1-8.買い出しして出発だ〜!
お待たせいたしました!
本日2話投稿のうちの2話目です。
ここから読み始めたあなた!今日は1話すでに投稿済ですので、まずはそちらからお楽しみくださいね~。
身分証の作成は思っていた以上にスピーディーに終わってしまった。元の世界でもこれぐらい速いと楽だったんだけどね。
劇団長さんからの謝礼金も、身分証作った窓口でその場でチャージしてもらえた。アプリを開くと残高は10万ジールと表示されていた。
まだ時間は午前10時前。明日まで宿は満室だから、もうこの街を出て他の町に行ってみようか?
「リオ、明日まで宿に泊まれないから、もう次の町に行ってみる?」
「そうだなー。できれば劇団から離れたいし、劇団で聞いたカーネたちの件もあるから、カイジの町へ行くかー」
「カイジって町にカーネさんたちがいるんだね?じゃあ、リオの元気そうな顔を見せに行こう!で、どこらへんにあるのかな?」
「ここからだと東に飛んで半日ってとこかなー?」
「あのね?ボク飛べないから、そんな速さでいけないからね。とりあえず地図アプリで探してみようか」
劇団での出来事が若干トラウマになってしまったようだね。まぁ、いわゆる『有名税』って事で。世界を救った偉大な英雄なんだから、これからも似たような場面に出くわすだろうし、何度も同じ目にあったら慣れると思うけどね。
ここから東に半日飛ぶって、時速何キロなんだろうね?地球の飛行機だったら日本列島の端から端まで行けちゃうけど、竜の飛行速度ってそんなに速そうじゃないと思うんだよね。
とりあえず50km/hぐらいだとしたら200kmぐらいあるんじゃない?静岡県の掛川あたりから東京までの距離ぐらいになっちゃうんだけど。
アプリで探すと、『223km、身体強化4倍での長距離走で約10時間』って結果が出た。
···微妙にアプデされてません?このアプリ。
「リオ、常時身体強化4倍で約10時間らしいんだけど、どうする?」
「それって魔獣に襲われない前提だろー?途中でキャンプか街道沿いの宿泊所で1泊する必要あるだろうなー」
「確かにそうだね。じゃあ、もらった謝礼金で食料とか必要物資を買って支度ができたら行こうか!」
「おうよ!カーネたちに会ってボロクソに文句言ってやるぞー!」
どうやらあの劇の内容に鬱憤が溜まっているようだ。でも、あの劇に出てきた主要人物の本物に会えるのって、今からでもワクワクしてしまうよ!手早く買い物済ませて出発だ!
このアーマチュア街では、大通りにほとんどのお店が集中しているとあって、買い物はさっさと済んでしまった。なんか屋根のないショッピングモールみたいな感覚だね。
買い込んだのは備蓄できる保存食、燃料、十徳ナイフ、下着や羽織るマント、寝袋に食器類だ。あとはリオが勝手におやつを大量に買い込んでいたよ。太っても知らないよ?
武器や防具は買っていない。武器はビームサ〇ベルっぽい剣(面倒だから魔力剣でいいかな?)があるし、防具は手入れが大変そうだ。
ボクには身体強化魔法があるから、それである程度カバーできるしね。冒険しに行くんじゃないし、危険は事前に察知して避けてるんだから現状では問題ない。
買い込んでからすぐに路地に入ってボクの無限収納カバンに入れる。手ぶらになったら次の店というかんじで買い物を進めていった。
残高は25600ジールになっていた。まぁ今までが必要な物資自体持ってなかったから仕方ないね。
お昼ご飯を済ませてから街の外に出た。ここからが大変だ。まずは地図アプリで道順を確認しつつ、魔獣レーダーを起動した。とりあえずここから先の街道35kmぐらいまでは大丈夫そうだった。
そこで一気に距離を稼ぐべく、身体強化4倍で軽く走ることにした。速さはマラソン選手ぐらいかな?元の世界みたいに舗装はされてないけども、踏み固められた道だったからスイスイ進んで、1時間半で走りきったよ。道中、すれ違ったり追い越された人たちがなぜかビックリしてコッチを見てたよ。
ボクたちってそんなに変なのかな?よくわかんないけど。
ちょっと軽く休憩をしつつ、この先の状況を確認する。
ここから7km付近の街道に魔獣が今現在いるようだ。
あと、その先14kmの街道近くにも魔獣がいるようだね。
今日の宿泊予定地は今の休憩地点から46km先にある宿場町だ。なんとか夕方までには着きたいね。
ここからは速度を落として慎重に進むことにした。リオは上空から進む先の街道の様子を探ってもらっている。
最初の危険ポイントの魔獣は街道から離れていく方向に移動したので、クリア!さらにその先の魔獣は街道を塞ぐようにしていたので、街道から外れて藪の中を進んでいくことにした。歩きにくいから移動速度が全く上がらない。
なんとか迂回できて、今日の目標地点だった宿場町に着くことができた。
今日の行程は81km、今の時間は午後8時。夕方過ぎちゃったけど仕方ないね。
今日は特に大きなトラブルがなくてホント良かったよ〜!って、こう思ってると変なフラグ立たないよね?キニシナイでおこうか。
宿場町は少し大きな川に架かっている橋のすぐ横の大きな広場にあった。川には小さな船着き場があったから、橋が架けられる前から栄えていたんだろうね。
宿場町は元の世界の高速道路のサービスエリアみたいに、原則ほぼ均等な距離ごとに設けられているようだ。ただし、山越えや悪路などで移動速度が上がらない場所がある場合などは、その手前に設けられている。よく考えて設計されてるね!
