13-14.格闘技大会 本選 その1
今日も2話投稿しますね~!
「ナツはあっという間に決めちゃったなぁ~。相手はせっかく棒術使いの人だったのになぁ~」
「···いや、ナツの判断は正しいよ。あまりにも実力差がありすぎたから、参考にならなかったんだよ」
「う~ん···。強すぎるのも問題あるなぁ~。せっかく参考になると思って参加させた格闘技大会だけど、期待外れになっちゃったかな?」
「···そんな事はないよ?この後はナツとケンが当たるでしょ?今回は縛りがあるから、二人がどう考えて戦うかが見ものだと思うよ」
「確かになぁ~。ケンが本気出したら空中戦始めるし、竜気も使うからね。それを封印されてケンがどう戦うか?ってとこかな?」
「···そうだね。ナツがちょっと有利かもしれないけど、結果はやってみないとわからないかな?」
「なるほどね。あとはケンの試合も、うまいこと相手がのせられちゃったね。リオ?どう見た?」
「いやー、相手に自分の手の内をさらけ出してワナにハメるなんて思いつかないぞー!···もしかして、アニメかマンガの影響かー?」
「かもね?それっぽい事をやってるマンガが確かあったと思うよ。もしかすると、アニメやマンガの技を本当に繰り出したりするかもね」
「···すでにアキが変身した時に使う剣術をモノにしてしまってるけどなー」
「···そういえばそうだったね。まさかたった1回見ちゃっただけで使えるようになるとは思わなかったけどね」
「そうだよなー。さて、次はフユの試合だったなー。ま、1回戦は問題ないだろうなー」
「そうだね。油断してそうではなかったからね!」
観客席でボクたちは子どもたちの試合を安心して見つつ、ここまでの成長具合を見れて嬉しかったよ。···ちょっと強すぎるのは問題かもしれないけどね。
試合会場では1回戦第13試合目のユキが会場に入った。相手は斧使いの大男だった。もちろん斧は刃のない木の塊だったよ。こん棒といっても変わらないかな?
やっぱり体格の大きな人がこの大会では有利だったね。予選がバトルロイヤルだから、場外に出ないように体重が重い方が有利だし、耐久力もあるからだろうけど。
でも、おれたちみたいに小柄で勝ち上がった人ってのは技が冴えてるからだと思うんだよね。体格差を技術力でカバーしてるんだ。
まぁ、身体強化以外の魔法が使えなかったらこうなるんだろうね。これに魔法が加わるとパワーバランスがさらに崩れちゃうしね。
「それでは第13試合、始め!」
「ははは!一撃で潰してやるぅー!!」
「···そう簡単に行くかしら?」
ユキは余裕な顔をしていたよ。反対に相手は機嫌が悪くなって、一気に突っ込んできて斧を振り下ろした!
まともに受けたら槍が折れちゃうぞ!?そう思ったら、避けつつもユキは槍を立ててわずかに斜めにした!
相手の斧は槍によって軌道をちょっと変えられて思いっきり会場の石畳を叩いた!相手はユキに当たる!と思って振り下ろしていたのに石畳を叩いてしまって体勢が崩れて前のめりにしまった。
ユキは前のめりになった相手の足を槍で思いっきり払ってすくい上げた!前のめりになった勢いにユキの槍によってすくい上げられた勢いが重なって大男は1回転して背中から石畳に全身を打ち付けた!
「ぐあっ!く、くそ!」
「ここまでよ」
起き上がろうとした大男の喉元にユキが槍を突き付けた。
「そこまで!第13試合、終了!」
「ありがとうございました」
···強い!槍で斧を受けると思わせておいて、実際には攻撃の軌道をそらして避けると同時に相手の体勢を崩しちゃったよ!?
相手の攻撃の軌道を逸らすのは、アイリさんが障壁で魔法を逸らしたのと同じやり方だ!武器でこんな使い方もできるんだね!これはとっても参考になったよ。ただ···、おれの大剣だとちょっと短いからやりづらいかなぁ~?
昨日のユキは多数の相手だったからダメージを受けちゃったけど、1対1なら強いぞ!おれとやるとしたら、勝てるかが微妙になってきたなぁ~。
でも、その前におれはパームさんとの試合があるんだよ。そこで勝たないと、ユキと戦うことはできないぞ!
次はそのパームさんの第15試合だ。
相手も同じ剣の使い手のようだね。さて、どんな試合になるのかな~?
「それでは第15試合、始め!!」
まずはお互い、静かに構えた。パームさんは普通に構える中段の構えに対して、相手は剣を頭上に上げた上段の構えをとった。
パームさんはどんな攻撃にも対応しようとしてるし、相手は一撃必殺を狙っている。近距離戦なら動いたほうが負ける可能性が高いね。さて、どう動くかな?
10秒ぐらいかな?そのまま膠着状態が続いたあと、仕掛けたのはパームさんだった!
