり強さの格が他の選手と違いすぎるわね。いったいどうやったらこんなに幼いのにここまでの強さを得れるのかしらね?

 

 もうちょっとお話をしてみたいところだけど、ここからは本選だ。そして、目の前の子も私の相手となるのよ!あんまり話すと、いざ試合という時に感情に流されかねないわ。

 

 手早くあいさつを済ませて、私はフユくんたちから離れた。もちろん、試合は見せてもらったけど···。ナツちゃんはあっという間に倒し、ケンくんは相手に敢えて攻撃箇所を伝えて、意表を突く巧みな攻撃をしていたわ。···普通の相手ではかなわないわね!

 

 次は私だ。相手は斧使いね?こういった力任せの相手はやりやすいのよ。リム流槍術は相手の力を利用する事を主眼としているの。だから、こういった相手は楽ね!

 

 槍で斧の軌道を変えてやり、バランスを崩したところを足払いをかけて派手にすくいあげてやって終了よ。

 

 次はフユくんの試合ね!今回も素手で格闘する気だわ。相手も素手だけど、なかなかフェイントが巧みだ。最初の1発はモロに受けてしまっていたけど、ほぼノーダメージのようだったわ。

 

 ···どんな倍率の身体強化をしてるのかしらね?信じられない防御力よ?その後は相手の動きを見切ったのか、すべて避けてしまっていたのよ。しかも笑顔で!

 

 戦うのが楽しいのかしら?とんでもない子ね!

 

 それ以降もとんでもない戦いをしていたわね。一番印象にあったのはケンくんが弓を0距離で撃って終わらせた試合ね!たった1発で試合を決めてしまったのは驚きだったわ!

 

 

 そして、次の日は私とフユくんの試合になった。

 

 控室で話をしたら、『勉強させてもらう』って言ってきたのよ!···初めて聞いたわよ。道場でも試合の時にそんな事を言ってくる相手は全くいなかったわ。

 

 ···ふふっ!勉強ね?いいわ!私の技を見せてあげる。そして、フユくん?あなたの技も『勉強』させてもらうわ!

 

 そして私とフユくんは会場に立った。フユくんは気持ちいいぐらいの笑顔だった。本当に楽しそうで、勉強する気なんだなぁ~。

 

 試合が始まり、カウンターを仕掛ける構えを取ると、フユくんはすぐに見破ってしまったわ!ちょっとだけ言葉で誘っても乗ってこないし、本当によく気づくわね~!

 

 そして奥義に近い槍技をぶつけてみたけど、あっさりと防がれてしまった!?初見で防がれるとは思わなかったわね!

 

 次にフユくんが剣技を繰り出してきた!しかも4連続!?一撃が速すぎるし、とてつもなく重い!!槍を持つ手がどんどんしびれていく!逃げるので精いっぱいになってしまったわ!

 

 でも···、すごいわ!それに楽しい!試合がこんなに楽しいなんて初めてよ!こんな貴重な体験をさせてくれたフユくんには感謝しかないわね!

 

 

「···先に言っておくよ。ありがとう」

 

 

 ···この言葉は今でも忘れられないの。とっても素敵な言葉だったわ!もっと一緒に試合をしていたいと初めて思わせてくれた。

 

 ···もしかして、これは恋なのかしら?こんな思いは初めてだからわからないけど、うれしいのは間違いなかった!

 

 結局は負けてしまったけど、わざわざ救護班じゃなくてフユくんが回復魔法をかけてくれたのも嬉しかった!

 

 準決勝、そして決勝と大荒れな展開だったけど、決勝で見せた氷魔法も美しかったわね!

 

 

 そして、大会終了後、フユくんのお父さんであるアキさんが話しかけてくれた。

 

 恋人?って聞かれて、私はドキッ!としてしまったわ!やっぱりほかの人にわかってしまうのかしら?フユには気づかれてなかったから安心してたんだけどなぁ~。

 

 そして、私はフユと別れ、道場に戻ることにしたの。

 


 帰ると、すぐに両親から結果を聞かれたわ。



「ユキ?大会はどうだった?何か得るものはあったか?」


「ええ、お父さん。試合は準々決勝で負けてしまったけども、初めて試合が楽しいと思える素晴らしいひと時を過ごせたわ!」


「ほう?試合が楽しいか···。素晴らしい相手だったのだな?」


「···ふぇっ!?そ、そうね!とても···、素晴らしい相手だったわ」


「あらあら?ユキ?顔が赤くなってますよ?···もしかして、試合相手に恋をしたとか?」


「こ、恋!?い、いや!それは···」


「ほう?ユキを倒してしまうほどの実力者か。どのような男なのだ?」


「お···、男の子です···。背は私より少しだけ小さくて···、かわいい顔をしたかっこいい獣人の子です···。見たことのない剣術の鋭い技を連発してきました···」


「ふむ···。その子は凄まじいほどの実力を持っていると···。そして、見たことのない剣術か···。これは一度会ってみたいものだな!私が直々に実力を見極めよう」


「あなた、私も見極めたいですね。うふふ!会える日が楽しみね~!」



 あぁ~···。お父さんもお母さんもやる気になってしまったわ···。


 でも、私も早く会いたいわね!

 

 ···次に会う時は、あなたの技を参考にした私の新技を見せてあげる!!

 格闘技大会をユキちゃんの視点で語ってもらいました。

 フユくんに助けてもらい、そして試合を通じてフユくんのことが好きになってしまったユキちゃんは両親にも伝え、その両親にも気に入られてしまいましたね!この先でフユくんが道場を訪れるお話を書いておりますので、どうなるかはご期待くださいね!


 さて次回予告ですが、番外編2話目はコルくん視点です。どんどんリナちゃんに惹かれていく様をお届けしますよ~!

 明日で第13章がすべて完結ですので、番外編は朝投稿し、昼にネタバレ集、夜に設定資料集を投稿します。


 明日の投稿をお楽しみに~!

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