さて、空室あるかな?アーマチュア街での満室だらけの悪夢が少しだけ蘇ったけどね。
ここの宿は酒場と併設されていた。部屋が取れたらここで夕食にしようっと!
どうやら宿のフロントと酒場の注文口が共通のようだね。
ふむふむ、どうやらフロントで注文して食券をもらって厨房から出てきた料理を取りに行くシステムのようだ。
···これって高速道路のサービスエリアにあるフードコートそのまんまじゃね?なんで、こうも微妙にファンタジー感ないのかなぁ〜?変に期待してるわけじゃないんだけどね?
まぁ、業務改善をドンドン進めて効率化しようとすれば、世界が違っても似たようなものになってしまうのかな?
さて、気を取り直してチェックインするぞ!
「こんばんはー!すいません。1部屋空いてないですか?」
「よう!嬢ちゃん。部屋なら空いてるぞ!シングルでいいか?1泊素泊まりで5500ジールなんだがいいかい?」
やっぱり間違えられるよ···。これもリオと同じく、慣れないといけないんだろうなぁ〜。
「···あの〜、ボク男なんですけど?」
「ええっ!?そうなのかい!?こりゃ悪い事したなぁ!済まねぇ。で、どうする?泊まるかい?」
「いいですよ、大丈夫です。お願いできますか?」
「ありがとよ!しかし、その若さで旅かい?ドラゴン族連れてると言っても大変だろう?なにかワケアリって事かい?」
「いや、そんなんじゃないですよ。旅するの大好きで、これからカイジの町にいる知り合いに会いに行くんですよ」
「そうかい!ここから先も比較的街道は整備されてるが、それでも魔獣が出てくるんだ。護衛なしだと、この先キツイぞ?
そうだ!今日はたまたま常連の知り合いの商人が泊まってるんだよ。カイジ方面に向かうって言ってたから、乗せてもらったらどうだ?オレが交渉してやるぞ?」
親切なおっちゃんだなぁ。商人の馬車に乗せてもらって旅ってのも異世界での移動方法あるあるだね!元の世界ではヒッチハイクなんてしたことないから、なおさら新鮮だよ。
お言葉に甘えちゃおうかな?
「リオ、お言葉に甘えちゃおうか?」
「そうだなー、そうさせてもらうかー!おっちゃん、頼むよー!」
「任せろ!一緒についてきてくれるかい?」
そういっておっちゃんは酒場の席で呑んでいる3人組のところへ行った。
「おう!トルネ!ちょっと頼みたいんだが、このボウズとドラゴン族をカイジまで乗せてってやれないか?」
「うん?まぁ、ここで卸した商品の分空きがあるから問題ないぞ」
「そうか!じゃあ、コイツらを頼んだぜ。ボウズ、良かったな?これで安心してカイジに行けるぜ?」
「助かりました。ありがとうございました!」
交渉成立してもらえた。これで明日からの移動は楽チンになったよ!って、これまでが難易度ヨーロピアンエクストリームレベルだったんだけどね···。
後から思い返せば、これも実はフラグだったんだよね···。
ありがとうございました!
ある程度身の回りが整ったので、ここから本格的な旅が始まります。
ここからがアキくんにとっての、ある意味試練となります。
どういったものかはこの後のお話をお楽しみに!という事で。
さて業務連絡ですが、明日は作者が夜勤となっておりまして、投稿は夜ではなく出社前の8時前後を予定しています。
このように作者都合でまれに投稿時間は変わりますので、その際は予めお知らせいたします。




