13-15.格闘技大会 本選 その2
本日2話目の投稿ですよ~!
朝に1話投稿してるので、今日初めて見た!という方は1話前からお読み下さいね~。
「フユは最初油断しちゃってたかな~?1発食らっちゃってたね」
「···相手としてはなかなか良かったね。フェイントについて学べたし」
「そうだね。···もうすでにボクでは太刀打ちできないから、これ以上強くなってしまうと反抗期が怖いなぁ~」
「···だいじょぶ。その時は私が止めてお仕置きするから」
「あー、ハルのお仕置きはオレから見ても過激だからなー。あれには反抗できないと思うぞー」
「まぁ、そんな心配はいらないと思うわよ?あの子たちはあたしたちの事をちゃんと信頼してるからね~。っていうか、反抗期の時期にはもう冒険者になって独り立ちしてるんじゃないかしら?」
「そうだなー。これだけ強かったら、あいつらだけで旅させるのもいい経験かもなー。まー、そのためにはもうちょっと勉強と魔法の訓練が必要だけどなー」
「それってまだ早すぎない?10歳で冒険者になれるって言っても、いきなり魔獣退治とかの仕事は請けさせてもらえないんじゃないかなぁ~?」
「確かになー。でも···、成り行きでやりそうな予感がするんだよなー」
「···あ~。フユとナツはボクのトラブル体質も受け継いじゃってるからなぁ~。これ自体フラグっぽいなぁ~」
驚異的な成長をしちゃっている子どもたちの今後を考えたボクたちだったよ。子どもたちが今後、どういった人生を送りたいのかはまだわからないけど、子どもたちが決めた進路についてはできる限り応援したいね!
この世界は元の世界のように学歴や職歴なんかは関係ない。いつでもやり直しが効くし、何度でもチャレンジできるから、たくさんの経験を積んでほしいってのがボク自身の考えなんだ。
さて、試合のほうは第1回戦がすべて終了し、次からは第2回戦だ!どんどん戦いのレベルが上がってくるから、子どもたちにもいい勉強になると思うよ!
「···お兄ちゃん、お疲れさま。···ちょっとうらやましいな」
「思いっきり楽しんでたね。フェイントだっけ?ぼくたちもあんまりできないから、さっきの試合は見ていても勉強になったよ」
「あはは、対戦相手が良かったよ~。でも、2回戦からは相手がもっと強くなっていくからね。次はどんな勉強ができるか楽しみだよ~!」
「···ナツとケンは次勝ったらお互いが対戦相手。···今回は負けないよ」
「あ~···、そうなんだよね···。魔法も竜気も翼も使用禁止だとやりづらいからなぁ~。ちょっと考えないとナツにすぐ負けちゃいそうだなぁ~」
「···お兄ちゃんは次にパームさん、その次にあの彼女だもんね。···おたのしみが続くね?」
「ちょっとーー!?そういう言い方はヤメテよ~!こればっかりはクジ運なんだからぁ~!!」
「いいなぁ~、フユは。楽しそうでなぁ~」
「仕方ないでしょ!?おれがこうしたくてしたんじゃないんだからぁ!」
···も~、まだまだ根に持ってるなぁ~。特にナツはご機嫌斜めさんだ。···なんか他に理由がありそうな気もするんだけど、よくわからないなぁ~。どうしよう?
ま、今はどうしようもないよ。後でパパとママに相談しようっと。
さて、第2回戦が始まったんだけど、最初はあのものすごく強い剣士さんだ。今回もあっという間に倒しちゃって勝っちゃったね。
···気のせいかな?あの剣士さんって、なにかがおかしい気がするんだ。···なんだろう?ちょっと気になるなぁ~。
そこから3戦は特に気になる事はなかったね。
そして、次はナツの出番だ。
「···ん。···じゃ、行ってくるね」
「頑張ってね、ナツ!」
「さすがに負けることはないと思うけど、頑張って」
···なんだろう?···今日はちょっとだけイライラしている。
···さっきの試合も、ちょっと憂さ晴らしっぽくやっちゃった気がする。···ママがいつも言ってた冷静さが、今日は全然ない。
···どうしてかな?···こんな気持ちって今までなかったと思うから、ちょっと困ってる。···今から試合なのに。
「それでは第5試合、始め!!」
「さっきからボーっとしてるな!さっきの試合のようにはいかんぞ!!」
「···うるさい」
「えっ!?ぎゃっ!!」
···必死に冷静さを取り戻そうとしてるのに邪魔された。···仕方ないから瞬時に背後に回って急所を突いてあげた。···やっぱり普段通りならなかったよ。
「···今回のナツは運が悪かったかな?」
「そ、それまで!!」
···ナツの様子がおかしい。今回も背後に回って1発で決めちゃったけど、明らかにいつものナツの戦い方じゃないんだよ。···イライラしてる?もしかして、さっきの機嫌悪いのも原因なのかな?