でも、間合いをちょっとだけ詰めただけで、相手はその動きに反応して剣を振り下ろそうとしたけど、フェイントと気づいてすぐに引っ込んだ。
そこをパームさんは見逃さず、相手に突っ込んでいった!相手が引っ込んだ事で、次の攻撃まですぐに移れないから、一瞬動きが止まったんだ!
パームさんは横薙ぎの形で胴を狙い、そのままクリーンヒットした!
うずくまる相手に剣を向けてそこで試合終了になった。
フェイントによって相手に自分が思い描いた行動を取らせるのかぁ~。これは参考になったよ!フェイントっておれには難しくてまだやれてないけど、こういう事ができるようになるといういいお手本になったよ。···どこかの試合で試してみようか!
さて、最後はおれの試合だね!さっきまでの試合を見て気分が昂ぶってるよ〜!でも、こういう時が一番危ないんだよ。ママがよく言う、常に冷静にしていろ!だね。
対戦相手は武器を持っていない体術の選手だった。じゃあ、こっちも予選の時と同じようにリオパパ流体術でお相手しようか!
「それでは第16試合、始め!」
「よろしくお願いします」
「ああ、こちらこそよろしく頼むよ」
おっ?礼儀正しい人だね。これはいい相手かな?少なくとも武術家って感じだよ。ちょっと楽しみになってきたね!
さて、どう攻めようかな?···立ち会いは強く当たって、あとは流れで行くか!
まずは突っ込んでみた。相手は正拳突きか?おれを迎え撃つつもりだ。ならこっちはかわして1発入れてみよう!
そして相手の間合いに入ると、予想通り正拳突きが来た!それを躱そうとしたらなんと!肘打ちに変えてきて、おれの顔面にヒットしてしまった!
痛ってぇ~!これもフェイントだな!?正拳突きと見せかけて最初から肘打ちだったんだ。ちょっと素直に突っ込み過ぎたかなぁ~?
「ほう?今のを受けて立ち上がれるのか。しかも大したダメージになってなさそうだな。とんでもない防御力だな」
「いたたた···。いや、思いっきり痛かったよ。まさかあんな攻撃が来るなんて思ってなかったからね。これは面白そうだ!···ナツとケンには悪いけど、この試合は楽しませてもらおう!」
「楽しむだと?試合は遊びではない!なめてることを後悔させてやるぞ!」
「なめてなんかないよ。おれは真剣に戦いの勉強をしてるんだ。『勉強は楽しいものだ』って、パパも言ってたしね。だから、あなたとの戦いを勉強するって事だよ」
「そんな余裕を見せれないようにしてくれるわ!!」
ちょっと怒らせちゃったね。遊びでも余裕でもないんだけどなぁ~。おれは本当に真剣に戦いの勉強をしてるんだから。
今度は向こうからやってきた!次はどんなフェイントをしかけてくるかがわからない。避けてあたるぐらいだったら、当たる直前まで動かないほうがいい!
避けて避けて避けまくって!!どんなフェイントがあるのかを見極めてやる!!
「くっ!このガキ!寸前で避けるなんて!ちょこまかと動きおって!」
「これは本当に勉強になるね。こんなにたくさんの攻撃方法があるなんて思わなかったよ。ある程度対処方法もわかったね。じゃあ、次はおれから行くね!」
相手の動きがだいたいわかったから、今度はおれがマネしてみよう!フェイントをするタイミングは攻撃が当たる瞬間までの時間が短いほど効果的ってのはわかったんだ。だったら、今のオレがやれそうなフェイントを試してみよう!
まずは相手に向かって走り出した!そして間合いに入って相手が攻撃をしてきた瞬間!身体強化でスピードを一気に上げて後ろに回り込んだ!
相手からすれば目の前でおれが消えたように見えたはずだ。後ろに回り込もうとおれが急旋回したもんだから、地面の石畳がちょっと割れちゃったけどね。···これって、あとで怒られないかな?
そして、おれは相手の後ろに回り込んだ勢いのまま、回し蹴りで後頭部を蹴ってやった!!
「ぐっ!?」
不意を突いたことで、相手は倒れてしまったんだ。
「ふぅ~、うまいこといったね。今日もひとついい勉強になったね!ありがとうございました!」
「そこまで!第16試合、終了!!」
最初にしてはうまいこといったけど、なんだかもうちょっとうまくできそうかな?ま、それはこれから考えたらいっか!いい勉強させてもらえて楽しかったよ!
これで次の対戦相手はパームさんだ!
フユくんは試合をめっちゃ楽しんでいますね。
いつもは同じ相手ばかりだったので、新鮮なんでしょうね。
ダメージを受けても、それすら楽しむのは、やっぱり戦闘種族だからこそなんでしょうね。
さて次回予告ですが、2回戦のナツちゃんとケンくんの試合です。
ただ、ナツちゃんは普段とまったく違う戦闘スタイルで挑んでしまいます···。どうしちゃったんでしょうね?
次回は本日夜に投稿しますので、お楽しみに〜!




