13-25.アキとハル、久々にデートする
今日はいきなり鯛めしが食べたくなったので、愛媛県東予港からフェリーに乗船しております。安くておいしいですよ~!お昼は丸亀で有名な骨付き鳥のお店でした。
本作ではあんまり書いてないですが、旅は食を楽しむものですよ〜。
明日は朝9時からお仕事なので、エクストリーム出社中です(笑)。前回は失敗して怒られました···。
「じゃあ、ハル。ボクたちもそろそろでかけようか?」
「···そうだね。こうして二人きりで出かけるなんてホント久しぶりだね」
「そうだなぁ~?···思い返してみると、アクロでハルの出産準備の買い物をした以来かな?」
「···そうかもね。···もう忘れちゃったよ」
「まぁ、子育てが大変だったからなぁ~。物心つく前も、その後もね。···どっちかというと後の方が大変だったような気もするけど」
「···でも、もう一人立ちできるだけの実力はあるよ。···ちょっと不安な場面もあるけど、普通の人に比べたらもうだいじょぶだよ」
「ボクはまだ心配だけどね。でも···、そうだね。1人じゃ不安だけど、4人なら大丈夫かな?」
「···アキは本当に心配性だね。それじゃいつまでたってもフユとナツは独り立ちできないよ?」
「うっ!で、でもぉ~···」
「···アキ?あの子たちを、信じてあげようね。私は信じてるよ?」
「う、うん···。そうだね。···やっぱりハルは強いなぁ~」
「···アキがダメダメなだけ」
「···精進します。じゃあ、今日は祭りを一緒に楽しもうね!まずはどこに行こうか!?」
「···どこで何やってるか知らないけど。···アキは知ってる?」
「···ボクも知らない。まぁ、いいか!とりあえず大通りとか、屋台がいっぱいあるところでも行ってみようか!」
「···うん!」
さてさて、子どもたちが先に出発してからちょっとして、ボクとハルも祭りに向かったんだ。
正門にはパレードの準備が行われていたので、通用門から外に出たんだ。お城の前の広場には大きなステージが設けられて、そこでは踊りや歌が披露されていたよ!マイクなんてないのに声とかがよく聞こえるんだよ。これって魔法かな?なかなか興味あるね~!
しばらくステージのショーを見てから、別の場所へ向かった。道中、かわいい竜の着ぐるみを来た女の子もいたね。···気のせいか、見た覚えがあるような?何だったっけ?まぁ、いいか!
次にやって来たのは噴水のある広場だった。ここはゲームとかがメインみたいだね!
ボクは元の世界では祭りって実はあんまり行ったことないんだよね···。人混みが好きじゃないってのもあったし、屋台で売ってるものが高くて買う気もしなかったってのもあるからなんだよ。
でも、今はハルと一緒に見て回るだけでも楽しいね!さて、何かゲームをやってみようかな?と思って歩いてると、射的の屋台があったんだけど、もうこの時間で店じまいを始めていたんだ。
ん?こんな午前中にもう閉店?人気ありすぎて景品がなくなっちゃったのかな?ボクは1回だけ元の世界でやったことあったけど、なかなか景品取れなかったんだよなぁ~。
ハルは狙撃が得意だし、跳弾射撃までやっちゃうからこういうのは得意じゃないかなぁ~。···でも、ハルがやっちゃったらお店潰れちゃうか!お店の人がかわいそうだからやめとうか。
次に見たのは···、金魚すくい?エーレタニアにもあったんだなぁ~。元の世界よりも紙はぶ厚そうだけど、見てたら魚が元気すぎてピチピチ跳ねて破って逃げたね!
···もしかしてこの魚って魔獣?気になって魔獣レーダーで確認したら···!本当に魔獣かよ!?手なづけてるのかよ!?おぉ~···、これってリリースしちゃダメなヤツじゃね?って、マジで違法じゃないの!?
···後で女王様に報告しとこうっと!ちなみに最高記録は50匹って書いてあったよ。···どうやってこんな凶暴な魚をそんなにたくさんすくったんだ?
···なんだか微妙な屋台が多いなぁ~。もうちょっとだけマシそうなやつは···。あった!
「ハル?この屋台で遊んでみない?」
「···?これって?」
「ここに球を入れて打ち出して、いろんなところにある穴に入ったら景品とかがもらえる『パチンコ』っていうゲームだよ。誰でもできるゲームなんだ。エーレタニアでもあるんだなぁ~」
「···面白そうだね。やってみようか」
ということでハルと一緒にパチンコを楽しんだ。···でも、なぜかハルの方が得点がよかったんだよ。なんでだろうね?運要素しかないはずなんだけど?ボクって、運が悪いのかな?
「···なかなか面白かったね。···なんだか一番いい景品もらっちゃったけど?」
「···ハルさん、マジでパネェっす」
「···?意味がわからないけど?」
「あ、いや!すごかったよ···。そろそろおなかが空いてきたね!買い食いしに行こうか!」
「···そうだね。変わった食べ物とかあるかな?」
「良さそうなものがあったらボクが再現してみるよ!」
···ちなみに他にもゲームあったんだけど、ダーツや輪投げって、ハルだと百発百中だろうし、お店の人が泣いちゃうだろうから敢えてスルーしておいたよ。
さて、屋台街に来てみたんだけど、この時間でもかなり混んでたね。さあ、何にしようかなぁ~?