「···ナツ、なんだか怒ってるよ?フユ?なんかしたの?」
「えっ!?おれが悪いの!?なにも思い当たらないんだけど!?」
「でも、それしか考えられないんだけど?昨日からここに来るまでナツに何もなかったんだから、兄妹げんかとかじゃないの?」
「そんなことしてないよ!まぁ、今は共有を切ってるからナツが何を考えてるかはよくわからないけど、少なくともおれが原因じゃないと思うんだけどなぁ~」
「う~ん、今のナツって、姉ちゃんが機嫌悪い時に似てるんだけど、それともなんだか違うような気もするんだよね。ぼくもよくわからないんだけどね···」
そんな話をケンとしていると、ナツが戻ってきた。
「···次はケンだね。頑張って」
「うん。頑張るよ」
「···ナツ?何かあったのか?いつもよりご機嫌悪いけど···?」
「···ちょっとだけイライラしてる。···でも、ナツもその理由がわからない」
「···そ、そうなのかぁ~。もし、おれが悪いことしたんだったら謝るよ。ごめんね」
「···ごめん、お兄ちゃん。···ちょっとだけ静かにしていてくれる?···気持ちを落ち着けたい」
「う、うん。わかったよ」
う~ん···。どうしちゃったんだろうね?でも、ナツがそういうならそっとしておいてあげよう。さて、次はケンの試合だ!どういった試合になるかな~?
ナツが今まで見せたことのない表情をしてたね。何があったのかはわからないけど、昨日フユがあのユキって女の子を助けるためにぼくたちから離れてからかな?機嫌が悪くなってきたのは。
朝は普通に戻ったのに、会場に来てあのユキって女の子に会ってからはご機嫌がさらに悪くなったような気がするんだけど、特に悪いことをされたわけじゃないんだけどね。ぼくにもよくわからないなぁ~。
もしかして、対戦相手に恵まれなかったからかな?フユが楽しそうにさっき試合してたから、うらやましくなっちゃったのかなぁ~。
まぁ、いいか。後で考えよう。今から試合なんだしね。
対戦相手は···、短剣使いさんだ。ナツの戦闘スタイルに似ているね。これはナツとの違いを楽しめそうかな?
「それでは第6試合、始め!!」
「よろしくお願いします」
「···フッ!!」
···あいさつの途中なのにこの人も突っ込んできたよ。みんなせっかちさんばっかりだなぁ~。
今回はどうしよう?せっかくだからどんな戦い方をするのかちょっとだけ様子見しようか!そんなに速くないしね。剣を抜かずに相手しよう!
···うん、短剣を使うって事はスピードに自信があるって事なんだよね。でも、ナツと遊んでるとこの程度は遅く感じちゃうんだよね~。だから、当たらないよ?
···う~ん。なんていうかな~。ただ短剣を振ってるだけのような気がするんだよ。作戦なく突っ込んできて懐に入って一撃必殺!って感じなのかな?
まぁ、ぼくの持ってる剣で相手するのもいいんだけど、ここはあえて弓で相手した方が楽しめそうだ!
「はあ、はあ、剣も使わずに小さい弓ぃ!?なめてんのかぁーー!?」
「いいえ。剣をつかうより弓の方が良さそうだったので。1発で決めます」
「ふざけんなぁ!オレの速さでそんな矢が当たるわけねーだろ!これで決めてやる!!」
···ふざけてないよ?弓は長距離攻撃だけど、ぼくのこの弓は小さいから、射程はかなり短いんだ。近距離戦用なんだよ。長距離は魔法があるからぼくには必要ないんだ。
ただね?矢を番える手間はあるけど、こうしてけん制するには有効なんだよ。射程内だったら瞬時に飛んでくるから、迂闊には近づけないしね。
どうも相手さんはその事がわかってないみたいだ。『当たるわけない。外したら勝ち』としか考えてないね。残念だけど、狙撃はぼく得意なんだよ。
ちなみに矢の先端は丸くなってるんだ。それでも当たり所が悪いとケガしちゃうけどね!ぼくは体勢を低くして迎え撃つ。
相手は弓が当たらないようにまっすぐじゃなくてグルグル回りながら近づいてきた。しかも速さをちょっとだけずらしながら。確かに狙いにくいね。怒ってたけど冷静な人だよ。
ある程度まで近づいてきたら一気に突進してきた!この距離なら撃てないって思ったんだろうけど、残念。ぼくが確実に当てる射程は『0距離』なんだ。
今度はぼくが弓を構えたまま相手に突っ込んでいった!相手はビックリしたね。そりゃそうだよ?じっと構えて撃ってくると思ったら、ぼくが突っ込んできたんだからね。
そしてビックリしているスキに懐に入ってみぞおちに1発撃ち込んであげた!
「がふっ!ゆ、弓にそんな使い方が···」
「こんな使い方する人なんてそんなにいないと思いますよ?ありがとうございました。楽しかったです」
「それまで!!」
おお~!ケンの得意の弓技だったね!最近魔力剣ばかり使ってたけども、ケンは弓も得意なんだよ!
さて、次はユキの試合、そしておれとパームさんの試合だ!どっちも楽しみだよ~!
ナツちゃんはちょっと不機嫌だったので、さっさと試合を終わらせてしまいました。
そしてケンくんは今回は思いっきり試合を楽しんでましたね。
ふと気になったのですが、戦いのシーンって皆さんどうやって書いてるんでしょうね?
作者は動きを超スローモーションにして、この攻撃に対してはこう捌く!って感じでやりましたね。ただ、一部『それムリじゃね?』ってのもあるかもしれませんが、そこはファンタジーな世界ということで···。
ある程度は物理法則に従うようにはしてるんですけどねぇ~。
さて次回予告ですが、ユキちゃんの試合と、フユくんVSパームさんの試合をお届けしますよ~!
なお、明日は作者が夜勤なので朝に投稿します。予めご承知おきくださいね!お楽しみに〜。