そんな中、とある屋台が気になった!!あ、あれはコレクタでも見かけたあの店か!?
「いらっしゃい!何にするんだい?」
「ラーメン2つ!」
「あいよ!嬢ちゃんたちはフォークとこの2本の棒のどっちで食べるかい?」
「もちろん箸だよ!ハルもいいでしょ?あと、ボクは男だからね!夫婦だから!!」
「···え?そ、そうなのかい?これは失礼したなぁ~!あんたたちも箸で食べてくれるんだね!?さっきの子どもたちも箸を使っててビックリしたんだよなぁ~!」
「あ~、それって獣人とドラゴン族の子ども2人ずつでしょ?ボクたちの子と知り合いの子だよ」
「そうなのかい!親子ともども来店ありがとよ!···そういえば、しょうゆとみそのレシピを欲しがってたから渡しておいたぞ。アンタが研究してるのかい?役立ててくれよ!」
「本当ですか!?ありがとうございます!これで料理の幅が広がるぞ~!」
「そんなに喜んでもらえて嬉しいぜ!さあ!らーめんおまち!」
「ありがとう!いっただっきまーす!!···うん!おいし~い!懐かしいなぁ~!」
「···うん。おいしいね。こんな料理は初めてだよ」
「ハル!これから家でも食べれるからね!楽しみにしておいてね!」
「···うん。楽しみ」
いやぁ~、ついに、ついに!ねんがんのしょうゆとみそのレシピをてにいれたぞーー!〇してでも奪い取られないようにしないとね!
···でも、いままでさんざん探しまくって諦めていたしょうゆとみそのレシピがこんなところで手に入るなんて、なんでだろうね?
しかもボクがしょうゆとみそが欲しいってなんで知ってたんだろう?···まぁ、いいか!これは嬉しい収穫だったよ~。
この後も屋台で買い食いを楽しんで、ちょっと歩き疲れたから大通りから1本内側に入った落ち着いた場所にあった喫茶店で一休憩したんだ。
ちなみに頼んだ飲み物は『よくわからない、長~~~い名前の飲み物』なんだ。気になって頼んでみたんだよ。ちょっとだけ値段が高かったけど、おいしかったよ。
「いやぁ~、ハルと祭りでデートできて楽しいよ~!思わぬ収穫もあったし、明日も一緒に回ろうね!」
「···そうだね。私も楽しかったよ。···こんなに楽しむことなんて今までなかったから、とても新鮮だよ」
「気に入ってもらえて良かったよ~!これからはこういった時間も増やしていこうね!」
「···うん。···アキと一緒にいると本当に楽しいね」
「あ~···。面と向かってそう言われると照れるなぁ~!はははっ!」
「···ふふふっ!」
喫茶店を出てからは何かショーをやってる場所にやって来たんだ。マジックショーは終わってて、向こうでは大道芸をやってたよ!
お~!?槍を飲んでる!?元の世界だと剣を飲む大道芸があったんだけどね!···って、あの槍、芸人さんの身長より長いんだけど?伸縮式の槍?いや、継ぎ目ないんだけど?
···わからん!これも魔法なのか?いや、大道芸なんだからタネ明かしされても困るんだけどね。
そのお隣では樽の上で逆立ちして、逆立ちした人の靴底に立ってワイン飲んでる人がいたよ!これもすごいなぁ~!
そしてその奥では···!酒の飲み比べ大会があったんだ!···元の世界だったら完全にNGだな。食べ比べでも事故が起こるんだからね。
「···アキ?出てみる?お酒強いし」
「う~ん···。記憶飛んじゃうけど?」
「···だいじょぶ。私が責任もって背負って帰るから」
「···じゃ、挑戦するか!」
···ボクの記憶は予想通りここで途切れたんだ。
気が付いたら夜だったんだけど、ハルに聞いたらボクは優勝したらしく、賞品をもらってハルに抱き着いたところで押し倒しちゃったんだって。
どうも途中からグラスじゃなくて、酒瓶をラッパ飲みしちゃったんだってさ···。しかも5本も···!よくトイレ行きたくなかったなぁ~。どうなってんだ?ボクの体?
もちろん、出場者全員は大会終了後に回復魔法をかけてもらったので、全員二日酔いの頭痛とかもなかったそうだよ。エーレタニアだから成立する大会なんだなぁ~。
当然だけど、みんなはこんなバカな事しちゃダメだよ!?回復魔法ないんだからね!!
子どもたちが祭りを楽しむ様子の裏側的なお話でした。
二人が祭りを楽しむ様子は書いててもほほえましかったですね~。ハルちゃんはアキくんにべったりです。ハルちゃんは普段はこういった感情をあんまり外に出さないんですけど、祭りという熱気を受けてこうなっちゃいました。
さて次回予告ですが、リオくんとナナちゃんが『初デート』をします!結婚して9年も経つのに···。
デートの知識がまったくないリオくんは果たしてナナちゃんを喜ばせることはできるのか!?
明日の投稿をお楽しみに~!




